欲しい服を定価で買ったら、2週間後に3割引になっていた。これは運ではなく、値下げの時期がほぼ決まっているからです。業界の在庫の動き方が分かると、いつ買えばいいかが読めるようになります。待つべきものと、待つと無くなるものの区別も含めて整理します。
値下げは2段階で進む
セールは一度に最大の値引きになるわけではありません。多くの店で、2段階から3段階に分けて下げていきます。
| 段階 | 時期の目安 | 値引き | 在庫 |
|---|---|---|---|
| 先行・優待 | 本セールの1〜2週前 | 10〜30パーセント | ほぼ全部そろう |
| 本セール | 公式の開始日 | 30〜50パーセント | 人気の色が欠け始める |
| 追加値下げ | 本セールの2〜3週後 | 50〜70パーセント | サイズが飛ぶ |
| 最終処分 | シーズン末 | 70パーセント以上 | 残り物のみ |
つまり「安さ」と「そろい方」は逆に動きます。どちらを取るかを先に決めておかないと、毎回迷うことになる。
定番のサイズ(Mや L)は早く消えます。端のサイズは最後まで残りやすい。
自分のサイズがどちらかで、待てる限界が変わります。
年間の大まかな流れ
アパレルの1年は、実際の季節より2か月ほど先行しています。
| 月 | 店頭に並ぶもの | 値下がりするもの |
|---|---|---|
| 1月 | 春物の入り始め | 冬物が最終処分 |
| 2月 | 春物 | 冬物の残り |
| 3月 | 春物が本格化 | — |
| 4月 | 初夏物 | — |
| 5月 | 夏物 | 春物が一部 |
| 6月 | 夏物 | 春物・初夏物 |
| 7月 | 秋物の入り始め | 夏物の本セール |
| 8月 | 秋物 | 夏物の追加値下げ |
| 9月 | 秋物が本格化 | 盛夏物の最終処分 |
| 10月 | 冬物の入り始め | — |
| 11月 | 冬物 | 秋物が一部 |
| 12月 | 冬物 | 秋物・初冬物 |
夏物を最も安く買えるのは8月です。ただしその時期には、店頭は秋物に切り替わっている。
つまり「今着たいもの」と「今安いもの」は常にずれます。来年に着る前提で買うのが、セールの基本的な使い方になります。
押さえておく時期は4つ
細かく追わなくても、この4つを覚えておけば足ります。
覚えておく4つの時期
- 1月:冬物の最終処分。コートとニットが最も安い
- 6〜7月:夏物の本セール。ここが上半期の山
- 8月:夏物の追加値下げ。サイズは選べない
- 12月:秋冬物の初回値下げ。まだ選べる
コートを買うなら1月です。着る期間が1〜2か月残っているうえに、値引きが最も大きい。
逆に、11月に買うと定価に近い。1か月待てるかどうかで、金額が倍近く変わる品目です。
夏物は6月下旬から動き始めます。7月に入ると本格化しますが、そのころには猛暑が来ている。
店の種類で時期がずれる
| 店の種類 | セールの傾向 | 狙い方 |
|---|---|---|
| 百貨店 | 時期が横並び | 初日に行く |
| セレクトショップ | 会員向けが先行 | 会員登録しておく |
| ブランド直営 | 値引きが控えめ | アウトレットへ回る |
| 量販店 | 随時値下げ | 時期を待たない |
| 通販専業 | 独自の周期 | メールを追う |
百貨店は時期がそろっているので、比較しやすい。そのぶん人が集中します。
セレクトショップは会員向けの先行がある店が多い。無料で登録できるなら、しておく価値があります。
直営店は値引きを抑える代わりに、アウトレット店舗に流す形を取ることがあります。
量販店は決まったセールがなく、売れ行きで随時下げます。待つ意味が薄い種類です。
待つべきものと、待つと消えるもの
全部を待てばいいわけではありません。
| 品目 | 待つ価値 | 理由 |
|---|---|---|
| 定番の白シャツ | 低い | 毎年ある・サイズ豊富 |
| コート・アウター | 高い | 高額で値引き幅が大きい |
| ニット | 高い | 1月に大きく下がる |
| スーツ | 中 | サイズが限られる |
| 革靴 | 低い | サイズが早く消える |
| 流行の強いもの | 低い | 来年着ない可能性 |
革靴と革製品は、サイズと色の組み合わせが限られます。気に入ったものがあれば、定価でも押さえるほうが結果的に良い。
逆にアウターは、値引き額そのものが大きい。3万円のコートが5割引なら1万5千円が浮きます。
