乾燥の話をしていると、ヘパリン類似物質という名前が出てくることがあります。皮膚科で処方される保湿剤の成分として知られていて、市販品にも同じ成分を使ったものがあります。
ただ、手元の149品の全成分を走査したところこの成分は1品も見つかりませんでした。理由ははっきりしていて、これは化粧品には配合できない成分だからです。
この記事でわかること
- ヘパリン類似物質がどの区分の成分か
- なぜ化粧品には入っていないのか
- 市販で手に入れる方法
- 化粧品の保湿成分との違い
区分が違う
化粧品・医薬部外品・医薬品という3つの区分のうち、ヘパリン類似物質が使われるのは医薬品の枠です。
| 区分 | この成分の扱い |
| 化粧品 | 配合できない |
| 医薬部外品 | 配合できない |
| 医薬品(処方) | 皮膚科で処方される保湿剤に使われる |
| 医薬品(市販) | 第2類医薬品として薬局で買えるものがある |
だから、ドラッグストアの化粧品コーナーを探しても見つかりません。医薬品の棚を見る必要があるということです。
市販のものは第2類医薬品にあたるので、薬剤師や登録販売者のいる店舗で買うことになります。通販でも買えますが、購入時に確認事項が出るのはそのためです。
何をする成分なのか
保湿の働きで知られています。水分を保つ方向で作用するとされていて、乾燥が強く出る人に処方されることがあります。
ここで注意したいのは、医薬品なので効能効果が定められているという点です。化粧品の保湿とは枠組みが違うので、同じ「保湿」という言葉でも意味が変わります。
具体的な効能や使い方は製品の説明書に書かれています。自己判断で顔全体に使い続けるようなものではないので、症状が続くなら医師や薬剤師に相談するのが筋でしょう。
化粧品の保湿成分との違い
全成分から読めること
| ヘパリン類似物質(医薬品) | 医薬品の枠。効能効果が定められていて、化粧品には配合できない |
| セラミド(化粧品) | 角層の油分を補う方向。149品では疑似セラミドが32品 |
| グリセリン(化粧品) | 水を抱える保湿剤。ほぼすべての製品に入っている |
| アラントイン(医薬部外品の有効成分) | 肌荒れを防ぐ方向。保湿とは担当が違う |
149品(キュレル102・資生堂メン14・バルクオム19・オルビス14)を走査した実測。ヘパリン類似物質は1品も見つからなかった。
成分は各社公式の表示と製品区分の表示による(区分ごとの整理)
化粧品で足りるかどうかの線引き
乾燥といっても幅があります。どこからが医薬品の領域かを分けておくと、無駄な買い物が減ります。
| 状態 | 向かう先 |
| つっぱる程度 | 化粧品の保湿で足りることが多い |
| 粉を吹く | 化粧品でも対応できるが、洗いすぎを疑う |
| かゆみが続く | 医薬品や皮膚科の領域に近い |
| ひび割れ・出血 | 皮膚科。化粧品で粘る場面ではない |
化粧品は「健やかに保つ」までが役割です。荒れている状態を治すのは医薬品の仕事なので、そこを混同すると時間を無駄にします。
物足りない点と注意
市販の医薬品は、化粧品のように気軽に使えるものではありません。使用量や使用部位に指定があり、長く使う場合は相談が必要になることもあります。
それと、顔に使えるかどうかは製品によるので、説明書を読まずに使うのは避けたいところ。体用として売られているものを顔に塗ると、想定外の刺激が出ることがあります。
価格も化粧品より高くなりがちです。毎日全身に使う前提だと、コストは無視できません。
順番としては
まず化粧品で試して、それで足りるならそれでいい。足りないと感じたときに医薬品を検討する。その前に洗いすぎていないかを見るのも重要です。
洗浄力の強い洗顔料やボディソープを使っていると、何を塗っても追いつきません。足す前に減らすほうが効くことは多くあります。
区分の壁を知っておくと迷わない
化粧品・医薬部外品・医薬品という3つの枠は、成分の良し悪しではなく何を証明したかで分かれています。
| 区分 | 何を通しているか | 書けること |
| 化粧品 | 安全性の基準 | 「うるおいを与える」など一般的な範囲 |
| 医薬部外品 | 有効成分の承認 | 承認された効能を表示できる |
| 医薬品 | 有効性と安全性の審査 | 効能効果として明記される |
上に行くほど審査は厳しくなり、書けることも増えます。その代わり、手軽さは下がる。医薬品は薬剤師や登録販売者を介する必要があるものもあります。
だから、強い成分を探すのではなく、自分の状態に合う区分を選ぶという考え方のほうが実用的です。軽い乾燥に医薬品を持ち出す必要はないし、割れて出血しているのに化粧品で粘る意味もありません。
ヘパリン類似物質が化粧品に入っていないのは、そういう線引きの結果です。制度として棚が分かれているということを知っていれば、探す場所を間違えずに済みます。
蓋をする方向の成分はワセリンの記事にまとめています。
乾燥が進んだ場合はひび・あかぎれの記事にまとめています。
棚が違うことを知っておく
ヘパリン類似物質は化粧品には入りません。149品を走査して1品も無かったのは偶然ではなく、制度上そうなっているからです。
探すなら医薬品の棚へ。化粧品でできる範囲との線引きを知っておくと、買い物の判断が速くなります。保湿全体の考え方はスキンケアのランキング記事にも。
成分名を知っていても、それがどの棚にあるかを知らなければ探せません。化粧品コーナーに無い成分があるということを知っておくだけで、無駄に探す時間が減ります。
そして、化粧品で足りるならそれでいい。区分が上だから優れているという話ではなく、自分の状態に合う枠を選ぶだけのことです。
※本記事はプロモーションを含みます

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