電車のなかで音量をつい上げてしまうなら、原因は曲ではなく騒音のほうです。ノイズキャンセリングを積んだワイヤレスイヤホンに替えると、騒音が下がったぶん音量を上げずに済みます。同じ曲でも、静かな場所で聴くのに近い音量で足りるようになります。
ところが、この「効き」がいちばん比べにくいところでした。ノイズキャンセリングの強さを数値で公表しているメーカーは少なく、カタログを並べても差が見えません。数字が出ている機種と、出ていない機種があるという前提から入ったほうが、選ぶ手が早く進みます。
この記事では実売10,500円前後から36,000円前後まで6機種を、ノイキャンの表記・再生時間・防水等級・マルチポイントの4点で見ていきます。静けさそのものに順位は付けられないので、並びは価格の安い順にしました。通勤で毎日使う想定なので、「一日もつか」「汗や雨に耐えるか」まで含めています。
先に大枠だけ書いておくと、1万円で入口をそろえるならオーディオテクニカのATH-CKS30TW+、効きと再生時間のバランスならAnkerのSoundcore Liberty 5、静けさに全部振るならBoseのQuietComfort Ultra Earbudsが軸になります。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
ノイズキャンセリングの効き方は、公式の出し方でここまで違います
今回の6機種で、ノイズキャンセリングそのものを数値で公表しているのはNothingのear (a)だけでした。公式にANC最大45dBという表記があります。1万円台前半の機種が数字を出しているのは、正直めずらしいと思います。
AnkerのSoundcore Liberty 5は「ウルトラノイズキャンセリング3.5」という世代の名前で性能を示していて、数値そのものは出していません。残る4機種は、公式の仕様表にノイズキャンセリングの段階や強度が載っていませんでした。BoseのQuietComfort Ultra Earbudsも数値は非公表ですが、静けさの深さでは頭ひとつ抜けた存在として扱われています。
では数字の無い機種をどう判断するかというと、外音取り込みの有無・再生時間・防水・マルチポイントという「使い方に効く仕様」で絞るのが現実的でした。ノイキャンは強ければいいというものでもありません。駅のホームで案内放送を聞き逃したくない場面もあるからです。
| 機種 | ノイズキャンセリングで公式が出している情報 | 実売価格 |
|---|---|---|
| audio-technica ATH-CKS30TW+ | 数値の記載なし(ノイキャンと外音取り込みを搭載) | 10,500円前後 |
| Nothing ear (a) | ANC最大45dB | 11,500円前後 |
| Anker Soundcore Liberty 5 | ウルトラノイズキャンセリング3.5(数値の記載なし) | 13,500円前後 |
| ソニー WF-C710N | 数値の記載なし | 14,200円前後 |
| JBL LIVE BUDS 3 | 数値の記載なし(ケースの液晶で切り替え可) | 15,800円前後 |
| Bose QuietComfort Ultra Earbuds | 数値の記載なし(第2世代の公式仕様) | 36,000円前後 |
外音取り込みについても同じで、公式の仕様として明記が取れたのはATH-CKS30TW+だけでした。ほかの5機種は、機能そのものの有無を公式の記載で確認できていません。書けるところと書けないところを、そのまま分けて扱っています。
通勤で効いてくるのは、再生時間と防水とマルチポイントです
ノイズキャンセリングを入れると再生時間は縮みます。オーディオテクニカのATH-CKS30TW+はANCオンで最大6.5時間、オフなら最大7.5時間でした。ソニーのWF-C710Nはオンで8.5時間、オフで12時間と、機種によって1時間から3時間半ほどの差が出ていました。
一日中つけておきたいなら、ケース込みの数字も見ておきます。AnkerのLiberty 5がANCオンでケース込み32時間、通常時なら48時間まで伸びます。Nothingのear (a)はケース込み42.5時間で、この価格帯では長いほうでした。逆にBoseのQuietComfort Ultra Earbudsは本体最長6時間、イマーシブオーディオを使うと4時間まで落ちます。
防水はIP55とIPX4に分かれました。IP55のATH-CKS30TW+・Liberty 5・JBL LIVE BUDS 3は粉じんにも対応した表記で、汗をかく移動や小雨まで想定できます。ただしATH-CKS30TW+のIP55はイヤホン本体のみの数値で、充電ケースは対応していません。Nothingのear (a)にいたっては本体がIP54でケースはIPX2なので、ケースを濡らさない扱いが要ります。
| 機種 | ANCオンの再生時間(本体/ケース込み) | 防水等級 |
|---|---|---|
