頭皮用の美容液を探すと、1,148円のものと9,680円のものが似た顔つきで並んでいて手が止まります。この価格差の正体は、品質の順位というより商品の区分の差です。頭皮に塗る美容液は「育毛剤(医薬部外品)」と「化粧品の頭皮用美容液」という別々の商品に分かれていて、名乗れる効能がまるで違います。育毛剤は「育毛」「発毛促進」「脱毛の予防」を表示できる立場にありますが、化粧品の頭皮用美容液にその表示は認められていません。同じ頭皮ケアの言葉で売られていても、約束している中身は別物です。ややこしいのは、価格の順番と区分の順番が一致していない点です。この記事で挙げる3本のうち、いちばん高い1本は育毛剤ではなく化粧品のほうになります。値段だけを頼りに選ぶと、目的から外れた買い物になりやすいところです。振り分けだけ先に書いておきます。まず育毛剤というものを安く試したいなら、花王のサクセス薬用育毛トニック。有効成分まで踏み込んで本格的に取り組みたいなら、資生堂プロフェッショナルのアデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス。香りと使用感を大事にしながら頭皮環境を整えたいなら、アヴェダのインヴァティ ウルトラ アドバンス スカルプ セラムという並びになります。なぜこの順番なのかは、区分と有効成分を追っていくとつながっていくはずです。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
頭皮の美容液は、育毛剤と化粧品の2種類に分かれます
育毛剤(医薬部外品)が表示できること
医薬部外品は、有効成分の種類と分量、そして効能効果までを承認されたうえで売られている商品です。頭皮に使う育毛剤であれば、「育毛」「発毛促進」「脱毛の予防」「ふけ・かゆみを防ぐ」といった承認された範囲の言葉を、パッケージに書けます。裏面に「有効成分」という欄があって、そこに成分名が並んでいるのが医薬部外品の目印です。ここで押さえておきたいのは、書けるのが承認された範囲までという一点でしょう。「必ず生える」「確実に増える」という言い方は、医薬部外品の育毛剤であっても認められていません。育毛剤が引き受けているのは、いま生えている髪が抜けにくい状態を目指す方向であって、何もないところから増やす保証ではないからです。この線引きを頭に入れておくだけで、広告の言葉に振り回される場面がかなり減ります。
化粧品の頭皮用美容液が引き受ける範囲
もう一方の化粧品には、有効成分の承認という仕組みがありません。表示できるのはうるおいを与える、頭皮をすこやかに保つ、使用感を整えるといった範囲までです。販売ページに「エイジングケア」「ハリ」といった言葉が並んでいても、それは承認された効能ではなく、化粧品として言える範囲の訴求だと読んでください。ここを誤解したまま買うと、期待していたものと手元に届くものがずれます。ただし、化粧品だから劣るという話でもありません。育毛剤には独特の匂いやアルコール感があって続けられない人が一定数いますし、毎日触れるものだからこそ、香りと使用感がそのまま続ける力になる場面もあります。どちらが上かではなく、何を目的に置くかで選ぶ商品が変わる、と考えるほうが実際に近いはずです。

買う前に、区分はパッケージで見分けられます
「医薬部外品」「薬用」の表記を探す
見分け方そのものは難しくありません。箱かボトルのどこかに「医薬部外品」と入っている、あるいは商品名の頭に「薬用」と付いていれば、それは医薬部外品です。今回のサクセスは商品名そのものが「薬用育毛トニック」で、アデノバイタルも育毛剤(医薬部外品)として案内されています。逆に、アヴェダのインヴァティにはその表記がありません。デパートの化粧品売場や美容室で扱われる、化粧品としてのスカルプセラムです。同じ棚の言葉づかいに引っ張られず、まず表記を探すところから始めてください。
有効成分の欄が分かれているかどうか
