甘くない、青い花の香りです。ワイルドフラワーとバラの素朴な甘さを、ミントとバジルの青さが断ち、アイリスとイランイランが粉っぽい落ち着きを残します。つけてからおおむね5〜7時間、近い距離にいる人にだけ届く出方をします。花の香りを甘ったるいものと感じて避けてきた人に向く1本。
ヤングメモリーズ(YOUNG MEMORIES)は、ノンフィクションのオードパルファン。50mLで22,000円です。公式が挙げる原料はワイルドフラワーにミントとバジル。「のどかな日々への郷愁」を掲げながら、甘い花束にはなっていません。どう組まれているかを公式の説明から読み解きます。
この記事でわかること
- 花を潰したときの青さという、この香りの軸
- ミントとバジルが甘さを断つという組み立て方
- 調香師の名前が公表されていることの意味
- 持続とつけ直しの目安、買う前に確かめたい点
結論:甘さを断った「青い花」、春の日中に効く一本
総合評価:4.3 / 5.0 ★★★★☆
この香りの軸は、花瓶に生けた花ではなく、手で摘んで握ったときの匂いです。公式が「ワイルドフラワーを潰して」と書くとおり、青くて少し苦い。ミントとバジルという料理寄りの素材が花の甘さを断ち、郷愁という主題が甘ったるくなるのを止めています。
季節は春に寄り、年間の主軸にするには軽い。ただし場面を絞れば話は別で、日中の外出や職場では青さがそのまま清潔感として届きます。日本での取扱店舗が少ないぶん試しにくいものの、その分だけ人と被りにくい一本でもある。調香師の名前まで公表されている点も含めて、作品として買う対象になります。
ノンフィクション ヤングメモリーズの基本情報
| ブランド | ノンフィクション(2019年・ソウル) |
| 商品名 | ヤングメモリーズ オードパルファン |
| 容量 / 価格 | 50mL:22,000円 |
| 調香師 | モーリス・ルーセル、ドミニク・ロピオン |
| 香調 | ワイルドフラワー、バラ、ミント、バジル、アイリス、イランイラン |
| 系統 | 花とハーブ(甘さを抑えた青い花) |
| 題材 | のどかな日々への郷愁。春を思わせる設計 |
どんな香りか:花を潰したときの青さ
公式の説明は「ワイルドフラワーを潰して爽やかなミントとバジルが香ると、自然本来が持つ鮮やかさと美しさを呼び覚ましてくれます」。
潰すという動詞が入っているのが特徴です。花瓶に生けた花ではなく、手で摘んで握ったときの匂い。青くて、少し苦い。
公式は「春を思わせるフレグランスは、のどかな日々への郷愁を呼び起こします」と続けています。
使われている原料と役割
| 原料 | 役割 |
|---|---|
| ワイルドフラワー | 野の花。素朴な甘さ |
| バラ | 深み |
| ミント、バジル | 青さと清涼感 |
| アイリス | 粉っぽい落ち着き |
| イランイラン | 濃厚な白い花 |
ミントとバジルという料理寄りの素材が、花の甘さを断っています。郷愁という主題に対して、甘くしすぎないという判断でしょう。
調香師の名前が出ている
この香りには、公式が調香師の名前を明記しています。モーリス・ルーセルとドミニク・ロピオン。どちらも欧州の第一線で長く仕事をしてきた人物です。
香水で調香師の名前が表に出るのは、実はそう多くありません。多くのブランドは処方を企業秘密として扱い、誰が作ったかを公開しない。名前を出すというのは、作品として売るという意思表示になります。
公式はこの4本のコレクションについて、「アイリスとイランイランの色あせない優雅さをつくり上げています」と結んでいます。
どうつけて、どれくらいもつか
オードパルファンなので、1〜2プッシュで足ります。
つける場所の目安
- 首すじ・耳の後ろ:最も届く。人に伝えたいとき
- 手首:動作のたびに香る
- 腰まわり:下から穏やかに立ち上がる
- 服:残りやすいが、本来の出方はしない
オードパルファンの持続はおおむね5〜7時間です。朝につければ夕方まで残る計算になります。
韓国のブランドは、欧州の老舗に比べて拡散が穏やかに作られている傾向があります。満員電車や会議室で持て余しにくい反面、すれ違いざまに気づかせる力は弱い。近い距離にいる人にだけ届く、と考えておくと期待を外しません。
つけ直すなら昼過ぎが目安です。ただし自分の鼻は最初の30分で慣れてしまうので、「消えた」と感じても他人にはまだ届いていることがあります。足す前に一度、服の袖などで確かめるほうが安全です。
使う場面と量
| 場面 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 春 | ◎ | 設計そのものがこの季節 |
| 日中の外出 | ◎ | 明るさが場面に合う |
| 職場 | ○ | 青さが清潔感として届く |
