停電した夜に効いてくるのは、部屋の暗さよりもスマホの残量が減っていく時間の長さでした。防災用に一台と考えてポータブル電源を調べ始めると、容量のWhと価格ばかりが目に入ってきます。ところが9台の公式スペックを同じ表に並べたとき、価格差よりもはるかに大きな開きがついていたのは充放電サイクル数のほうでした。
たとえば512Whと555Wh、価格帯も5〜6万円台で近い2台があります。片方の公表サイクルは6,000回で、もう片方は約700回でした。8倍を超える差がついていました。この開きを作っているのが電池の種類です。リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を積んだ機種と、三元系リチウムイオンを積んだ機種では、寿命として公表される桁が変わってきます。
そこでこの記事では、各社の公式ページに出ている数字だけを使って9台を容量帯ごとに並べました。容量・定格出力・電池の種類・充放電サイクル・満充電までの時間・重さ・保証まで、同じ項目で横に見比べられるようにしています。価格の幅は24,990円から74,800円まであります。気軽に買い替える種類の買い物ではありませんから、あとから効いてくる弱点も先に書きました。
読み進めるときは、自分が動かしたい家電をひとつ思い浮かべておいてください。そこが決まると、9台の絞り込みは驚くほど素直に進みます。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
リン酸鉄か三元系か。9台の寿命はここで分かれます
ポータブル電源の中身は、大きく分けてリン酸鉄リチウム(LiFePO4、表記としてはLFP)と三元系リチウムイオンの2種類です。今回の9台では、8台がリン酸鉄系、1台だけが三元系でした。
公表されている充放電サイクル数を並べると、違いがはっきりします。
- Jackery ポータブル電源 300D:LFP電池(リン酸鉄)・4,000回充放電サイクル(70%容量維持)
- Anker Solix C300:リン酸鉄リチウム・充放電サイクル3,000回
- BLUETTI EB3A:リン酸鉄リチウムイオン・充放電サイクル2,500回以上
- Jackery ポータブル電源 500 New:LiFePO4電池・充放電サイクル6,000回(70%容量維持)
- PowerArQ 3(PA50):リチウムイオン電池(18650セル、三元系)・充放電サイクル約700回(80%容量維持)
- EcoFlow RIVER 2 Pro:LFP電池・充放電サイクル数は今回確認した公式ページに記載がありませんでした
- BLUETTI AC70:リン酸鉄リチウムイオン・充放電サイクル3,000回以上
- EcoFlow DELTA 3 Plus:第3世代LFP電池・充放電サイクル4,000回(80%容量維持)
- DJI Power 1000 V2:LFPセル(リン酸鉄)・充放電サイクル4,000回(80%容量維持)
「◯回」の数字は、条件を外して読まないでください
ここでひとつ注意があります。サイクル数は単独の数字ではなく、「何回充放電したあとに容量が何%残っているか」という条件つきで公表されているという点です。
Jackeryの2台は70%容量維持という条件、PowerArQ 3・EcoFlow DELTA 3 Plus・DJI Power 1000 V2は80%容量維持という条件で数字を出しています。Anker Solix C300とBLUETTIの2台については、今回参照した公式ページで維持率の条件までは確認できませんでした。
つまり条件が揃っていない数字を単純に横並びで比べても、厳密な優劣にはなりません。それでも、4,000回と約700回のように桁が違う場合は、電池の種類そのものの差として読んで差し支えないところです。数字を眺めていて素直におもしろいと思ったのは、価格が高い機種ほどサイクルが長いわけではなかった点でした。
三元系にも選ぶ理由があります
では三元系が一律に劣るのかというと、そう単純でもありません。今回唯一の三元系であるPowerArQ 3(PA50)は、バッテリー交換式で後から容量を増やせるという設計を持っています。セルが弱ってきたときや、もっと容量が要るとなったときに、本体ごと買い替えずに済む道が残されているわけです。
