モバイルバッテリーを買い替えた人に理由を聞くと、「壊れたから」という答えはあまり返ってきません。多いのは「思ったより早く空になる」と「ノートPCに挿したのに充電が進まない」のふたつです。前者は容量を増やせば解決しますが、後者はどれだけ容量を足しても直らないままでした。
この2つを分けているのが、商品ページに並ぶ mAh と W という数字です。mAhはどれだけ入るか、Wはどれだけ速く出せるかを表していて、まったく別の軸になります。ところが売場でも通販でも、大きく書かれるのはmAhのほうでした。Wを見ないまま買った人が、PCを充電できずに1年で選び直します。
今回並べる7台は、その構造をそのまま見せてくれる並びです。容量は5000mAhから25000mAhまで、最大出力は15Wから220Wまで広がっています。中でも20000mAh・87Wで6,890円前後の1台と、20100mAh・220Wで22,990円前後の1台は、容量がほぼ同じなのに価格が3倍以上も離れていました。この差は容量ではなく、出力から来ています。
だから決める順番は2手です。まず容量を「電源に戻れない時間」から決め、そのあとで出力を「何を挿すか」から決めてください。この順で決めた人は、来年また同じ売場で迷いません。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
mAhとWは、まったく違うことを言っています
外回り中心の営業を5年ほど続けていたころ、1日の大半をカフェと移動で過ごしていました。困ったのはスマホの残量ではなく、ノートPCのほうです。カバンには容量の大きいバッテリーが入っているのに、PCに挿しても残量はじりじりとしか増えず、結局コンセントのある席を探して歩き回りました。
理由は単純で、そのバッテリーの出力がPCの求める大きさに届いていなかったからです。mAhは水筒の大きさ、Wは注ぎ口の太さだと考えると、2つの役割がはっきり分かれます。水筒をどれだけ大きくしても、注ぎ口が細いままなら、コップが満ちるまでの時間は縮みません。
スマホだけを充電するなら、注ぎ口はそこまで太くなくても足ります。ところがノートPCは、細い注ぎ口では受け付けない機器でした。「大容量なのに充電が進まない」という不満の多くは、容量ではなく注ぎ口の太さの話です。
もうひとつ書いておくと、mAhの数字は満充電の回数をそのまま保証しません。変換のロスがあるぶん、機器に実際に入る量は表記より目減りします。「10000mAhだからスマホ2回分」といった数え方は、あくまで目安として扱ってください。

容量は「電源に戻れない時間」から逆算します
容量を決める基準は、持ち歩く機器の数ではありません。コンセントに戻れない時間がどれだけ続くかのほうです。朝に家を出て、会社で座り、夜には帰ってくる生活なら、電源から離れている時間は日中の数時間で収まります。この場合、大きな容量を持ち歩いても、その大半は使わないまま毎晩また充電することになりました。
逆に、泊まりがけの出張、日をまたぐイベント、車中泊や停電への備えとなると話が変わります。電源に戻れない時間が丸一日を超えるので、ここで初めて容量そのものが効いてきました。自分がどちらの過ごし方をしているかは、予算より先に決まっている条件です。
毎日のカバンに常備するなら、10000mAh・22.5Wの1台
Anker Zolo Power Bank(A110D)の仕様は、楽天市場のアンカー・ダイレクト店で確認できます。10000mAh、22.5W出力、USB PDとPowerIQに対応していて、価格は4,990円前後です。レビューは38件ついていました。
この1台の価値は、USB-Cケーブルを本体に内蔵している点に集まっています。バッテリーは持って出たのにケーブルを家に置いてきた、という失敗を構造から潰せるからです。カバンに放り込んでおく常備品として見ると、この設計は容量の数字より効いてきます。
短所も先に書いておきます。10000mAhはスマホ2回分程度が目安で、ノートPCのように消費電力の大きい機器を賄うには力不足でした。PCまで1台で面倒を見たい人は、この先に出てくる高出力の3台のほうを見てください。
スマホとイヤホン、それにスマートウォッチくらいまでを日中支えられれば十分だという人には、この容量で足ります。充電する相手が増えるほどバッテリー側の負担も積み上がるので、腕元の1本から見直したい人は充電の頻度で選ぶiPhone対応スマートウォッチのほうも合わせて読んでみてください。
この1台に求めるのは、カバンに入れっぱなしにしたまま存在を忘れていられることまででした。ケーブルごと1つで完結するので、その一点は素直に満たしてくれます。
Anker Zolo Power Bank (10000mAh, 22.5W, Built-In USB-Cケーブル)
