デスクライトを「目に優しい」で選ぼうとすると、どの商品ページにも似た言葉ばかりが並んでいて、違いが見えなくなります。仕様を1つずつ開いていって分かったのは、「目に優しい」と呼ばれているものが、実は3つの別々の話の寄せ集めだったことでした。ちらつき、明るさ、色の見え方。この3つです。
原因が違えば、効く手も変わります。ちらつきで疲れている人が明るいライトに買い替えても手応えは出ませんし、単に暗くて目を細めている人が高演色のライトを買っても、やはり同じでしょう。先に決めるべきなのは商品ではなく、自分がどの軸で困っているかのほうでした。
今回の3点は、その3軸できれいに割れています。ちらつきを抑えた設計を公式に掲げているのがフィリップスの7,980円、机の広い範囲の明るさを数値で出しているのがアイリスオーヤマの5,000円、色の正確さで突き抜けているのがBALMUDAの39,600円。いちばん安い1台といちばん高い1台では、価格が8倍近く開きます。それでも「高いほうが目に優しい」という並びには、まったくなっていません。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
「目に優しい」の中身は、ちらつき・明るさ・色の3つに分かれます
まず言葉を分解します。デスクライトの商品ページで目に関わる仕様として書かれているものは、突き詰めると次の3種類しかありませんでした。
1つめがちらつき(フリッカー)です。LEDは交流を直流に変えて光らせていて、その過程や調光の方式によっては、人の目では追えない速さで明滅することがあります。見えていないのに見続けていると疲れの側に効いてくる、というやっかいな性質を持っています。
2つめに来るのが明るさでした。暗い手元で文字を追うと、ピントを合わせるために目へ力が入り続けます。部屋の照明だけでは机の上が足りていない人は、ここが原因になっている可能性が高いでしょう。
3つめが演色性で、Raという数値で表されます。基準になる光の下で見たときと、どれだけ同じ色に見えるかを示す指標で、Ra100が最大。数値が下がるほど色の出方がずれるため、色を見分ける作業では余計に目を凝らすことになります。
僕はアパレルの本部で商品計画をしていた時期があり、生地の色見本を見る場面が日常的にありました。同じ生地なのに、事務所の照明の下と窓際とで判断が変わる、というのは本当に起きます。色を扱う仕事をしている人にとって、演色性は感覚の話ではなく実務の話でした。
| 目に関わる軸 | 机の上で何が起きるか | この記事で担当する1台 |
|---|---|---|
| ちらつき(フリッカー) | 目には見えない明滅を見続けることになる | フィリップス DSK203(7,980円) |
| 明るさ | 暗い手元にピントを合わせ続けて目に力が入る | アイリスオーヤマ LDL-502(5,000円) |
| 演色性(Ra) | 色が正しく出ず、見分けるのに力が要る | BALMUDA The Light(39,600円) |

3点がこの3軸へ1台ずつ割り当たっているので、商品を比べる前に自分の困りごとを1つ選べば済みます。ここが今回いちばん伝えたかった部分でした。
目が疲れるのは、光の量よりも「差」と「動き」で決まる部分があります
明るいライトを買ったのに楽にならなかった、という話はよく聞きます。理由は、目の疲れが明るさの絶対量だけで決まっていないからでした。
人の目は、見ているものの明るさに合わせて瞳孔の大きさを変えます。視野の中に明るい場所と暗い場所が同居していると、その調整が何度も繰り返されることになるでしょう。真っ暗な部屋でデスクライトだけを点けた状態が疲れやすいのは、机の上と周囲の壁との差が大きすぎるからです。
もう1つが動きのほう、つまりちらつきでした。明滅の速さがある水準を超えると、人はそれを光の点滅として認識できなくなります。認識できないので本人は「気にならない」と感じますが、目のほうは律儀に反応し続けている、という状態が生まれます。
だからこそ、ちらつきについては主観で判断できません。「見た感じちらついていない」が、そのまま「ちらついていない」を意味しないからです。判断材料は、メーカーが仕様として何と書いているか。そこにしかありません。
そのうえで先に書いておきます。デスクライトは目を治す道具ではありませんし、視力そのものに働きかけるものでもありません。目の疲れや痛みが休んでも引かない、見え方が変わったと感じる。こうした場合は照明を買い替える前に、眼科で診てもらってください。道具の側で答えを出す話ではないからです。
ちらつきが気になっているなら、フィリップス DSK203 が7,980円で片をつけます
3つの軸のうち、ちらつきを正面から扱っている1台がこれでした。
フィリップスは照明を長く手がけてきたメーカーで、DSK203にはEyeComfortテクノロジーという名前で、ちらつきとまぶしさを抑えた設計が採用されていると販売ページに明記されています。ちらつきの少なさが、感想ではなく仕様として書かれている点が、この価格帯では効いてきました。
