医薬部外品を2つ買って重ねれば有効成分が2倍になる、という考え方をしていた時期があります。
149品の区分と有効成分を数えてそれが成り立たないと分かりました。作る側が最初からそうしていないのです。
この記事でわかること
- 医薬部外品82品の中身
- 有効成分が2つ入る品の少なさ
- なぜ増やさないのか
- 重ねるなら何を重ねるか
82品のうち、2つ以上入っているのは4品
149品のうち医薬部外品は82品。そのうち有効成分を2つ以上持つ品は4品しかありませんでした。
残る78品は1つだけです。1品に1つという作りが圧倒的に多い。
その4品は何と何を組んでいたか
3品はイソプロピルメチルフェノールとグリチルリチン酸ジカリウムの組でした。バルクオムのボディウォッシュとキュレルのハンドウォッシュ2種です。
残る1品はキュレルのハンドクリームで、アラントインと酢酸DL-α-トコフェロールの組。殺菌と抗炎症、あるいは抗炎症と血行という、役割が重ならない組み方をしています。
増やさないのは、増やせないから
医薬部外品は有効成分ごとに使える上限と用途が決まっています。好きなだけ足せるものではありません。
成分を1つ増やすと承認の手続きも設計もやり直しになる。それでも増やすのは役割が違って効果が重ならないときだけです。実際に4品ともそうなっていました。
2品を重ねても2倍にはならない理由
同じ有効成分の品を2つ重ねると肌に触れる量は増えます。ただし吸収される量がそのぶん増えるわけではありません。
角層が受け取れる量には上限があります。入りきらなかった分は表面に残って流れるだけ。費用は2倍かかります。
重ねるなら役割をずらす
意味があるのは抗炎症と保湿のように狙いが違う組み方です。同じ狙いのものを2つ買う必要はありません。
たとえばグリチルリチン酸ジカリウムの洗顔と化粧水を両方買うより、洗顔だけそれにして化粧水は保湿重視にしたほうが噛み合います。
149品に出てきた有効成分は10種類だけだった
もう1つ驚いたのは使われている有効成分の種類の少なさです。82品の医薬部外品に出てきたのは全部で10種類でした。
| アラントイン | 28品 |
| グリチルリチン酸ジカリウム | 27品 |
| グリチルリチン酸2K | 8品 |
| グリチルレチン酸ステアリル | 4品 |
| イソプロピルメチルフェノール | 3品 |
| カモミラET | 3品 |
| コメ胚芽油 | 2品 |
| L-アスコルビン酸2-グルコシド | 1品 |
| 酢酸DL-α-トコフェロール | 1品 |
| ガンマ-アミノ-ベータ-ヒドロキシ酪酸 | 1品 |
上位2つで大半を占めています。どちらも荒れを抑える方向の成分です。メンズ向けの医薬部外品はここに集中していると言っていい。
種類が少ないことの意味
つまり違うブランドの医薬部外品を2つ買っても中身の有効成分が同じということが起こります。
アラントインの洗顔とグリチルリチン酸ジカリウムの化粧水なら役割が少しずれます。ただアラントインの洗顔とアラントインの化粧水を並べても、狙いは1つのままです。
買う前に裏面の有効成分の欄だけ見比べる。ブランドが違っても同じ名前が並んでいたら、片方は別の狙いのものに替えたほうが組み合わせとして噛み合います。
医薬部外品と化粧品を重ねる場合
医薬部外品を1品、残りを化粧品で固めるのは噛み合う組み方です。狙いのある1品と、土台を作る数品という形になります。
149品のうち医薬部外品は82品、化粧品は67品でした。ブランドによって比率がまるで違うのも数えて分かった点です。キュレルは102品中74品が医薬部外品、バルクオムは19品中3品でした。
この差は良し悪しではなく設計思想の違いです。効能をうたう方向に寄せているか、使用感と処方全体で見せる方向かという分かれ方をしています。
数えて分からなかった部分
有効成分が何パーセント入っているかはどのブランドも公開していません。同じ成分名でも量が違う可能性は残ります。
それと、その他の成分は医薬部外品では配合量の順に並んでいません。化粧品と同じ読み方をすると誤読します。ここは表示から読み取れない部分です。
医薬部外品に寄せたときの物足りない点
効能の根拠がある代わりに使用感の幅は狭くなりがちです。有効成分を安定して入れるほうが優先されるためで、香りやテクスチャーの選択肢は減ります。
価格も上がります。承認を取る手間が乗っているので、同じブランドの化粧品より高いことが多い。毎日使う量を考えるとこの差は年単位で効いてきます。
それと効き方が穏やかなぶん変化が分かりにくい。2週間で何かが起きるという性格のものではないので、手応えを求めると続きません。僕は最初の1本を1か月で放り出しました。
効能をうたえる範囲が変わる
医薬部外品は承認された効能だけ書けます。有効成分ごとに何を目的とするかが決まっているためです。
化粧品はその範囲の外にあります。成分が処方の中で何をしているかは説明できても、効能として言い切ることはできません。
だから同じ成分が入っていても箱に書いてある言葉が違うということが起きる。書いていないから入っていない、という読み方をすると外れます。
薬用と書いてあれば医薬部外品
売り場で区別する方法は簡単で、「薬用」という語が製品名に入っているかを見るだけです。入っていれば医薬部外品、入っていなければ化粧品と考えてほぼ外れません。
もう1つ確実なのは全成分の書き出し方です。医薬部外品は「有効成分:」から始まり、そのあとに「その他の成分:」が続きます。化粧品にはこの区切りがありません。
この見分けが付くと同じ棚に並んでいる2品の性格の違いが30秒で分かります。価格が近くても設計の方向がまるで違うことがある。
重ねる順番は狙いの強い順
医薬部外品を1品だけ使うなら、いちばん届かせたい工程に置くのが効率がいい。
洗顔に置くと触れている時間が短くなります。流してしまうからです。置いておける工程のほうが条件はいいという考え方はできます。
成分の組み合わせについては同時配合を数えた記事にまとめています。
書ける言葉の範囲は広告の読み方の記事にまとめています。
買う前に決めておくこと
医薬部外品を選ぶときは1つの狙いに1品と決めてしまうほうが早い。同じ狙いの品を並べても差は出ません。
区分の違いから確かめたいならメンズ美容の基本ガイドを、具体的な製品はランキング記事を見てください。
※本記事はプロモーションを含みます

コメント