参考価格 4,990円前後
普段のカバンに常備する軽量コンパクト機がほしい人向け
同じ2万mAh台で、価格が3倍以上ちがう理由
ここが、この記事でいちばん書きたかった部分になります。今回の7台のうち2台は、20000mAhと20100mAhでほぼ同じ容量なのに、6,890円前後と22,990円前後という開きがありました。容量の欄を見比べているかぎり、この差は説明がつきません。
開きはすべて出力から来ています。片方は87W、もう片方は合計220Wで単ポート最大140Wまで出ます。同じ大きさの水筒に、太さのまるで違う注ぎ口が付いていると考えてください。
| 容量(どれだけ入るか) | 最大出力(どれだけ速く出せるか) | この組み合わせで足りる人 |
|---|---|---|
| 10000mAh・A110D | 22.5W | スマホ中心で、荷物を増やしたくない人 |
| 20000mAh・A1383 | 87W | ノートPCまで1台でまかないたい人 |
| 20100mAh・A110B | 合計220W(単ポート最大140W) | PCを急速充電しながら移動を続ける人 |
表を縦に見ると、容量は10000から20100までしか伸びていないのに、出力は22.5から220まで桁が変わっているのが分かります。この3台のあいだで価格を大きく動かしているのは、容量ではなく出力のほうでした。 とくに2万mAh台の2台は、容量の差が100mAhしかないのに、価格は3倍以上に開いています。ここを取り違えたまま「大は小を兼ねる」で選ぶと、使わない出力に2万円を払うことになりました。
ただし、これはいま取り出した3台の並びに限った話です。容量そのものが効いてくる段は、この上にもう一段あります。25000mAhで7,099円前後という1台については、記事の後半であらためて扱います。
スマホもノートPCも1台で、という人の標準は87Wです
Anker Power Bank(A1383)は、20000mAh・87W出力で価格は6,890円前後です。レビューは136件ついていて、A110Dの38件を大きく上回っていました。残量が一目で分かるLEDディスプレイを備えているのも、この機種の目印になります。
残量表示は地味ですが、外に出ると効いてきます。ランプが数個点くだけの方式では「だいたい半分」までしか読めず、出先で使い切るのが怖くて温存してしまうからです。表示で残りが見えていれば、持っている容量を最後まで使い切れます。
弱いのは重さのほうでした。20000mAhクラスは容量ぶん重くなるので、毎日カバンに入れて歩くと気になる場面が出てきます。通勤カバンが元から重い人は、日常は1万mAh、泊まりの日は2万mAh、という2台持ちのほうが結局は快適でしょう。
ノートPCを日常的に持ち歩きながら、それでもバッテリーは1台にまとめたいという条件に、いちばん収まりよく当たるのが20000mAh・87Wという位置でした。価格も1万円を切っているので、最初の1台として選んでも無理がありません。
Anker Power Bank (20000mAh, 87W, Built-In USB-C ケーブル)
参考価格 6,890円前後
スマホもノートPCも1台でまかないたい標準容量派向け
出張が続く人だけが、220Wを買う理由を持っています
Anker Prime Power Bank(A110B)は、20100mAhで最大合計220W、単ポートでは最大140Wまで出ます。保証は30ヶ月、価格は22,990円前後です。今回の7台では、ここだけ価格の桁がひとつ違いました。
140Wという単ポート出力は、ノートPCの充電を待つ時間そのものを削るための数字になります。乗り継ぎの合間やホテルに着いてすぐの短い時間で残量を戻したい人には、この出力が時間を買ってくれるでしょう。合計220Wという枠のほうは、PCとスマホと別の機器を同時に挿したときの余裕として読めます。
引っかかるのは、やはり金額でした。10000mAhの1台を4台買っても、まだ釣りが来る金額になります。220Wを必要としない使い方では、はっきりとオーバースペックです。 スマホしか挿さない人がこれを選ぶと、重さと金額だけを引き受けることになりました。
分かれ目は、PCの充電を待てるか待てないかの一点です。腰を据えて充電できる環境が毎日ある人には、ここまでの出力は要りません。移動そのものが仕事の時間になっている人だけが、この金額を回収できます。
Anker Prime Power Bank (20100mAh, 220W)
参考価格 22,990円前後
ノートPCも急速充電したい、出張や旅行が多いヘビーユーザー向け
7台を、容量と出力の2軸で並べ直します
