ネクタイピンなんて小さな金具、と思っていませんか。結論から言うと、名刺を差し出すときや向かい合うとき、相手の視線はちょうど胸元に落ちるので、実は印象を左右する場所です。この記事では、8ブランドを胸元でどう働くかで3つに分けて紹介し、買う前に押さえておきたい留め方・長さ・素材の3点もあわせてお伝えします。
この記事でわかること
- 目的別に選べる8ブランドの分け方
- 買う前に見る留め方・長さ・素材
- 贈り物にするときの注意点
- 8本それぞれの惜しいところ
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
まず決めるのは、自分用か贈り物か
ネクタイピンは似た見た目の商品が何百と並ぶジャンルです。全部を見比べようとすると、たいてい途中で疲れて選べなくなります。そこで最初にやるべきは、その一本を何のために使うのかを決めることです。用途がはっきりすれば、候補は自然と2〜3本まで減ります。
| 選ぶ軸 | このゾーンのブランド | 選ぶ目安 |
|---|---|---|
| 毎日のスーツを静かに整える | タケオキクチ・J.PRESS・アニエスベー | 無地で主張しない。スーツの完成度だけを上げたい人 |
| 胸元に色や柄で表情を足す | モンアート・ポールスミス・ブルックスブラザーズ | 黒やチャコールに寄りがちで、小さな差し色が欲しい人 |
| 贈り物としてブランドを伝える | ヴィヴィアン・ウエストウッド・フェラガモ | もらった側がブランドを認識できることを重視する人 |
自分用なのか贈り物なのかで、正解はきれいに割れます。自分用なら、まずは主張しない一本で胸元に金具を足す感覚に慣れるほうが失敗しません。贈り物では「箱に入っているか」「ブランドが伝わるか」を先に見てください。
買う前に見るべきは、留め方・長さ・素材の三つだけ
留め方は挟む・刺す・噛ませるの三系統
ネクタイピンの留め方は、大きく三つの系統に分かれます。バネで挟むだけのクリップ式(タイバー)、針を刺してキャッチで留めるタイタック式、ギザ歯で強く噛ませるワニ口式の三つです。それぞれ得意な場面が違います。
| 留め方 | 構造 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| クリップ式(タイバー) | バネの力で挟むだけ | ネクタイに穴を開けたくない人。毎日締め替える人 |
| タイタック式 | 針を通してキャッチで固定 | 歩き回る日や動きの多い日にずれにくい |
| ワニ口式 | ギザ歯で強く噛ませる | 厚手のネクタイでも滑りにくい |
はじめての一本なら、迷わずクリップ式をおすすめします。針を刺すタイプは固定力が高い代わりに、生地に跡が残る可能性があるからです。せっかくのシルクタイに穴を開けたくないという人は、この時点で選択肢が絞れます。
長さはネクタイの剣先幅より短いものを
ここがいちばん多くの人がつまずく点です。ネクタイピンは、ネクタイの剣先幅より短いことが前提になります。ピンのほうが長いと両端がネクタイからはみ出し、シャツの上で金具だけが浮いて見えてしまいます。逆に短すぎると、留めているのか飾っているのか分からない中途半端な見え方に。
今回の8本は全長5.0cmから6.4cmの範囲に収まっています。一般的なレギュラータイであれば、この長さは剣先幅より短く収まる設計です。ただしナロータイ(細身のネクタイ)を締める人だけは注意が必要で、剣先幅が細いぶん、全長の長いピンだとはみ出すことがあります。今回の並びでいえば全長6.4cmのフェラガモがもっとも長く、5.0cmのJ.PRESSがもっとも短い一本。手持ちのネクタイの剣先幅を一度定規で当ててから、この幅と見比べてみてください。
クリップの幅も見ておいてください。8本のうち、幅が明記されているものは0.4cmから0.5cmの範囲に収まっています。厚手のネクタイやウール混のタイを締める人は、細い幅だと挟み込む面積が足りず、ずれやすくなる場合があります。ネクタイ側の生地感については品質のいいネクタイの見分け方でも触れているので、あわせて読んでみてください。
素材は真鍮を土台にしたものが主流です