数値のほうも見ておきます。演色性はRa90の高演色、ブルーライトの評価規格であるIEC TR 62778では最高水準のRG0を取得、明るさは130lm、消費電力5W、光源寿命は15,000時間と記載がありました。調光は無段階で、調色は3段階です。本体にUSB端子が付いているので、スマホの充電をここで済ませられます。
サイズはW114×D340×H353mm、重量0.5kg。設置面積が小さく1kgを切る軽さなので、机の上で位置をずらしながら角度を詰めていく使い方に向くでしょう。
短所も先に置いておきます。明るさは130lmで、今回の3点の中ではもっとも低い数値でした。机の一部を照らすには足りても、部屋を明るくする用途には向きません。調色も昼光色から電球色までの3段階にとどまるため、細かく色温度を追い込みたい人には物足りないはずです。
PC作業のあとに目の奥が重い、画面から目を離しても疲れが残る。こういう疲れ方をしている人には、明るさを足すより先にこの1台を試す価値があります。
フィリップス LEDデスクライト (DSK203)
参考価格 7,980円前後
長時間のPC作業で「ちらつき」による目の疲れが気になる人向けです。130年の歴史を持つ照明専門メーカーのちらつき抑制技術を使ったベースタイプのデスクライト
手元が単純に暗いだけなら、アイリスオーヤマ LDL-502 の5,000円で足ります
「目に優しい」を難しく考える前に、そもそも机の上が暗い、というケースがあります。ここに当たっている人には、今回いちばん安い1台がそのまま答えになりました。
アイリスオーヤマのLDL-502は机に置くベースタイプで、販売ページにはJIS照度AA形準拠と明記されています。机の上の明るさについて定めたJISの区分で、照度は2500lxと書かれていました。光色は昼白色5000K、調光は無段階、定格消費電力11.0W(待機時0.4W)、質量は約850gです。
ここで1つ注意しておきたいのが単位のほうでした。lm(ルーメン)とlx(ルクス)は別の単位なので、130lmと2500lxを直接くらべることはできません。lmは光源が出す光の量を、lxは照らされた面が受け取る明るさを表します。同じ土俵に乗らないので、数字の大小だけで優劣を決めないでください。
演色性はRa85と記載があり、この3点の中では数値上もっとも低くなります。文字を読む、キーボードを打つ、書類に書き込む場面。こうした作業では気になりにくい一方で、色を厳密に見る作業をするなら物足りないでしょう。
もう1つ、販売ページにフリッカーレスの明記は見当たりませんでした。ちらつきで困っている人が最初に選ぶ1台としては、この点で候補から外れます。人感センサーや自動調光も非搭載なので、明るさは自分で操作する前提になるはずです。
暗さが理由で目を細めている人にとって、5,000円で照度の問題が片づくのは十分に大きい話でした。
アイリスオーヤマ LEDデスクライト (LDL-502)
参考価格 5,000円前後
机の広い範囲までしっかり明るくしたい人向けです。3製品中もっとも安く、照度2500lxでJIS照度AA形に準拠
色を正確に見る作業があるなら、BALMUDA The Light の39,600円に理由が立ちます
3点の中で突出して高い1台です。39,600円に納得できるかどうかは、色を見る作業が自分の生活にあるかの一点で決まりました。
BALMUDA The Light(L03A)の公式仕様には、平均演色評価数Ra97以上と記載があります。今回のRa90、Ra85と並べると、この数値だけが別の段にありました。色温度は5700K、器具光束は430lm、調光は6段階(15〜100%)、消費電力は全灯時で最大14W、光源寿命は40,000時間です。寸法は幅191×奥行264×高さ463mm、重量は約3.2kgと公式サイトに書かれていました。
Ra97以上が効いてくる場面を具体的に挙げます。絵を描く、模型や刺繍で色を合わせる、化粧をする、写真をレタッチする、本の図版を見るとき。自分の目で色を判断して、その判断が翌日以降まで残る作業があるなら、ここに出す価値が生まれるでしょう。
逆に、買うべきでない人もはっきりしています。文字を読んでキーボードを打つだけなら、Ra97以上を活かす場面がありません。器具光束は430lmと控えめなので、机全体や部屋を広く明るくしたい人が求めるものとも違います。重量約3.2kgは今回の3点で最も重く、机の上で頻繁に動かす使い方には向きません。人感センサーやタイマーも非搭載で、調光は6段階にとどまります。多機能を期待して買うと、価格に対して裏切られます。
つまりこの1台は、Ra97以上という1点だけに39,600円を払う買い物でした。そこがはっきりしている人には強く、そうでない人にはただ高いだけの製品になります。同じメーカーの家電がどういう考え方で作られているかは、BALMUDA The Toasterの記事のほうにも書きました。
BALMUDA The Light デスクライト (L03A)
参考価格 39,600円前後
絵を描く・読書・化粧など「色を正確に見たい」作業をする人向けです。演色性Ra97以上で自然光に近い発色です。予算を出せるならこの1台