先ほどの表に載せたのは、価格差の理由を見せるために取り出した3台だけでした。ここでは残りを含めた7台を、同じ2軸に並べ直します。上から下へ容量が増え、右の欄にそれぞれの出力が入る、という見方をしてください。
| 容量とモデル | 最大出力 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 5000mAh・DE-C45-5000 | 15W | 荷物をいちばん小さくしたい人 |
| 8000mAh・Ex03 | 最大30W | コンセント一体型を小さく持ちたい人 |
| 10000mAh・A110D | 22.5W | スマホ中心で常備しておきたい人 |
| 15000mAh・DLP4351C | PD45W | 充電器ごと1つにまとめたい人 |
| 20000mAh・A1383 | 87W | ノートPCまで1台でまかないたい人 |
| 20100mAh・A110B | 合計220W(単ポート最大140W) | PCを急速充電しながら移動を続ける人 |
| 25000mAh・90597a | 最大145W(単ポート100W) | 連泊で容量を優先したい人 |
この並びで気づいてほしいのは、価格が容量の順になっていないことです。上から順に2,980円前後、4,980円前後、4,990円前後、8,800円前後、6,890円前後、22,990円前後、7,099円前後と、上下に跳ねます。25000mAhの90597aが7,099円前後なのに対して、容量が1万mAh少ないDLP4351Cは8,800円前後でした。
理由は2軸目と、容量にも出力にも表れない構造の違いにあります。価格を押し上げているのは容量ではなく、出せる出力の大きさと、コンセントが本体に付いているかどうかのような仕組みのほうです。容量表だけを縦に見ていると、この逆転は最後まで説明がつきません。
だから見る順番は、記事の最初に書いたとおりになります。まず自分の容量の段を決めて、そのうえで、同じ段の中だけで出力と仕組みを見比べてください。段を先に決めておけば、最後まで迷う相手は2つか3つに減ります。
5000mAhでも、15Wと2ポートは削られていません
容量の小さい機種は、そのぶんどこかが削られているのではないか、と身構える人が多いはずです。実際、ポートが1つに絞られていたり、出力を抑えてあったりする機種もあります。
エレコムのDE-C45-5000は、5000mAhで15W(5V/3A)の出力を持ち、Type-C×1とUSB-A×1の2ポートを備えています。価格は2,980円前後で、今回の7台ではいちばん安い1台になりました。USB-Aが1口残っているので、手元にあるType-Cではないケーブルもそのまま挿せます。
この容量が向くのは、毎日フル充電するためではなく、切らさないために持つ場面でした。残りが2割を切ったときに、家へ帰るまでのぶんだけ戻せれば十分だ、という使い方です。カバンのすきまに入れっぱなしにしても、存在を忘れていられる大きさに収まっています。
短所ははっきりしています。5000mAhはスマホ1回分弱が目安なので、フル充電を何度も重ねる使い方には足りません。1日で使い切る前提の人や、ノートPCまで充電したい人には、この先の容量帯のほうが向いています。
すでにバッテリーを持っているなら、鞄に入れておく2台目としてよく効きます。切らさないためだけに1台持っておきたい、という人なら、これ1台でも役は足りました。2,980円前後という値付けと5000mAhという容量は、どちらの役で見てもきれいに釣り合います。
エレコム モバイルバッテリー (5000mAh, 15W, Type-C×1/USB-A×1)
参考価格 2,980円前後
とにかく荷物を減らしたい・鞄のすきまに入れっぱなしにできる最小サイズがほしい人向け
コンセント一体型なら、充電器そのものをカバンから減らせます
ここまでは容量と出力の話でしたが、荷物を減らすという意味では、もうひとつ効く仕組みがあります。ACプラグを本体に内蔵した、コンセント一体型です。
バッテリーを持ち歩いている人の多くは、壁に挿す充電器も別にカバンへ入れています。夜はその充電器でバッテリーとスマホを満たし、昼はバッテリーから取り出す、という往復をしているからです。プラグが本体に付いていれば、この2つがひとつにまとまります。持ち物の数が減る効きめは、容量を増やしたときより体感が大きいと、僕は思っています。
今回の7台のうち、ACプラグを内蔵しているのは2台でした。容量も価格もはっきり違うので、小さいほうから順に見ていきます。
8000mAhで小さく収めた、コンセント一体型
CIOのSMARTCOBY Ex03(型番CIO-MB30W2C-8K-EX03)は、8000mAhで最大30W出力、ACプラグとUSB-Cケーブルの両方を本体に内蔵しています。価格は4,980円前後でした。