寿命の数字を取るか、拡張の余地を取るか。ここは好みが割れるところだと思います。

容量帯・定格出力・充電時間の3つで絞り込みます
9台を前にして最初にやることは、順位を見比べることではありません。次の3つを順番に決めていくと、候補はすぐ2〜3台まで落ちます。
まず容量帯を決める
今回の9台は、容量で4つの層に分かれました。
- 300Wh前後(268.8Wh〜288Wh):3台
- 500Wh帯(512Wh・555Wh):2台
- 700Wh帯(768Whが2台):2台
- 1000Wh以上(1024Whが2台):2台
層が変わると、想定される使い方も変わります。300Wh前後はスマホやノートPCの充電が中心、500Wh帯からは家電を数点まとめて動かす話になり、1000Wh以上では高出力の調理家電まで視野に入ってきます。
次に定格出力と瞬間最大出力を見る
動かせる家電を決めているのは、容量ではなく定格出力(W)です。 ここを読み飛ばすと、容量だけ大きくて目当ての家電が動かない、という買い方になりかねません。
9台の定格出力は次のとおりでした。
- Jackery 300D:定格300W(瞬間最大出力の公表値は今回確認できませんでした)
- Anker Solix C300:定格300W・瞬間最大600W
- BLUETTI EB3A:定格600W・瞬間最大1200W
- Jackery 500 New:定格500W(瞬間最大出力の公表値は今回確認できませんでした)
- PowerArQ 3(PA50):定格500W・瞬間最大1000W
- EcoFlow RIVER 2 Pro:定格800W・X-Boost時の瞬間最大1600W
- BLUETTI AC70:定格1000W・瞬間最大1500W
- EcoFlow DELTA 3 Plus:定格1800W・X-Boost時2200W・サージ3600W
- DJI Power 1000 V2:定格2600W(瞬間最大出力の公表値は今回確認できませんでした)
一般論として、ドライヤーや電子レンジのように消費電力の大きい家電は、定格出力が足りない機種では動かないことがあります。手元の家電の消費電力は、本体の銘板や取扱説明書に書かれていますから、買う前に一度だけ確かめておくと迷いが減ります。瞬間最大出力は、起動の一瞬だけ大きな電力を求める家電のための余力だと考えてください。
最後に満充電までの時間で選ぶ
9台の満充電までの時間には、56分から約4時間までの開きがありました。防災用として押し入れに置いておくだけなら、ここはさほど響きません。逆にキャンプや車中泊で何度も充電し直す使い方では、この差がそのまま待ち時間になります。
300Wh前後の3台|スマホとノートPCを中心に考えるなら
まずは一番手の届きやすい層からいきます。268.8Whから288Whの3台は、どれも定格が300W以上で、価格は24,990円前後から34,990円前後に収まりました。
Jackery ポータブル電源 300D|2.5kgと4,000回サイクルの軽さ
容量288Wh・定格300Wという構成です。この9台で最も軽い2.5kgで、LFP電池(リン酸鉄)を積んで4,000回充放電サイクル(70%容量維持)を公表しています。保証は5年です。
軽さが効くのは、しまい込まずに済むという一点でした。玄関の棚に置いて、必要なときに片手で持ち出せる重さかどうかは、防災用品としてかなり大事なところだと思います。ただし瞬間最大出力の公表値は今回確認できませんでしたし、定格300Wですから電子レンジやドライヤーのような消費電力の大きい家電には向きません。
初めての一台としてスマホやノートPCの充電を数日ぶん確保しておきたい人には、この軽さと24,990円前後という価格がそのまま理由になります。
Anker Solix C300|8ポートで家電もUSB機器も1台に寄せる
同じ288Wh・定格300Wながら、こちらは瞬間最大600Wが公表されています。電池はリン酸鉄リチウムで、公表されている充放電サイクルは3,000回でした。満充電はACで最短約68分と速く、重量は約4.1kgあります。
いちばんの見どころは出力ポートの構成です。AC×3・USB-C×3・USB-A×1・シガーソケット×1の合計8ポートを備えていて、家電もUSB機器も1台に寄せられます。充電器を何個も抱えて出かける必要がなくなる構成で、在宅の防災用とキャンプ用を兼ねたい人には素直に扱いやすいはずです。製品登録で最大5年保証まで伸びます。