| 冬の夜 | △ | 明るさが浮く |
使う場面が見えたら、あとは買うだけです。
どの容量を買うか
| 容量 | 使いどころ |
|---|---|
| 50mL | 日常の主軸 |
| 100mL | 定番にする |
作っているブランド
ノンフィクションは2019年にソウルで始まったブランドです。フレグランスとボディケアを軸に、店舗の設計まで含めて世界観を作り込んでいます。
香りの名前が「サンタルクリーム」「オープンアームズ」のように情景や状態を指す言葉で付けられているのが特徴で、何の匂いかを名前から読み取れるものと、読み取れないものが混在しています。
韓国のフレグランスブランドが日本で存在感を持ち始めたのは、ここ数年のことです。スキンケアやメイクで先に市場を取り、そこから香りへ広げてきた。価格帯も欧州のニッチ系と並ぶところまで上がっています。1万円台後半から2万円台という設定は、ジョー マローンやディプティックと同じ帯です。つまり価格で選ばれることを前提にしていない。世界観と香りそのもので勝負する、という立ち位置になります。
残念なところ
試せる場所が限られます。日本での取扱店舗はまだ少なく、地方では現物に触れる機会がほぼありません。
情報も少ない。欧州の老舗と違って、原料の産地や調香師まで公開されている香りは限られます。
転売品にも注意が要ります。韓国から個人輸入した品が国内で流通していますが、輸送中の温度も保管状態も読めません。香りは熱と光で変わるので、定価より極端に安いものは理由を確認したほうがいい。
花とハーブの組み合わせは競合が多い領域です。似た方向の香りを持っているなら、違いを感じにくいかもしれません。
季節も春に寄ります。年間を通した主軸にするには軽い。
ただし、どれも避けようがある短所です。試しにくさと情報の少なさは裏を返せば人と被りにくさで、春に寄る軽さも、季節を絞る一本と決めれば欠点ではなくなる。正規の流通で買い、春の日中に使う。その2点さえ押さえられるなら、短所は実害になりません。
買える場所と価格
日本では公式オンラインと一部の百貨店・セレクトショップで買えます。
| 容量 | 価格 |
|---|---|
| 50mL | 22,000円 |
並行輸入や個人輸入の品も出回りますが、保管状態が読めません。香りは熱と光で変わるので、正規の流通で買うほうが確実です。
買う前に
2万2千円近い買い物になります。韓国のフレグランスは日本で試せる店舗がまだ限られていて、実物に触れずに買う人が多い。少量から試す方法を持っておくと、失敗の幅が小さくなります。
あわせて読みたい
- 評価が割れる香りの実際を知りたいなら、ザ・ベージュのレビューもどうぞ。
まとめ:春に使う、甘くない青い花
ヤングメモリーズは、花を潰したときの青さを軸にした香りです。ミントとバジルが甘さを断ち、郷愁を甘ったるくしていません。
春に使う一本として、外しにくい設計です。調香師の名前が出ている点も含めて、作品として買う価値があります。
買う前に効いてくるのは、試せる場所の少なさです。日本での取扱店舗はまだ限られ、地方では現物に触れる機会がほぼない。裏を返せば人と被りにくい香りなので、少量から試す手段を用意してから決めると、2万2千円の買い物が読みやすくなります。
価格帯はジョー マローンやディプティックと並ぶ2万円台。価格で選ばれることを前提にしていない設計なので、決め手になるのは世界観と香りそのものです。花とハーブは競合が多い領域で、似た方向の一本をすでに持っているなら違いは感じにくい。逆に、甘い花を避けてきた人にとって、この青さは代えがききません。
ノンフィクション香水の選び方では、系統ごとに整理しています。
ノンフィクション ヤングメモリーズ オードパルファンに近い方向で探すなら
この香りが気に入ったなら、次に試す候補も挙げておきます。同じ香りではありません。価格も方向も違うので、どこが近くてどこが違うかを先に書きます。
| 銘柄 | 価格の目安 | 近いところ | 違うところ |
|---|---|---|---|
| ル ラボ イラン49 オードパルファム | 14,300円〜 | イランイランが重なる | オークモスが入り、苔の湿り気が出る |
| メゾン フランシス クルジャン ル ボー パルファム | — | イランイランが重なる | チュベローズが入り、白い花が濃い |
| クルジャン フェミナン プルリエル | — | アイリスが重なる | オレンジが入り、甘い柑橘が乗る |
どれも代わりにはなりません。「近い方向をもう1本持ちたい」のか「これの代わりを安く済ませたい」のかで、選ぶ先が変わります。
※本記事はプロモーションを含みます

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