「コダックのカメラ」で探すと、レトロな顔つきの四角い箱が何台も並びます。ところが並んでいるものは、中身がまるで別の機械です。SDカードに撮るデジタルカメラ、35mmフィルムを詰めるフィルムカメラ、その場でプリントが出てくるインスタントカメラ。この3つが、同じ検索結果の中に混ざって表示されます。
いちばん多い取り違えが、デジカメのつもりで注文したらフィルムカメラが届いた、という事故です。EKTAR H35Nは公式ページに「フィルム・電池・レリーズケーブル・三脚は同梱しない」と明記されていて、箱を開けても撮り始められません。フィルムを別に買い、単4アルカリ電池を入れ、撮り終わったら現像に出す。ここまでで1セットになります。
この記事では、コダックの名前で買える7台を、デジタル5台・フィルム1台・インスタント1台に分けて並べました。価格の幅は6,300円前後から28,800円前後まであります。同じブランド名でも、選んだ先に待っている遊び方はまるで別物です。
先にもうひとつ書いておきます。今回の7台のうち撮像素子が公表されているものは、公式仕様ではすべてCMOSでした。フィルム時代の「コダックらしい写り」を期待して現行のデジタル機を買うと、そこは前提が変わってきます。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
デジタル・フィルム・インスタントの3種類が同じ棚に並んでいます
まずは全体像です。下の表は、このあとの見出しと同じ並びにしてあります。上から5台がデジタル、6台目がフィルム、7台目がインスタントです。
| 機種 | 種類と持ち味 | 実売の目安 |
|---|---|---|
| KODAK PIXPRO C1 | デジタル/ズームなしの単焦点26mm F2.0 | 17,380円前後 |
| KODAK PIXPRO FZ55 | デジタル/光学5倍ズームの中心機種 | 24,000円前後 |
| KODAK PIXPRO FZ45 | デジタル/単三電池2本で動く光学4倍 | 19,800円前後 |
| KODAK PIXPRO WPZ2 | デジタル/15m防水・2m耐衝撃 | 28,800円前後 |
| KODAK CHARMERA | デジタル/キーチェーン型のトイデジ | 6,300円前後 |
| KODAK EKTAR H35N | フィルム/35mmハーフフレーム。フィルムは別売り | 10,890円前後 |
| KODAK Mini Shot 3 Retro | インスタント/76mm角のプリントがその場で出る | 20,200円前後 |

3種類の違いを、使ったあとの動きで説明します。デジタルの5台は、撮った写真がmicroSDやSDカードに残ります。パソコンやスマホに移して、必要な分だけ現像に出すか、そのままSNSに上げる流れです。ランニングコストはカード代だけで済みます。
フィルムのEKTAR H35Nは、撮るたびにフィルム代と現像代がかかります。そのかわり、撮った瞬間には何も見えません。現像が上がるまで待つ時間そのものが、この1台の遊びの中身になります。
インスタントのMini Shot 3 Retroは、その両方を持った機種です。撮ったデータは本体で扱いながら、76mm角のプリントがその場で出てきます。人に渡せる形が手元に残るぶん、集まりの席では出番が多くなるはずです。
ズームと電源で分かれる、デジタルの5台
デジタルの4機種はPIXPROというシリーズ名でまとまっていますが、ズームの倍率と電源の作りが1台ずつ違います。5台目のCHARMERAは同じデジタルでも別ラインで、値段の桁が1つ下がります。
単焦点26mmで軽く持ち歩く KODAK PIXPRO C1
C1はPIXPROシリーズの中で唯一、ズームを持たない単焦点機です。26mm相当でF2.0という明るいレンズが固定で付いていて、画角を変える操作がありません。撮像素子は1/3型のBSI CMOSで、記録画素数は13MPです。
液晶は2.8型で、180度チルトします。カメラを自分に向けたまま画面を確認できるので、自撮りやテーブルの上の記録に向きます。質量は約115gで、内蔵のリチウムイオン電池は3.7V 700mAhです。
弱点もはっきりしています。光学ズームがなくデジタルズーム4倍だけなので、遠くの被写体には寄れません。記録メディアはmicroSDで、対応するのは32GBまでです。手持ちの64GBカードがあっても、そのままでは使えない点に注意してください。
ズームを捨てて、軽さと見た目に振り切った1台を探している人に向きます。
広角も望遠も1台で済ませる KODAK PIXPRO FZ55
FZ55はPIXPROの中心にいる機種です。28-140mm相当の光学5倍ズームを積んでいて、目の前のテーブルから向こう岸の建物まで、レンズ交換なしで追いかけられます。絞りはF3.9からF6.3、デジタルズームは6倍まで併用できます。