5,000円と39,600円が同じ棚に並ぶのは、解いている問題が違うからです
3点を1枚に並べると、価格と性能が一直線には並んでいないと分かります。
| 商品と価格 | 公式に書かれた明るさ | 演色評価数Ra |
|---|---|---|
| アイリスオーヤマ LDL-502(5,000円) | 照度2500lx(JIS照度AA形準拠) | Ra85 |
| フィリップス DSK203(7,980円) | 明るさ130lm | Ra90 |
| BALMUDA The Light(39,600円) | 器具光束430lm | Ra97以上 |
演色性だけを見れば、Ra85からRa90、Ra97以上へと価格の順に並びました。ところが明るさは単位が揃っておらず、そもそも横並びで比べられません。「高いほうが全部いい」が成り立たないのは、このためでした。
だから価格は、困りごとの側から正当化するのが正しい順番になります。手元が暗いだけなら5,000円で解決しますし、ちらつきが原因なら7,980円で解決するはずです。どちらの場合も、39,600円を出す理由は最後まで出てきません。色を見る作業がある人にだけ、この価格差が意味を持ちます。
予算から入る買い方をすると、この判断は逆立ちしてしまうでしょう。「1万円までで目に優しいものを」と考えた瞬間、自分がどれで困っているかが視界から消えるからです。順番はいつも、困りごと、軸、価格でした。
買い替える前に、置き方で変わる部分を先に試してください
ここまで商品の話をしてきましたが、同じライトでも置き方しだいで見え方は変わります。買う前でも買ったあとでも効く話なので、先にやっておいて損はありません。
いちばん大きいのは、発光部が直接目に入っていないかどうかでした。座った姿勢のまま顔を上げたとき、光っている面そのものが視界に入るなら、その位置は避けてください。明るさが足りていても、まぶしさのほうが疲れを作ります。
次が影の向きです。右利きなら左側、左利きなら右側から光を入れると、手元に自分の手の影が落ちにくくなります。ノートに書き込む時間が長い人ほど、ここで差が出るはずです。
3つめが部屋の照明との関係でした。デスクライトだけを点けて部屋を暗くする置き方は、机の上と周りとの明暗差を大きくします。部屋の照明は点けたまま、デスクライトを足す。この形が基本になるでしょう。
画面を使う人は、光沢のあるパネルへの映り込みも確認してください。ライトの位置を数センチ動かすだけで消えることがあります。部屋側の照明そのものを見直したい人には、北欧風インテリアの照明の選び方のほうも参考になるはずです。
置き方の確認は4つだけ
- ①座ったまま顔を上げて、光っている面が直接見えていないか
- ②利き手と反対側から光を入れて、手の影が手元に落ちていないか
- ③部屋の照明を消していないか(明暗差が大きくなります)
- ④画面に光が映り込んでいないか

3点に共通して、期待しないほうがいい部分があります
短所は各製品のところにも書きましたが、3点に共通する注意点をまとめて置いておきます。
まず、どれもデスクライトなので、部屋全体の照明の代わりにはなりません。130lm、430lm、そして2500lxという数値はいずれも机の上を対象にしたもので、天井の照明を置き換える性質のものではないからです。
次に、目の疲れが照明だけで完結するとも限らない点でした。画面との距離、休憩の取り方、度数の合っていない眼鏡やコンタクト。照明を変えても動かない要因はほかにもあります。ライトを買い替えたのに楽にならない場合、原因は照明の外側にあります。疲れが続くようなら、眼科で相談してください。
3点それぞれの弱点も改めて挙げておきます。フィリップスは明るさ130lmで広い面を照らせず、調色は3段階まで。アイリスオーヤマはフリッカーレスの記載が無く、Ra85なので色を見る作業には向きません。BALMUDAは39,600円という価格に加えて約3.2kgの重さがあり、人感センサーやタイマーも載っていないままです。
価格についても一言だけ書いておきます。7,980円・5,000円・39,600円はいずれも執筆時点で確認した実売で、通販の価格は変動するものでした。買う前には必ず現在の表示を確かめてください。
最後に、選ぶ順番だけもう一度置いておきます
デスクライトで目が楽になるかどうかは、値段ではなく、自分の困りごとと軸が噛み合っているかで決まりました。
手元が暗くて目を細めているならアイリスオーヤマのLDL-502で、5,000円で照度の問題が片づきます。PC作業のあとに目の奥が重いなら、ちらつきを仕様として抑えたフィリップスのDSK203が7,980円。色を判断する作業が仕事や趣味にあるなら、Ra97以上のBALMUDA The Lightへ39,600円を出す理由が立ちました。
3つのうち、いま自分に当たっているのはどれか。そこさえ決まれば、この記事の3点は迷う対象ではなくなるはずです。
※本記事はプロモーションを含みます

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