今回の8本のうち、素材が明記されているものはすべて真鍮を土台にしています。真鍮は加工しやすく、メッキとの相性がよいため、この価格帯のアクセサリーでは標準的な選択肢。そこにロジウムメッキをかけたり、エポキシ樹脂で色を乗せたり、クリスタルを埋め込んだりして、ブランドごとの表情を作っています。
つまり、価格差の大部分は素材ではなく、デザインと仕上げとブランドにあるわけです。ここを理解しておくと「同じ真鍮なのに値段が違う」に納得がいくようになります。

毎日のスーツを静かに整える3本
ロゴや飾りで語らず、線と仕上げだけで胸元を締める3本です。無地のネイビーやチャコールを毎日着る人ほど、この系統が長持ちします。土台のスーツが合っているかどうかも効いてくるので、シルエットに不安がある人はメンズスーツ 完全ガイドを先に読んでおくと、小物選びが楽になります。
タケオキクチ ミッドモダンツイストタイバー(5,940円前後)
8本のなかで手を出しやすいのが、日本のメンズブランドであるタケオキクチのタイバーです。素材は真鍮で、原産国は日本と記載されています。全長5.5cm×幅0.5cmという、レギュラータイに素直に収まるサイズ感です。留め方はクリップ式なので、ネクタイに穴を開ける心配もありません。
うれしいのは、この価格でも箱が付いてくる点です。商品ページには高さ4.6cm×幅8.5cm×奥行3.8cmの箱の記載があります。5,000円台でブランド名と箱が両方そろうのは、正直なところかなり良い条件だと思います。
弱点も書いておくと、ツイストのシンプルなデザイン一種類のみで、柄や色のバリエーションは選べません。ただし一本目としては、むしろ余計な迷いが減る利点のほうが大きいはずです。ブランドタイピンがどんなものか試してみたい人に、最初にすすめたい一本になります。
J.PRESS ネクタイピン(11,990円前後)
アメリカントラッドが好きな人に、静かに刺さるのがJ.PRESSです。素材は真鍮のシルバー系、サイズは0.5×5.0cmと、8本のなかでもっともコンパクトな部類に入ります。クリップにJ.PRESSの刻印が入っていると商品ページに明記されています。
この「表からはロゴが見えないのに、留めるときだけ自分にはブランドが分かる」構成は、トラッド好きにはたまらない部分でしょう。派手さで選ぶ一本ではなく、スーツの完成度を静かに上げる一本。ネイビースーツにレジメンタルタイという王道の組み合わせに、いちばんきれいに収まります。
弱点としては、生産国が中国である点と、重量の記載がない点が挙げられます。ボリューム感を重視する人は、実店舗で現物を見てから決めるほうが納得できるはずです。J.PRESSの公式ショップで扱われているので、正規流通という意味での不安はありません。
アニエスベー オム ネクタイピン(14,850円前後)
フランスブランドらしい細身のシルエットで、上品にまとめたい人に向くのがアニエスベー オムです。素材は真鍮100%、サイズ表記はFREEとなっています。ブランドの公式ショップが直販しているため、正規流通であることがはっきりしている点も安心材料です。
細身のピンは、それ自体が主張しません。だからこそ、無地のネイビーやチャコールのスーツで「なんとなく整って見える」効果を出してくれます。ロゴで語るのではなく、線の細さで語るタイプ。ヴィヴィアン・ウエストウッドとは正反対の性格だと考えると分かりやすいでしょう。
ただしサイズ表記がFREEのみで、具体的な長さや幅の数値がページに出ていません。太めの剣先幅のネクタイを多く持っている人は、現物確認をしてから判断してください。

胸元に色や柄で表情を足したい人に
無地の金具では物足りない、という人に向くのがこの3本です。クリスタル、樹脂の色、彫り込んだ柄と、表情の作り方はそれぞれ違います。値段の差が「作り」ではなく「そのブランドらしさ」に向かう領域なので、ここは好みで選んで構いません。
モンアート ネクタイピン PARADISO TC15B(7,480円前後)
胸元に少しだけ光が欲しい人に向くのが、イタリア製のモンアートです。真鍮にロジウムメッキをかけ、そこにスワロフスキークリスタルを配した一本です。サイズは縦0.6cm×横5.5cm、重量は約9gと記載されています。