一方で約4.1kgという重量は、2.5kgのJackery 300Dと並べると持ち出し前提で効いてきます。ポート数を取るか軽さを取るか、この2台はきれいに対照的でした。
Anker Solix C300 Portable Power Station
参考価格 34,990円前後
AC・USB-C・シガーソケットまで揃う8ポートの300Wh万能機。
BLUETTI EB3A|瞬間最大1200Wで短時間の高出力家電に手が届く
268.8Whと容量はこの3台で最小ですが、定格600W・瞬間最大1200Wと出力だけ頭ひとつ抜けています。リン酸鉄リチウムイオンで充放電サイクル2,500回以上、重量4.6kg、価格は32,900円前後でした。
そして今回の9台で唯一、動作時間の計算例を公式が出していた機種でもあります。BLUETTI公式には「100W LEDライト使用時 約2.17時間」と書かれています。100Wの負荷という条件つきの例ですから、そのまま冷蔵庫や暖房に当てはめられる数字ではありません。それでも、公表された条件つきの例が一つあるだけで見当のつけ方は変わります。
惜しいのは保証で、24ヶ月とこの容量帯の他機種より短めです。重さも4.6kgと軽くはありません。それでも電気ケトルのように短時間だけ強い電力を使う家電を試したい人には、この瞬間最大1200Wが効いてきます。手持ちの電気ケトルの消費電力を先に確認しておくと、判断が早くなります。
512Whと555Wh|家電をまとめて動かしたい人の2台
500Wh帯は、電池の種類の差がもっとも露骨に出た層でした。公表されている充放電サイクルは、片方が6,000回で、もう片方は約700回にとどまります。同じ容量帯で並んでいるからこそ、選ぶ前に中身を見てほしい2台です。
Jackery ポータブル電源 500 New|9台で最長の6,000回サイクル
容量512Wh・定格500Wの1台です。LiFePO4電池で充放電サイクル6,000回(70%容量維持)と、今回の9台で最も長い数字を公表しています。満充電はACで1.3時間、AC+ソーラーの併用なら1時間まで短くなります。重量は5.7kg、保証は3年に製品登録で2年の延長が付く形でした。
長く持たせたい人にとっては、この6,000回という数字がそのまま買う理由になるでしょう。停電時に照明と通信機器を確保しつつ、数点の家電をまとめて動かしたい用途に合います。瞬間最大出力の公表値は今回確認できませんでしたから、起動時に強い電力を要求する家電を当てにするのは避けたいところです。
携行性は300Wh帯から一段落ちますし、59,800円前後という価格も軽くはありません。それでも一度買って長く使う前提なら、サイクル数の差は効いてきます。
PowerArQ 3(PA50)|交換式バッテリーで後から容量を足せる
容量は555Wh(25,000mAh/22.2V)で、定格500W・瞬間最大1000Wという構成でした。電池はリチウムイオン電池(18650セル、三元系)で、充放電サイクルは約700回(80%容量維持)と公表されています。リン酸鉄勢が2,500回から6,000回を並べる中では、はっきり短い数字です。
そのうえで選ぶ理由になるのが、バッテリー交換式という構造でした。後から容量を足せる設計は、使い方が固まっていない段階ではむしろ心強いところです。満充電はACで約4時間と、9台の中では最も時間がかかります。重量は7.9kg(本体+バッテリー)、価格は66,000円前後でした。
サイクル数を承知したうえで拡張性に投資する、という買い方をする人向けです。逆に「置きっぱなしで10年」を狙うなら、同じ容量帯のリン酸鉄機を見たほうが納得はいくと思います。
768Whが2台|充電の速さを取るか、出力を取るか
容量が同じ768Whで、性格がここまで違う2台も珍しいところです。片方は充電の速さ、もう片方は定格出力に振り切っています。
EcoFlow RIVER 2 Pro|70分で満充電まで戻る
容量768Wh・定格800Wで、X-Boost時の瞬間最大は1600Wです。LFP電池を積み、ACで70分の満充電を公表しています。重量は7.8kg、価格は48,000円前後でした。