流行性の強いものは、来年着るかどうかが読めません。半額でも、着なければ全額が無駄になります。
通販のセールは別の周期で動く
実店舗の季節セールとは別に、通販には独自の大型セールがあります。
通販の主な時期
- 3月:新生活向け
- 7月:夏の大型セール
- 9月:秋の切り替え
- 11月:年末の大型セール
- 12月末〜1月:年始・福袋
通販は在庫の反映が速いので、開始直後に動く必要があります。数時間で人気のサイズが消えることがある。
事前に買い物かごに入れておいて、開始時に確定する。これが最も確実な方法です。
セール中に値段が上がる商品もあるので、普段の価格を控えておくと判断できます。
値引き率に惑わされない
70パーセント引きでも、要らないものは高い買い物です。
値引き表示を見るときの注意
- 元の価格が適正だったか
- 去年の同じ商品はいくらだったか
- セール用に作られた商品ではないか
- 同じものが他店でいくらか
- 送料と返品条件
セール専用に作られた商品があります。元から値引き前提の価格が付いているので、定価との差は実質的な意味を持ちません。
見分け方の1つは、シーズン中に店頭で見た記憶があるかどうか。セール初日に突然大量に並ぶものは、その可能性があります。
値引き率ではなく、最終的にいくら払うかで判断してください。
買う前に決めておくこと
セール会場に着いてから考えると、必ず余計なものを買います。
行く前に決める3つ
- 買うもののリスト(品目とサイズ)
- 予算の上限
- リストにないものは買わない、という決め事
手持ちの棚卸しを先にやると、リストが具体的になります。「白シャツはある、コートが無い」という形。
予算は総額で決める。1点ずつ判断すると、合計が膨らみます。
リスト外を買っていいのは、「探していたが見つかっていなかったもの」に限る、という例外を作っておくと現実的に運用できます。
サイズが無いときの判断
セールで最も多い失敗が、サイズの妥協です。
「安いから」で1つ上を買っても、着ません。直しに出すと、値引き分が消えることもある。
| ずれ方 | 直せるか | 判断 |
|---|---|---|
| 袖が長い | 直せる | 買ってよい |
| 裾が長い | 直せる | 買ってよい |
| 肩が大きい | 直せない | 見送る |
| 全体に大きい | 難しい | 見送る |
| きつい | 出せる幅は少ない | 見送る |
肩が合わないものは、値段に関係なく買わない。これだけ守れば、セールでの大きな失敗は減ります。
直し代を含めた総額で考えると、定価で合うサイズを買うほうが安いことがあります。
セールで買わないほうがいいもの
安く買えても、結果的に損をする種類があります。
1つは、自分の定番になっていないもの。着心地や耐久を知らないものを、まとめ買いするのは危険です。
もう1つは、手入れに手間がかかるもの。安く買っても、クリーニング代が毎回かかれば総額は変わりません。
それから、サイズ交換ができない条件のもの。セール品は返品不可のことが多いので、試着できない通販では特に慎重になる必要があります。
逆に、既に使っていて良さが分かっているものの買い足しは、セールが最も合理的な機会になります。
「知っているものを安く買う」のがセールの正しい使い方で、「知らないものを安いから試す」のは失敗しやすい使い方です。
待ちすぎて起きること
値下がりを待つこと自体にも費用があります。
1つは、着られない期間です。1月にコートを買えば、その冬は2か月しか着られません。11月に定価で買えば、5か月着られる。
1シーズンあたりの費用で考えると、定価で早く買うほうが安いことがあります。
もう1つは、探し続ける時間です。毎週サイトを見る時間を積み上げると、浮いた金額に見合わないこともある。
それから、待っている間に別のものを買ってしまう。「まだ買っていない」という状態が、他の買い物への歯止めを緩めることがあります。
欲しいものが明確で、今すぐ必要なら定価で買う。来年でいいものだけ待つ。この線引きをしておくと、待つことが負担になりません。
あわせて読みたい
- 店ごとの動きを知りたいならセレクトショップのセールはいつ始まるかもどうぞ。
まとめ
値下げは2〜3段階。安さとサイズのそろい方は逆に動きます。
押さえるのは1月・6〜7月・8月・12月の4つで足ります。
コートとニットは1月が最安。革靴はサイズが消えるので待たないほうがいい。
肩が合わないものは値段に関係なく見送る。これだけで失敗が減ります。
※本記事はプロモーションを含みます









コメント