このモデルで見逃せないのが付属品で、純正ボックス・ロゴリボン・純正ショッパーがそろいます。7,000円台で紙袋まで付いてくるので、手渡しでのプレゼントにそのまま使えるわけです。楽天の販売ページにも正規代理店の表記があり、この価格帯としては安心感があります。
注意点はクリスタルの主張です。装飾があるぶん華やかな反面、格式の高い式典や堅い商談の場では控えたほうがよい場面も出てきます。日常の営業や社内の打ち合わせで、少しだけ表情を足したい——そんな使い方が合っています。
ポールスミス ネクタイピン Twist Plate タイバー(15,800円前後)
「スーツはきちんと、でもどこかに遊びを残したい」と考える人にいちばん合うのが、ポールスミスのTwist Plateです。素材は表地が真鍮とエポキシ樹脂(ニッケルメッキ)、サイズは長さ5.2cm×幅0.4cm、重量は約7gと軽めです。純正保存箱が付属し、販売ページにも正規品の表記があります。
エポキシ樹脂で色を乗せられるのがこのモデルの面白さで、真鍮一色の金具にはない表情が出ます。スーツが黒やチャコールに寄りがちな人ほど、胸元の小さな色が効いてくるはずです。ネクタイ側で遊ぶのが難しい職場でも、ピンなら取り入れやすいと思います。
惜しい点は、クリップ幅が0.4cmとやや細いところです。太い剣先幅のネクタイに使うと、挟んだ部分に余りが出ることがあります。ニットタイのような厚みのある生地との相性も確認しておきたいところで、ニットタイの合わせ方を参考にしながら手持ちと照らしてみてください。
ブルックスブラザーズ レジメンタルストライプ タイバー(17,600円前後)
トラッドの代名詞といえるブルックスブラザーズから、レジメンタルストライプを刻んだタイバーです。素材は真鍮、原産国は日本と明記されています。無地の金具ばかりが並ぶこのカテゴリで、柄が入っているというだけで明確な差別化になります。
老舗ブランドの柄物という立ち位置は、他と重なりません。無地のネクタイ、とくにソリッドタイやドット柄と合わせると、ストライプがきれいに映えます。長く使う前提で一本だけ持つなら、この選択は堅いと思います。
注意すべきは合わせる相手で、同じくストライプ柄・レジメンタル柄のネクタイとは合わせづらい点です。柄と柄がぶつかると、胸元だけが騒がしくなります。手持ちがレジメンタル中心の人は、無地タイを何本か足してから買うほうが活躍します。
渡した相手にブランドが伝わる2本
贈り物では、包みを開けた瞬間に何のブランドか伝わるかどうかが効いてきます。ここに並ぶ2本は、モチーフそのものがブランドの名刺になっているタイプです。
ヴィヴィアン・ウエストウッド ネクタイピン タイバー(10,500円前後)
「もらった瞬間にブランドが伝わる」という点で、8本のなかで頭ひとつ抜けているのがヴィヴィアン・ウエストウッドです。シンボルであるオーブが立体的に乗っていて、サイズは約高さ3mm×幅55mm、オーブ部分だけで高さ16mm×幅19mmという寸法です。カラーはシルバーとガンメタルの記載があります。
贈り物としての装備も整っていて、ギフトバッグと専用BOXが付属します。1万円という金額は、友人へのお祝いや同僚へのお返しとして出しやすいラインでもあり、贈る側と受け取る側のどちらにも重すぎないちょうどいい距離感です。
一方で、ロゴの主張は8本のなかでもっとも強い部類です。金融や士業のように服装の空気が硬い職場だと、少し浮く可能性があります。相手の職場の雰囲気を思い出してから決めてください。
サルヴァトーレフェラガモ ガンチーニ タイバー(25,800円前後)
ブランドの顔がそのまま出ているのが、フェラガモのガンチーニです。素材は真鍮、カラーはシルバー、サイズは全長6.4cm×幅0.5cm×高さ1.8cm、原産国はイタリアです。ガンチーニモチーフが立体的に配され、8本のなかでは存在感が最も強い一本になります。
就職祝いや昇進祝いのように、金額そのものがメッセージになる場面があります。そういうとき、2万円台という価格とハイブランドの名前は、言葉より雄弁に働いてくれるはずです。全長6.4cmと8本で最も長いため、レギュラータイに合わせたときの収まりもよく、実用面でも落ちません。