もう1つの見分け方が、成分表示の作りです。医薬部外品は「有効成分」と「その他の成分」が分けて書かれます。化粧品は分けずに全成分が配合量の多い順に並ぶ決まりなので、欄が分かれていなければ化粧品と考えて差し支えありません。通販だと裏面の表示まで確認できない場合もあるため、商品名に「薬用」が入っているかを先に見るのが手っ取り早い方法でしょう。それでも判断がつかないときは、メーカーの公式サイトの商品ページに区分が書いてあります。
| 区分 | パッケージに表示できること | この記事での該当 |
|---|---|---|
| 育毛剤(医薬部外品) | 育毛・発毛促進・脱毛の予防・ふけやかゆみを防ぐなど承認された範囲 | サクセス 薬用育毛トニック/アデノバイタル |
| 化粧品の頭皮用美容液 | うるおいを与える・頭皮をすこやかに保つ・使用感を整える範囲 | インヴァティ ウルトラ アドバンス スカルプ セラム |
| 薬用シャンプー(医薬部外品) | フケ・かゆみを防ぐ・頭皮を清浄に保つなど(育毛や発毛促進は名乗れない) | この記事では扱わない範囲 |
シャンプーと頭皮の美容液は、役割そのものが違います
頭皮ケアを調べていると、シャンプーと美容液が同じ文脈で語られていて混乱します。この2つは洗い流すものと塗って残すものという時点で、狙っている場所が分かれている道具です。シャンプーが引き受けるのは、余分な皮脂や汚れを落として頭皮を清浄に保つところまでです。薬用シャンプーとして承認されている製品であっても、表示できるのは「フケ・かゆみを防ぐ」「頭皮を清浄に保つ」といった範囲で、「育毛」「発毛促進」はシャンプーでは名乗れません。一方の育毛剤は、洗って乾かしたあとの頭皮に塗って、そのまま残す設計になっています。有効成分が頭皮に留まる前提で作られているので、流してしまうシャンプーとは前提そのものが違うわけです。つまり、シャンプーを変えれば育毛剤が要らなくなるわけでも、その逆でもありません。順番としては、洗う側で頭皮の状態を落ち着かせてから、塗る側を足していく流れが素直でしょう。洗う側の見直しから始めたい人は、頭皮が乾燥する人のシャンプーの選び方をまとめた記事のほうが先になります。
目的別に選ぶ3本を、安い順に見ていきます
まず育毛剤というものを試したい人へ|サクセス 薬用育毛トニック 無香料 180g
花王のサクセスは、ドラッグストアの頭皮ケア棚でまず目に入るシリーズです。この薬用育毛トニックは医薬部外品の育毛剤で、有効成分は血行促進の系統が中心に置かれています。センブリエキスをはじめとする成分が並ぶ設計で、承認された範囲としては育毛や発毛促進、脱毛の予防が挙げられています。注目したいのは価格のほうです。180gで1,148円という値付けは、医薬部外品の育毛剤としては最安クラスです。育毛剤は1本使って終わるものではなく、毎日続けて初めて土俵に乗る種類の商品なので、ケチらずに使える価格であること自体が続けやすさに直結します。全国のドラッグストアで買えるため、切らして中断してしまう失敗も起きにくい部分でしょう。短所も書いておきます。有効成分が血行促進の系統に寄っているぶん、このあと紹介するアデノバイタルのような毛乳頭へ働きかける成分は入っていません。またトニックタイプなので、美容液という言葉から連想するとろみや保湿感もありません。頭皮に直接吹きつけて指でなじませる、さっぱりした使い心地です。しっとりした感触を求めて買うと、そこで肩透かしを食らいます。まず育毛剤という商品を自分の頭皮で試してみる、という段階にいる人に向いた1本です。価格が低いぶん、合わなかったときの損も小さく収まります。
サクセス 薬用育毛トニック 無香料 180g
参考価格 1,148円前後
区分:医薬部外品(育毛剤)。とにかく安く、まず育毛剤を試してみたい人向けの入門モデルです。ドラッグストア定番で在庫が安定している
有効成分まで踏み込みたい人へ|ザ・ヘアケア アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス
資生堂プロフェッショナルのアデノバイタルは、美容室で扱われることの多い育毛剤です。区分は医薬部外品で、有効成分にアデノシンが入っている点が、サクセスとの決定的な違いになります。アデノシンは資生堂が育毛の領域で打ち出してきた成分で、毛乳頭に働きかけて成長因子の産生を促す設計として説明されているものです。血行促進の系統とは狙う場所が別なので、同じ育毛剤でもアプローチが違うと捉えてください。180mLで7,700円です。サクセスの6倍以上という価格で、毎日使う消耗品としては確かに重い部類に入ります。ただ、育毛剤を1本使い切ってみる段階を越えて、成分の内容まで見たうえで選びたいなら、この差額には意味が出てきます。仕上がりのハリやコシまで含めて評価されてきたサロン専売品で、美容師から勧められて名前を知った人も多いはずです。短所は、そのまま価格と時間でしょう。即効性をうたう製品ではないので、手応えを判断するには継続が前提になります。1本7,700円を続けられる金額かどうか、月あたりの負担を先に計算してから入るほうが安全です。途中でやめてしまうと、いちばんお金だけがかかった形で終わります。価格より内容を優先して、有効成分まで見たうえで選びたい人向けの1本になります。美容室で勧められて気になっていた、という入り口の人にも噛み合う位置です。
ザ・ヘアケア アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス 180mL
参考価格 7,700円前後
区分:医薬部外品(育毛剤)。価格より効果の実感を優先し、本格的に育毛ケアしたい人向けです。美容室専売品で仕上がりのハリ・コシも重視する人

香りと使用感を優先したい人へ|インヴァティ ウルトラ アドバンス スカルプ セラム
アヴェダのインヴァティ ウルトラは、ここまでの2本とは立ち位置がはっきり違います。区分が化粧品で、医薬部外品ではありません。育毛や発毛促進といった効能を名乗る商品ではなく、頭皮環境を整えてすこやかに保つことを引き受ける頭皮用美容液です。処方は植物由来のトリプルバイタリティ複合成分と、アヴェダらしいアロマブレンドで組まれています。デパートの化粧品売場や美容室で扱われるラインで、香りと使い心地の作り込みが評価されてきた1本です。150mLで9,680円と、3本の中ではいちばん高額になります。この価格を出す理由がどこにあるかというと、承認された効能ではなく、毎日続けたくなる香りと使用感のほうです。育毛剤特有のアルコール感や匂いが苦手で途中でやめてしまった経験があるなら、続けられること自体が価値になる場面もあるでしょう。短所ははっきりしています。化粧品なので、育毛や発毛促進、脱毛の予防を名乗ることはできません。そこを期待して買うと、目的と商品がずれます。求めているものが抜け毛の予防そのものであれば、1本目と2本目に挙げた育毛剤のほうを見てください。3本の中で最も高額という点も、続ける前提で考えると無視できない部分です。香りと使用感を優先しながら頭皮環境を整えたい人向けの選択肢になります。頭皮ケアを続けること自体が難しかった人の受け皿としても効いてきます。
インヴァティ ウルトラ アドバンス スカルプ セラム 150mL
参考価格 9,680円前後
区分:化粧品(頭皮用美容液・医薬部外品ではない)。育毛剤の「発毛促進」表現よりも、香りや使用感、頭皮環境・エイジングケアを重視する人向けです。育毛剤特有の匂いや使用感が苦手な人の受け皿
8倍を超える価格差は、いったい何の差なのか
1,148円と9,680円の間には8倍を超える開きがありますが、この差は品質の順位ではありません。内訳を分けると、区分の差、有効成分の差、そして売り場とブランドの差という3つに整理できます。まず1単位あたりで並べ直してみてください。
| 製品 | 容量と価格 | 1単位あたりの目安 |
|---|---|---|
| サクセス 薬用育毛トニック 無香料 | 180g・1148円 | 約6.4円/g |