撮像素子は1/2.3型のCMOSで16MP。液晶は2.7型、質量は約106gです。記録メディアはSD/SDHC/SDXCに対応し、512GBまで使えます。C1の32GB上限と比べると、動画をたくさん撮る人にはこちらのほうが気楽です。
電源はLB-012というリチウムイオン充電池だけで、単三電池は使えません。旅先で残量が尽きると、その日の撮影がそこで止まります。予備電池かモバイルバッテリーを一緒に持つ前提で考えてください。
ボディカラーはブラック・シルバー・ブルー・レッドの4色です。1台で広角も望遠もこなしたい人には、この機種が素直な選択になります。
電池が切れてもコンビニで復活する KODAK PIXPRO FZ45
FZ45の値打ちは、電源が単三電池2本というところに集約されます。充電を忘れて出かけても、電池はコンビニでもスーパーでも手に入るはずです。キャンプや連泊の旅行、電源のない場所で長く過ごす日には、この作りが効いてきます。
センサーはFZ55と同じ16MPのCMOSで、レンズは27mm相当の広角から始まる光学4倍です。液晶は2.7型、動画は1080pのフルHDまで撮れます。写りの土台はFZ55と揃えたまま、ズーム倍率を1段下げて価格を抑えた構成になっています。
望遠側はFZ55の5倍ズームに届きません。液晶もチルトしない固定式なので、低い位置から撮るときは自分がしゃがむことになります。
子どもに持たせる1台目としても考えやすい機種です。落として壊れても痛手が小さく、電池は家にある分でまかなえます。
水の中まで連れていける KODAK PIXPRO WPZ2
WPZ2はPIXPROシリーズで唯一、水中に持ち込める機種です。15mの防水、2mの耐衝撃、JIS/IEC IP6Xの防塵を備えています。海やプール、雪山、あるいは現場の記録用途まで、他の3機種とは行ける場所そのものが違います。
センサーは1/2.3型のBSI CMOSで16MP、レンズは27-108mm相当の光学4倍です。電池はLB-015というリチウムイオン電池を使います。ボディカラーはイエローで、砂浜や水底でも見つけやすい色になっています。
そのぶん本体は大きめです。約103×66.7×52.4mm、質量は約176gあり、シリーズの中では最も重い部類に入ります。ジャケットの内ポケットに入れて日常的に持ち歩く用途には向きません。
同じ「濡れる場所で撮る」目的でも、走りながら撮るならウェアラブル型のほうが扱いやすい場面があります。使い分けはアクションカメラのおすすめと見比べてから決めると納得しやすいはずです。
6,300円前後で始められる KODAK CHARMERA
CHARMERAは、今回の7台でいちばん安く手に入る1台です。キーチェーンに付く小さなトイデジで、1/4型のCMOSと35mm F2.4のレンズを積んでいます。充電はUSB Type-C、保存先はmicroSDで1GBから128GBまでに対応します。
面白いのは売り方です。ブラインドボックス仕様になっていて、7種類あるデザインのうちどれが届くかは開けるまで分かりません。狙った色を選べないかわりに、開ける瞬間の楽しみがあります。
注意点が1つあります。付属するのはカメラ本体・キーリング・USB-Cケーブルだけで、microSDカードは別売りだと公式に明記されていました。カードがないと撮った写真を保存できないので、本体と一緒に注文しておいてください。
写りを競う機械ではありません。鍵と一緒にぶら下げておいて、気が向いたら押す。そういう距離感で付き合う1台です。ガジェット好きへの贈り物としても手が出しやすい価格帯です。
フィルムで撮るなら EKTAR H35N。本体だけでは1枚も撮れません
ここから先は、扱う種類が変わります。EKTAR H35Nは35mmフィルムを詰めるフィルムカメラです。これまでの5台とは、撮ったあとの流れがまるで違ってきます。
ハーフフレームという方式を採っていて、35mmフィルムの1コマを縦半分に分けて使います。36枚撮りのフィルム1本で72枚撮れる計算です。フィルム代と現像代が1枚あたり半分になるので、フィルムを始めるときの負担が軽くなります。
レンズは22mmでF11、フラッシュ使用時はF8です。構成はガラスレンズ1枚を含む2枚になっています。内蔵の星型フィルターを使うと、点光源が星の形に伸びます。バルブ撮影にも対応していて、シャッターを開けたままにできる仕様です。質量は110gです。
そして、この記事でいちばん伝えたい点がここにあります。公式ページには、フィルム・電池・レリーズケーブル・三脚は同梱しないと明記されています。本体を買っただけでは、シャッターすら意味を持ちません。35mmフィルムと単4アルカリ電池1本を、必ず一緒に用意してください。