ただし高さが1.8cmとやや立体的なので、薄手のシルクネクタイだと金具が浮きやすくなります。贈る相手が細身のネクタイを好むタイプなら、もう少しフラットな一本のほうが喜ばれるかもしれません。ここは相手の胸元を思い出してから決めるところです。
贈り物で見落としやすいのが箱とラッピング
ネクタイピンは贈り物としての需要が高いアイテムです。ところが、箱やラッピングの扱いは商品ごと・ショップごとにばらつきがあります。「ブランド品だから当然箱に入っている」と思い込んで注文すると、簡易包装で届いて慌てることになりかねません。
今回の8本でいうと、タケオキクチは箱の寸法まで、モンアートは純正ボックスとロゴリボンと純正ショッパー、ヴィヴィアン・ウエストウッドはギフトバッグと専用BOX、ポールスミスは純正保存箱が、それぞれ商品ページに記載されています。逆にいえば、記載のない商品についてはあるとは限らないという前提で動くのが安全です。
贈り物にする前の確認事項
- 箱・ショッパーの有無が商品ページに書かれているかを見る
- ラッピングや熨斗の可否はショップごとに違うため、注文画面で確認する
- 相手の職場の雰囲気を思い出し、ロゴの主張の強さを合わせる
- 相手が普段締めているネクタイの幅(レギュラーかナローか)を思い出す
同じ場面で贈り物として比較されやすいのが名刺入れです。相手が転職や異動のタイミングなら、そちらのほうが刺さる場合もあります。おすすめの名刺入れブランドも候補に入れて、二択で考えてみてください。
買ってから気づきやすい、惜しいところ
良い面ばかり並べても選べません。8本を並べていくなかで、購入後に「そうだったのか」となりやすい点をまとめます。
まず気になるのは、素材の記載がない商品がある点です。今回でいうとヴィヴィアン・ウエストウッドは、サイズとカラーと付属品は明記されている一方、素材の記載が商品ページにありません。金属アレルギーが心配な人は、こうしたケースではショップに問い合わせてから注文するほうが確実です。
次に留め方やサイズの記載がそろっていない点があります。アニエスベーはサイズがFREE表記のみ、ブルックスブラザーズは留め方とサイズの詳細記載がありません。商品名に「タイバー」とあれば挟むタイプと読めますが、断定はできません。細かい寸法まで確認したい人は、記載の厚い商品を選ぶという判断もありです。
そしてメッキの扱いです。真鍮にメッキをかけた金具は、汗や皮脂が付いたまま放置すると変色の原因になります。外したら乾いた柔らかい布でひと拭きしてから箱に戻してください。これだけで持ちが変わってきます。ベルトや財布と同じで、日々の小さな手入れが効いてくるジャンルです。手入れの考え方はメンズベルトおすすめ3選でも書いたとおりで、革でも金属でも基本は変わりません。
最後に、ピンだけでは胸元は決まらないという当たり前の話も添えておきます。ネクタイの結び目が緩んでいたり、シャツの襟が寝ていたりすると、金具が浮いて見えるだけです。ピンは仕上げの一手であって、土台をひっくり返す道具ではありません。
袖まで手を入れるなら、カフスボタンも同じ考え方で選べます。贈り物に選ばれることの多い定番を、6ブランド並べました。
8本をもう一度、目的別に並べ直します
最後に、紹介した順番をおさらいします。静かに整える側が5,940円のタケオキクチ、11,990円のJ.PRESS、14,850円のアニエスベー。表情を足す側が7,480円のモンアート、15,800円のポールスミス、17,600円のブルックスブラザーズ。贈り物として強いのが10,500円のヴィヴィアン・ウエストウッドと25,800円のフェラガモです。この8本が、それぞれ違う出自と違う得意分野を持っています。
自分用の一本目なら、主張しない無地の系統から入るのが失敗しにくい選び方です。贈り物なら、箱の記載があること・相手の職場でロゴが浮かないことの二つを基準にすると、候補は自然と絞れてきます。胸元に色を足したいなら、樹脂や柄で表情を作る三本を先に見てください。
胸元は、思っているより見られています。手持ちのネクタイの剣先幅を一度測ってから、自分がどの使い方をしたいのかで選んでみてください。
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