短時間で充電し切って何度も使い回す前提なら、この70分は強い武器になります。在宅ワークの停電対策と週末のアウトドアを同じ1台で回したい人に向く性格です。
ただし正直に書いておくと、充放電サイクル数と出力ポートの内訳は、今回確認できた公式ページに明記がありませんでした。長く使うつもりで買うなら、購入前に販売ページの仕様欄で自分の目で確かめてほしいところです。
BLUETTI AC70|定格1000Wで小型家電をひと通り
同じ768Whで、こちらは定格1000W・瞬間最大1500Wを公表しています。リン酸鉄リチウムイオンで充放電サイクル3,000回以上、満充電は900W高速モードで1.3〜1.5時間、保証は5年です。価格は43,800円前後でした。
電子レンジのような1000W級の家電を短時間だけ動かしたい、という具体的な狙いがあるならこの定格が効いてきます。保証5年とサイクル3,000回以上という組み合わせも、据え置きで長く使う想定に噛み合っています。
引っかかるのは重さで、10.2kg。この価格帯では最重量級で、持ち歩く用途には向きません。置き場所を決めてから買う機種だと考えたほうが失敗しないはずです。
1024Whの2台|高出力家電まで届く大容量機
最後は1024Whの2台です。定格出力が1800Wと2600Wですから、ここまで来ると動かせる家電の幅が一段広がります。価格も65,980円前後から74,800円前後と、この記事では上限の層になります。
EcoFlow DELTA 3 Plus|パススルー対応と56分の急速充電
容量1024Wh・定格1800Wです。X-Boost時2200W、サージ3600Wまで公表されています。第3世代LFP電池で充放電サイクル4,000回(80%容量維持)、満充電はACで56分、ソーラーで70分、車からは1.3時間となっています。保証は5年です。
この機種で目を引いたのはパススルー対応(UPS切替10ms未満)でした。充電しながら給電できて、停電時の切り替わりが10ms未満と公表されています。デスクトップPCやネットワーク機器のように、電源が一瞬でも切れると困る機器と一緒に使う想定なら、この数字は見逃せません。
重さについては、今回確認できた公式ページに記載がありませんでした。74,800円前後という価格もこの記事で最も高い部類ですから、そこまでの出力が本当に要るかは一度立ち止まって考えたいところです。
DJI Power 1000 V2|定格2600Wという振り切り方
同じ1024Whながら、定格2600Wと9台で最も高い出力を公表しています。LFPセル(リン酸鉄)で充放電サイクル4,000回(80%容量維持)、満充電はAC急速充電で56分、保証は3年で製品登録により最大5年まで伸びます。価格は65,980円前後でした。
エアコンやIH調理器のような高出力家電まで見据える人には、この定格が判断材料になります。1024Whという容量に対して出力を大きく取った構成で、割り切りがはっきりしている点は好みでした。
短所も明快で、重量14.2kg。この9台で最も重く、持ち運んで使う機種ではありません。瞬間最大出力の公表値も今回は確認できませんでした。車に積んで動かす、あるいは部屋の一角に据える。そういう使い方が前提になります。
重さ・満充電・ポート・保証を9台ぶん並べました
ここまでの内容を、買う前に見返しやすい形で3枚に分けました。「記載なし」「確認できず」は、今回参照した公式ページで確からしい数字を取れなかったという意味です。数字を埋めるために推測を書くことはしていません。
| 機種 | 容量と定格出力 | 電池の種類と充放電サイクル |
|---|---|---|
| Jackery 300D | 288Wh/定格300W | リン酸鉄(LFP)・4000回で容量70%維持 |
| Anker Solix C300 | 288Wh/定格300W(瞬間最大600W) | リン酸鉄リチウム・3000回 |
| BLUETTI EB3A | 268.8Wh/定格600W(瞬間最大1200W) | リン酸鉄リチウムイオン・2500回以上 |
| Jackery 500 New | 512Wh/定格500W | LiFePO4・6000回で容量70%維持 |