コンセント一体型はプラグのぶん本体が大きくなりがちですが、この機種は容量を8000mAhに抑えることで、そこを踏みとどまらせています。ケーブルまで内蔵しているので、出かけるときに手に取るのは本体ひとつきりで済みます。旅行や出張の荷造りで、充電まわりの小物をポーチごと減らせる形です。
割り切りは必要になります。8000mAhと最大30Wという数字では、ノートPCの充電まで背負うには力不足なので、これはスマホ用のコンセント一体型だと決めてしまったほうが気持ちよく使えました。PCまで1台で見たい人には、87W以上を出せる3台のほうが向いています。
スマホ1台のために充電器とバッテリーとケーブルを別々に持つのをやめたい、という一点で選ぶなら、4,980円前後は踏み出しやすい金額です。ケーブルまで内蔵しているので、あとから買い足すものも残りません。
CIO SMARTCOBY Ex03 (8000mAh, 最大30W, ACプラグ内蔵/USB-Cケーブル内蔵)
参考価格 4,980円前後
AC一体型はほしいが本体はできるだけ小さく安く抑えたい人・スマホの充電さえまかなえればいい人向け
15000mAh・PD45Wで、Apple Watchまで面倒を見るコンセント一体型
フィリップスのDLP4351Cは、15000mAhでPD45Wの出力を持ち、こちらもACプラグを内蔵しています。加えてMagSafe対応のワイヤレス充電と、Apple Watchの充電にも対応していました。価格は8,800円前後です。
この1台が効くのは、iPhoneとApple Watchを両方使っている人でした。腕の1本と手元の1台で充電の作法が別々になりがちなところを、ひとつの本体に寄せられるからです。有線のPD45W出力と背面のワイヤレス充電を、その日の状況で使い分けられます。
厚みは覚悟してください。ACプラグを内蔵しているぶん本体には厚みが出るので、薄いポーチには収まりにくくなります。ワイヤレス側もMagSafeとApple Watchが中心の設計なので、Androidを背面に乗せる場合は位置のズレに気をつけてほしいところです。
充電器とバッテリー、それにApple Watchの充電まわりをひとつに寄せられる点に、8,800円前後を払えるかどうかで決まります。荷物の数そのものを減らしたい人には、容量の数字以上に効いてくる1台でした。
Philips モバイルバッテリー コンセント一体型 (15000mAh, PD45W, MagSafe対応)
参考価格 8,800円前後
充電器を忘れがちな人・コンセントに挿すだけで持ち運び充電もこなしたい人向け(Apple Watchも同時充電したい人)
連泊で容量を優先するなら、25000mAhという段があります
2万mAhでも足りない、という場面は確かにあります。連泊の出張、車での移動が続く日程、電源のない現場での作業といった時間です。電源に戻れない時間が2日3日と伸びてはじめて、容量そのものが効いてくる領域に入ります。
UGREENのモバイルバッテリー(商品番号90597a)は、25000mAh(3.6V/90Wh)で最大145W、単ポートでは最大100Wまで出ます。ポートはUSB-C×2とUSB-A×1の3口で、価格は7,099円前後でした。
この位置がおもしろいのは、価格の付き方です。20100mAh・220WのA110Bとくらべると、容量は約5,000mAh多いのに、価格は1万6千円ほど下に付いています。差になっているのは出力のほうで、単ポートの最大は140Wと100Wで開きがありました。PCの充電を待てる人なら、この差ぶんの金額は払わずに済みます。
飛行機に乗る人は、3.6V/90Whという表記のほうを見てください。モバイルバッテリーはWhの値で機内持ち込みの扱いが変わるので、この数字を航空会社の案内と突き合わせておくと、当日に慌てません。
短所は素直に大きさでした。25000mAhクラスは本体の重さも寸法も相応になるので、毎日の通勤カバンに常備する用途には嵩張ります。日常は小さい1台、出張の日はこれ、という使い分けのほうが現実的です。
容量は今回いちばん大きく、それでいて価格は1万円を切っている、という条件をまとめて満たすのがこの1台になります。連泊の予定が年に何度かある人は、ここを起点に考えてみてください。
UGREEN モバイルバッテリー 90597a (25000mAh, 最大145W/単ポート100W, USB-C×2/USB-A×1)
参考価格 7,099円前後
20000mAhでは物足りないが、Anker Primeほどの出力は要らない人・連泊の出張や旅行でとにかく容量を優先したい人向け
Wの数字は、ケーブルとポートで簡単に落ちます