最初から迷いたくない人には、フィルムと電池がセットになった同梱版も流通しています。楽天の一部店舗では12,620円前後で、本体単品との差は1,730円でした。フィルムを別途1本買う手間を考えると、この差額は納得しやすい範囲だと思います。
デジタルの5台とは、撮る動作そのものが別物です。撮った直後に画面で確認できないので、ピントも露出も自分の勘に任せることになります。その不便さを楽しめる人にとっては、これ以上ない1台になります。
撮った写真をその場で配れる Mini Shot 3 Retro
3つ目の種類がインスタントです。Mini Shot 3 Retroはカメラとフォトプリンターが一体になっていて、撮ったその場で76×76mmのスクエアプリントが出てきます。
カメラ部は13MPで、レンズは25.4mm。印刷は4PASS昇華型で、解像度は291×300dpiです。Bluetoothに対応しているので、スマホの中の写真を送って印刷する使い方もできます。飲み会や結婚式、子どもの行事のように、その日のうちに渡したい場面に向いた道具です。
ランニングコストの話をします。本体には8枚分の専用カートリッジが付属しますが、印刷を続けるには追加購入が必要です。専用カートリッジはICRG-360という型番で、60枚入りが2,400円前後でした。1枚あたり約40円という計算になります。
8枚は、集まりの席なら1時間ともちません。本体を注文するときに、カートリッジも一緒にカゴへ入れておくことをおすすめします。写真を配る前提で買う道具なので、そこは最初から見込んでおくほうが気持ちよく使えます。
買ってから気づきやすい、7台それぞれの引っかかり
いいところだけを並べても選べません。ここは弱点も正直に書きます。
デジタルの5台には、それぞれ別の制約があります。C1は光学ズームがなくmicroSDも32GBまで。FZ55は充電池専用で、外出先での電池切れに弱い作りです。FZ45は望遠が4倍止まりで液晶も固定式。WPZ2は176gと大きめで、普段のポケットには入りません。CHARMERAはデザインを選べず、microSDも別売りです。
EKTAR H35Nの制約はすでに書いたとおりで、フィルム・電池・レリーズケーブル・三脚がどれも別売りになります。Mini Shot 3 Retroは付属カートリッジが8枚分だけで、続けるなら60枚2,400円前後の追加が前提です。
そして共通する前提が、撮像素子です。公表されている機種はすべてCMOSでした。「コダックのカメラ=あの独特の色」という記憶で現行機を選ぶと、期待と違うところが出てきます。あくまで、コダックの名前で買える現代のカメラとして見てください。
注文ボタンを押す前に確かめる3つ
- 買おうとしているのはデジタル・フィルム・インスタントのどれか
- 本体のほかに要るもの(microSD・フィルム・単4電池・カートリッジ)はカゴに入っているか
- 撮ったあと、データで残したいのか紙で渡したいのか
予算と使い道から、もう一度絞り込みます
値段の幅は6,300円前後から28,800円前後まであります。いちばん安いのがCHARMERA、いちばん高いのがWPZ2です。2万円を超えるのはFZ55・WPZ2・Mini Shot 3 Retroの3台で、残る4台は2万円を下回ります。
デジタルで1台目を選ぶなら、判断の軸は2つだけで足ります。ズームが要るかどうかと、電源をどうしたいかの2点です。ズームが要らなければC1、要るならFZ55。充電を忘れがちな人はFZ45、水辺や現場で使うならWPZ2という並びになります。
フィルムを試してみたい人はEKTAR H35Nですが、フィルムと現像の手配まで含めて考えてください。人に配りたい人はMini Shot 3 Retro。とりあえずコダックの名前で何か1つ持っておきたい人にはCHARMERAが向きます。

留守中の様子を残す目的なら、そもそもカメラの種類から違ってきます。ペットカメラのおすすめのような据え置き型のほうが目的に合うので、そちらも一度のぞいてみてください。
注文の前に、種類だけは決めておいてください
コダックのカメラで起きる失敗は、ほとんどが種類の取り違えです。デジタルのつもりでフィルムを買ってしまう。プリンター一体型だと知らずに追加コストで驚く。この2つが大半を占めます。
だから最初にやるべきことは、機種の比較ではありません。撮ったあと、データで残したいのか、フィルムの現像を待ちたいのか、紙にして人へ渡したいのかを決めてください。ここを先に決めてしまえば、7台は自然と3つのグループに分かれて、残る候補は多くても5台になります。
そのうえで、ズームの要る・要らない、電池の種類、防水の有無を見ていく順番です。予算だけで並べ替えると、種類をまたいで比べることになって、また同じ取り違えに戻ってしまいます。
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