| ザ・ヘアケア アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス | 180mL・7700円 | 約42.8円/mL |
| インヴァティ ウルトラ アドバンス スカルプ セラム | 150mL・9680円 | 約64.5円/mL |
サクセスの安さは、育毛剤としての基本を押さえたうえで、流通量を武器にして作られた価格です。アデノバイタルの7,700円には、アデノシンという有効成分と、美容室という売り場を通す前提のコストが乗っています。そしてアヴェダの9,680円は、承認された効能ではなく、香料設計と処方、デパコス売場でのブランド体験に向けられた金額です。こう分けると、順番が一直線ではない理由が見えてきます。つまり、高いほうが目的に合うとは限りません。抜け毛の予防に寄った目的なら、1,148円のサクセスのほうが、9,680円の化粧品よりよほど噛み合っています。逆に、続けられる香りが欲しい人が育毛剤をいくら安く買っても、続かなければ意味が薄いところです。何を買っているのかを先に決めることが、この価格差との唯一の付き合い方でしょう。
買う前に引っかかりやすいところを書いておきます
まず、期間の話。育毛剤は、塗った翌週に結果が出る種類の商品ではありません。髪には生え変わりの周期があるので、判断するには少なくとも1本を使い切るくらいの時間が要ります。数日で「変わらない」と切り上げてしまうと、続けていれば見えたかもしれない変化を毎回逃していきます。次に、断定できないという前提。医薬部外品の育毛剤であっても、「必ず生える」「確実に増える」とは言えません。承認されているのは育毛や脱毛の予防といった範囲であって、結果を保証する仕組みではないからです。そう書いている広告を見かけたら、そこはむしろ警戒する材料になります。そして、いちばん大事な線引きを書いておきます。分け目や生え際の後退が目に見えて進んでいる、抜け毛が急に増えた、頭皮に赤みやかゆみが続いている、といった状態です。こうした心当たりがあるなら、育毛剤を買い足す前に医師へ相談してください。進行するタイプの薄毛は市販の育毛剤で止められる範囲を超えている場合があり、早めに相談したほうが選べる手段も残ります。頭皮の美容液は、そこを飛ばして代わりになるものではありません。最後に、使い方についてもう1点。どの製品も、シャンプーで洗って頭皮を乾かしたあとに使う前提で作られています。濡れたままの頭皮に塗ると成分が薄まりますし、乾かさずに寝る習慣があるなら、美容液を足すより先にそちらを直すほうが早いはずです。塗る量をケチって1本を長持ちさせるのも、続ける意味を薄くしてしまう部分でしょう。
3本のうち、どれを最初の1本にするか
選ぶ順番を、もう一度だけ整理しておきます。抜け毛の予防を目的に、まず育毛剤を試したいならサクセスの薬用育毛トニック。同じ目的で、有効成分まで見たうえで本格的に取り組みたいならアデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンスを選んでください。香りと使用感を優先して頭皮環境を整えたいなら、アヴェダのインヴァティ ウルトラ アドバンス スカルプ セラムという並びになります。前の2本と3本目では、そもそも表示できる効能が違うという点だけ、買う直前にもう一度確かめてみてください。ここを取り違えると、支払った金額に関係なく期待が外れます。逆に区分さえ押さえておけば、1,148円でも9,680円でも、自分が何にお金を払っているかが分かった状態で選べます。頭皮まわりは、洗う・塗る・触るのどれか1つで完結する場所ではありません。洗う側を整えたい人は頭皮が乾燥する人のシャンプー、道具まで含めて見直したい人は頭皮マッサージ器の記事にそれぞれまとめてあります。
※本記事はプロモーションを含みます

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