| PowerArQ 3 (PA50) | 555Wh/定格500W(瞬間最大1000W) | 三元系リチウムイオン(18650セル)・約700回で容量80%維持 |
| EcoFlow RIVER 2 Pro | 768Wh/定格800W(X-Boost時1600W) | LFP・サイクル数の記載なし |
| BLUETTI AC70 | 768Wh/定格1000W(瞬間最大1500W) | リン酸鉄リチウムイオン・3000回以上 |
| EcoFlow DELTA 3 Plus | 1024Wh/定格1800W(X-Boost時2200W・サージ3600W) | 第3世代LFP・4000回で容量80%維持 |
| DJI Power 1000 V2 | 1024Wh/定格2600W | LFPセル・4000回で容量80%維持 |

充電の速さと重さは、実際に使い始めてから効いてくる2項目です。とくに重さは、置きっぱなしにするか持ち出すかで評価が真逆になります。
| 機種 | 満充電までの時間 | 重さ |
|---|---|---|
| Jackery 300D | 公式ページに記載なし | 2.5kg |
| Anker Solix C300 | ACで最短 約68分 | 約4.1kg |
| BLUETTI EB3A | 公式ページに記載なし | 4.6kg |
| Jackery 500 New | ACで1.3時間/AC+ソーラーで1時間 | 5.7kg |
| PowerArQ 3 (PA50) | ACで約4時間 | 7.9kg(本体+バッテリー) |
| EcoFlow RIVER 2 Pro | ACで70分 | 7.8kg |
| BLUETTI AC70 | 900W高速モードで1.3〜1.5時間 | 10.2kg |
| EcoFlow DELTA 3 Plus | ACで56分/ソーラーで70分/車で1.3時間 | 公式ページに記載なし |
| DJI Power 1000 V2 | AC急速充電で56分 | 14.2kg |
出力ポートとパススルーは、公表の粒度が各社でかなり違いました。分からないものを分からないまま載せています。
| 機種 | 出力ポートとパススルー | 保証 |
|---|---|---|
| Jackery 300D | 今回の公式ページでは確認できず | 5年 |
| Anker Solix C300 | 8ポート(AC×3・USB-C×3・USB-A×1・シガーソケット×1)/パススルーは確認できず | 製品登録で最大5年 |
| BLUETTI EB3A | 今回の公式ページでは確認できず | 24ヶ月 |
| Jackery 500 New | 今回の公式ページでは確認できず | 3年+製品登録で2年延長 |
| PowerArQ 3 (PA50) | バッテリー交換式/ポートとパススルーは確認できず | 今回の公式ページでは確認できず |
| EcoFlow RIVER 2 Pro | ポートの内訳は公式ページに記載なし | 今回の公式ページでは確認できず |
| BLUETTI AC70 | 今回の公式ページでは確認できず | 5年 |
| EcoFlow DELTA 3 Plus | パススルー対応(UPS切替10ms未満) | 5年 |
| DJI Power 1000 V2 | 今回の公式ページでは確認できず | 3年(製品登録で最大5年) |
「これで停電も安心」と書けない理由をお話しします
ポータブル電源の記事でよく見かけるのが、「冷蔵庫が◯時間動く」という一覧表です。あの数字の多くは、容量を家電の消費電力で割った単純な計算から出ています。実際には、変換のロス、気温、家電の起動時の電力、バッテリーの劣化具合で結果は動きますから、机上の割り算をそのまま当てにするのは危ういところでした。
ですからこの記事では、動作時間の目安を自分では計算していません。今回の9台で公表された条件つきの計算例は、BLUETTI EB3Aの「100W LEDライト使用時 約2.17時間」だけでした。100Wの負荷という前提の例ですから、暖房や冷蔵庫に置き換えて読むことはできません。他の8台については、メーカーが条件つきの例を出していない以上、こちらで作った数字を書くつもりはありません。
