「無添加」と書かれた化粧品は多くあります。安心できそうな響きですが、ここには落とし穴があります。
「無添加」には法律上の定義がありません。何を添加していないのかは、メーカーが決めていて、書いていないことも多い。
この記事でわかること
- 「無添加」に定義が無いということ
- かつての表示指定成分という制度
- 「無添加」表示の読み方
- 本当に見るべきところ
定義が無いとはどういうことか
食品の「無添加」も似た問題を抱えていますが、化粧品でも同じです。何を指すかの決まりが無い。
だから、パラベンだけ抜いて「無添加」と書くこともできるし、香料だけ抜いて「無添加」と書くこともできる。同じ言葉でも、製品によって中身が違います。
「7つの無添加」「10の無添加」のように数字を出している製品もあります。こちらは何を抜いたか書いてあるので、まだ判断材料になります。
かつての表示指定成分
1980年から2001年まで、日本には「表示指定成分」という制度がありました。
アレルギーなどを起こす可能性があるとされた102種類の成分について、表示が義務づけられていた。それ以外の成分は書かなくてよかったのです。
2001年に全成分表示が義務化され、この制度は無くなりました。いまはすべての成分を書くことになっています。
「無添加」という言葉は、この旧制度の指定成分を指していることが多い。ただ、それも明記されていなければ確かめようがありません。
よくある「無添加」の中身
| 抜かれていることが多いもの | 実際のところ |
| 香料 | 本当に無いなら成分表で確認できる |
| 着色料 | 色材が無ければそのとおり |
| パラベン | 代わりの防腐剤が入っている |
| 鉱物油 | 代わりに植物油や合成油が入る |
| アルコール | エタノールのこと。多価アルコールは入る |
どれも「抜いた」というだけで、代わりに入っているものについては何も言っていません。
そして、抜いたものが自分にとって問題だったとは限らない。パラベンで荒れたことがない人にとって、パラベンフリーは選ぶ理由になりません。
「自然由来」も同じ構造
「天然」「オーガニック」「植物由来」も、化粧品では明確な定義がありません。
植物由来だから刺激が無いということもない。植物エキスでアレルギーが出ることもあります。むしろ成分の数が多くなるぶん、何に反応したか分かりにくくなる面もある。
合成だから悪い、天然だから良いという分け方は、成分の話としては成立しません。
じゃあ何を見ればいいのか
結論としては、全成分表を見るしかありません。そこには入っているものが全部書いてあります。
| 見るところ | 分かること |
| 全成分の2番目 | 洗浄剤の型(洗う製品の場合) |
| 上位5つ | その製品の骨格。何を主役にしているか |
| 区分の表記 | 化粧品か医薬部外品か。効能を書けるか |
| 有効成分の欄 | 医薬部外品なら何で承認を取っているか |
この4か所を見れば、「無添加」という言葉よりはるかに多くのことが分かります。
過去に合わなかったものを覚えておく
いちばん実用的なのは、自分が合わなかった製品の全成分を控えておくことです。
複数の製品で共通している成分があれば、それが原因の候補になる。次からはそれを避ければいい。
「無添加」を探すより、自分専用の避けるリストを作るほうが確実です。これは他人には作れません。
言葉が悪いわけではない
念のため書いておくと、「無添加」と書いているメーカーが嘘をついているわけではありません。
実際に何かを抜いているのは事実だし、それを求める人がいるから書いている。問題は言葉の側ではなく、読み手が定義を知らないまま受け取ることです。
定義が無いと知ったうえで見れば、「何を抜いたのか書いてあるか」という一段深い読み方ができるようになります。
物足りないと感じるかもしれない結論
この記事の結論は、「無添加という言葉では選べない」というものです。代わりの簡単な指標を示せないのは、正直なところ物足りないと思います。
ただ、全成分の上位5つと区分を見るだけなら数十秒で済みます。覚えることも多くありません。
その数十秒で、パッケージの言葉に振り回されずに済むなら割の良い習慣だと思います。
言葉の一覧
化粧品の広告で使われる言葉のうち、定義があるものと無いものを整理しておきます。
| 言葉 | 定義 | 判断に使えるか |
| 医薬部外品 | ある。承認を受けた区分 | 使える |
| 有効成分 | ある。承認された成分 | 使える |
| SPF・PA | ある。試験方法が決まっている | 使える |
| 無添加 | 無い | 使えない |
| オーガニック | 化粧品では無い | 使えない |
| 低刺激 | 無い | 使えない |
| エイジングケア | 年齢に応じた手入れという意味 | 効果の話ではない |
上の3つは制度に裏付けられているので、そのまま判断材料になります。下の4つはメーカーの言い方なので、中身を確かめないと意味が分かりません。
「低刺激」も定義がありません。誰にとって低刺激なのかは書かれていない。自分の肌で試すまでは分からない、というのが正確なところです。
何を無添加にしているかを見るには防腐剤の記事にまとめています。
表示のどこを見るかは棚の前で30秒で判断する記事にまとめています。
定義の無い言葉は判断に使わない
「無添加」「天然」「オーガニック」。どれも化粧品では定義が定まっていません。判断に使えるのは全成分表と区分の表記だけです。
成分の読み方はメンズ美容の基本ガイドに、製品ごとの選び方はランキング記事にまとめています。
言葉を疑うことに慣れると、買い物そのものが楽になります。何が書いていないかを見るようになるので、広告の巧拙に左右されなくなる。
化粧品は毎日使うものなので、この見方を身につけておく価値は他のジャンルより大きいと思います。
※本記事はプロモーションを含みます

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