出力の話を続けてきましたが、本体のW表記は「条件がそろえば出せる上限」であって、挿せば必ず出る数字ではありません。あいだに入るケーブルが高出力に対応していなければ、そこで頭打ちになります。本体を上のグレードに買い替えたのに速くならなかった、という話のいくらかは、ケーブル側で説明がつきました。
もうひとつ落ちやすいのが、ポートを複数使ったときです。合計出力には枠があるので、2つ3つと同時に挿せば、1つあたりに回る分は減ります。PCとスマホを同時に挿す前提の人ほど、単ポートの数字だけでなく合計側も見ておいてください。
今回の7台のうち、USB-Cケーブルを本体に内蔵していると明記されているのは、A110DとA1383、それにCIOのEx03を加えた3台です。内蔵ケーブルなら本体と組み合わせた状態で設計されているので、ケーブル選びで悩む余地がそもそもありません。別に買い足す前提の人は、そのケーブルが何Wまで対応しているかの表記を必ず確認してください。
規格についても一行だけ足しておきます。急速充電はUSB Power Delivery(USB PD)という共通の決まりごとの上で動いていて、機器とバッテリーとケーブルの3つがそろって初めて成立しました。A110Dの商品ページには、USB PDとPowerIQへの対応が明記されています。

大きいほうを買った人が、あとで気づくこと
容量で迷ったときに大きいほうを選ぶ、という決め方には落とし穴があります。ひとつは重さでした。毎日カバンに入れる持ち物は、わずかな差でも半年経つと持ち歩く気力のほうが先に削れます。
使い切らない容量を毎日運ぶ、というコストにも触れておきます。日中に半分も減らない人が2万mAhを持ち歩けば、残りの半分はただの重りです。容量は保険のようなものなので、その保険料として妥当な重さかどうかで見てください。
飛行機に乗る人は、確認する項目がもうひとつ増えました。モバイルバッテリーは預け入れ手荷物に入れられず、機内持ち込みも容量によって扱いが変わります。製品にはWh(ワットアワー)という表記があるので、出張が多い人は搭乗する航空会社の案内と突き合わせておいてください。
充電池である以上、使うほど蓄えられる量は少しずつ落ちていきます。だからこそ、保証の期間が明記されているかどうかも見ておいてください。今回の7台では、A110Bに30ヶ月保証の表記がありました。
もうひとつ、買う前にPSEマークの有無を確かめておくと安心です。国内で正規に流通しているモバイルバッテリーには、このマークが付いています。通販で相場からかけ離れて安い出品を見つけたときほど、ここを見てください。
迷ったときに見る順番
- ①コンセントに戻れない時間はどれだけ続くか(容量が決まります)
- ②挿すのはスマホだけか、ノートPCも含むか(出力が決まります)
- ③ケーブルは内蔵か、別に用意するか(実際に出るWが決まります)
1万mAhで足りる人と、2万mAhまで上げる人
改めて並べ直しておきましょう。スマホ中心で荷物を増やしたくないなら、10000mAh・22.5WのAnker Zolo(A110D)で足ります。ノートPCまで1台でまかないたいなら、20000mAh・87WのAnker(A1383)が標準的な位置になりました。PCを急速充電しながら移動を続ける人だけが、20100mAh・220WのAnker Prime(A110B)を選ぶ理由を持っています。残る4台は、その上下に置いた受け皿です。とにかく小さくしたいなら5000mAh・15Wのエレコム(DE-C45-5000)、充電器ごとひとつにまとめたいなら8000mAhのCIO(SMARTCOBY Ex03)か15000mAh・PD45Wのフィリップス(DLP4351C)、連泊で容量を優先するなら25000mAh・最大145WのUGREEN(90597a)が当たります。7台のうちどれを選ぶかは、結局この2軸のどこに自分がいるかで決まりました。
決める順番は、最初に書いたとおり2手です。電源に戻れない時間から容量を決め、そのあとで、何を挿すかから出力を決めてください。逆にしてしまうと、容量表だけを見比べて選ぶことになり、また同じ理由で買い替えます。
毎日充電している機器は、たいていバッテリーだけではありません。イヤホンやスマートウォッチまで含めて持ち物を見直したい人は、ワイヤレスイヤホンを価格帯から選ぶ話も同じ順番で読めます。価格は時期と在庫で動くので、買う直前に各販売ページの表示を確かめてください。
持ち物をまとめて見直すなら
- ワイヤレスイヤホンの価格帯別の選び方5千円・1万円・3万円で中身が入れ替わる境目
- iPhone対応スマートウォッチ通知と電池持ちから充電の頻度で選ぶ3本
- 骨伝導ワイヤレスイヤホン耳をふさがない形にすると何が変わるか
※本記事はプロモーションを含みます

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