もうひとつ、安全性についても正直に書いておきます。電気用品安全法にもとづくPSEマークの表示は、この価格帯の製品を選ぶうえで確かめておきたいところです。ただし今回参照した各社の公式ページでは、9台のいずれについてもPSEマークの表示まで明記した記載を確認できませんでした。そのため、この記事ではどの機種にも「安全です」という言い方をしていません。届いた本体・外箱・取扱説明書に表示があるかどうかは、手元で確かめてください。
買う前に手元で確かめておく3つ
- 動かしたい家電の消費電力(W)を本体の銘板か取扱説明書で見る
- 置き場所を先に決める。10kgを超える機種は「持ち運べる」前提で考えない
- 保証年数と製品登録の要否を販売ページで確認する
買ってから効いてくる、9台それぞれの引っかかり
高い買い物ですから、良い面だけ並べても役に立ちません。ここは短所だけを集めました。
重さは、カタログで見るより実感が重い項目です。 2.5kgのJackery 300Dと14.2kgのDJI Power 1000 V2では、扱いがまったく別物になります。10.2kgのBLUETTI AC70、7.9kgのPowerArQ 3、7.8kgのEcoFlow RIVER 2 Proあたりは、階段を持って上がる場面を一度想像してから決めてください。
定格出力の不足は、あとから足せません。 定格300WのJackery 300DとAnker Solix C300は、消費電力の大きい家電を動かす用途には向きません。容量を大きくしても定格が上がるわけではない点は、混同しやすいところです。
公表されていない項目が、機種ごとにばらついています。 Jackeryの2台とDJI Power 1000 V2は瞬間最大出力、EcoFlow RIVER 2 Proは充放電サイクル数とポートの内訳、EcoFlow DELTA 3 Plusは重量が、今回の確認範囲では取れませんでした。気になる項目があるなら、販売ページの仕様欄まで下りて確かめてから決めるのが確実です。
サイクル数の短さは、使う頻度が高いほど早く効いてきます。 PowerArQ 3の約700回(80%容量維持)は、月に数回の使用ならすぐ問題になる数字ではありません。それでも毎週使う人には、リン酸鉄機との差が現実の年数として返ってきます。
保証の長さも機種ごとにまちまちでした。 BLUETTI EB3Aの24ヶ月は、5年保証を掲げる機種と並べると見劣りします。価格が安い理由の一部がここにあると考えると、納得はしやすいところでした。
使い方から逆算すると、9台は3つの入口に分かれます
最後に、選び方を用途の側から整理します。
通信手段と照明だけ確保できればいい人は、300Wh前後の3台から選ぶのが現実的です。軽さならJackery 300D、ポートの多さならAnker Solix C300、瞬間的な出力ならBLUETTI EB3A。この3台は狙いがはっきり分かれているので、迷いにくいはずです。あわせてモバイルバッテリーを1つ持っておくと、避難先での運用がぐっと楽になります。
家電を数点まとめて動かしたい人は、500Wh帯から上を見ることになります。長く使う前提ならJackery 500 Newの6,000回、拡張の余地を残したいならPowerArQ 3。768Whの2台まで広げれば、充電の速さのEcoFlow RIVER 2 Proと、定格1000WのBLUETTI AC70という別々の軸で選べます。冬の停電に備えるなら、消費電力の小さい電気毛布を組み合わせる考え方も現実的です。
高出力家電まで動かしたい人は、1024Whの2台になります。電源が切れると困る機器があるならEcoFlow DELTA 3 Plusのパススルー対応、とにかく定格を取るならDJI Power 1000 V2。どちらも据え置き前提で置き場所を先に決めてください。
金額としては24,990円前後から74,800円前後まで幅があります。容量を上げれば価格も重さも上がりますから、「動かしたい家電」から逆に降りてくるのがいちばん無駄が出ません。電池の種類とサイクル数は、その次に効いてくる長期の話です。
外へ持ち出して使う前提なら、電源のまわりに要る物も一度に決めてしまうほうが早いです。最初にそろえる顔ぶれはキャンプ道具18点のほうに、買う順番で並べてあります。
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