| audio-technica ATH-CKS30TW+ | 最大6.5時間 / 17.5時間 | IP55(イヤホン本体のみ) |
| Nothing ear (a) | ケース込み42.5時間 | IP54(本体)/IPX2(ケース) |
| Anker Soundcore Liberty 5 | 8時間 / 32時間 | IP55(本体のみ) |
| ソニー WF-C710N | 8.5時間 / 30時間 | IPX4 |
| JBL LIVE BUDS 3 | 8時間 / 32時間 | IP55 |
| Bose QuietComfort Ultra Earbuds | 最長6時間 / ケースで3回フル充電 | IPX4 |
マルチポイントは6機種すべてが対応していました。パソコンとスマホを行き来する人には、ここがそろっているのは助かるところです。

ノイズキャンセリングイヤホンのおすすめ6機種
audio-technica ATH-CKS30TW+ ― 1万円でひと通りそろう入口
ノイキャンを初めて買うなら、まずこの1台で足ります。ちょうど1万円で、ノイズキャンセリングと外音取り込み、マルチポイントがそろいました。この3つのどれかが欠けると通勤で不便を感じる場面が出てくるので、入口としては過不足のない構成です。
ドライバーは9mm、Bluetoothは5.1、コーデックはAACとSBCに対応します。オーディオテクニカのSOLID BASS系らしく重低音寄りの鳴り方なので、低音が薄いと物足りない人に合う音づくりでした。片側4.5〜4.6gと軽く、再生時間はANCオンで最大6.5時間(ケース込み17.5時間)、オフなら最大7.5時間(ケース込み20時間)になります。
注意したいのは防水で、IP55はイヤホン本体のみの数値です。充電ケースは対応していないので、濡れた手で開けないようにしてください。
ノイキャンを初めて買う人、予算をきっちり1万円に収めたい人におすすめです。同じブランドの他の型番と迷うなら、オーディオテクニカの機種ごとの使い分けも合わせて見てください。
Nothing ear (a) ― 45dBのANCと、中身が透けるケース
6機種で唯一、ノイズキャンセリングの強さを数値で出しているのがear (a)です。公式の表記はANC最大45dBで、店頭では比べようのない効きの強さを、買う前の手がかりとして使えます。
コーデックはLDACに対応し、再生時間はケース込みで42.5時間まで伸びます。片耳4.8gと軽く、長時間つけていても負担になりにくい重さです。何より、中身が透けて見えるケースの見た目がほかの5機種と完全に別物です。人と同じものを持ちたくない人には、ここが決め手になります。
弱点は充電と防水まわり。ケースはワイヤレス充電に対応せず、USB-Cのみです。防水もイヤホン本体はIP54ですが、ケースはIPX2までなので、雨の日にポケットへ放り込む扱いは避けたいところ。
人と同じイヤホンを持ちたくない人、見た目も込みで選びたい人におすすめです。
Anker Soundcore Liberty 5 ― 価格の範囲で効きを最大化する
1万円台半ばでノイキャンの効きを取りにいくなら、この機種が本命です。Ankerはウルトラノイズキャンセリング3.5を積んでいて、世代を重ねてきたぶん仕上がりが読めます。
片耳約5.2gで、防水はIP55(本体のみ)です。コーデックはSBC・AAC・LDACに対応し、再生時間はANCオンで本体8時間・ケース込み32時間、通常時なら本体12時間・ケース込み48時間まで伸びます。ワイヤレス充電にも対応しているので、置くだけで充電できる環境をつくれます。
気をつけたいのが、LDACがiOSでは使えないところ。Android 8.0以上が条件なので、iPhoneで使うならAACという前提になります。アプリを使うにはファームウェアの更新が必須と公式に書かれているため、買ったらまず更新してください。
ノイキャンの効きを価格の範囲で最大化したい人におすすめです。前の世代から乗り換えるか迷っているなら、Liberty 4のレビューと読み比べると判断しやすくなります。

ソニー WF-C710N ― 小さくて耳から落ちにくい
ソニーでそろえたい人に向くのがWF-C710Nです。ドライバーは5mmと小径で、質量は片側約5.2g(イヤーピース含む)です。小さくて耳から落ちにくいものを探している人に向いた形をしています。
再生時間はANCオンで本体8.5時間・ケース込み30時間、オフなら本体12時間・ケース込み40時間でした。今回の6機種のなかでは本体側が長いほうなので、通勤の往復くらいなら充電を気にせず使えます。マルチポイントは2台まで対応しました。
割り切りもあります。コーデックはAACのみでLDACに対応せず、防水はIPX4で飛沫程度。水没は想定されていません。伝送そのものにこだわる人は、ソニーの上位機と比べる形になります。型番ごとの違いはソニーのワイヤレスイヤホン5機種の比較で整理しました。
ソニーでそろえたい人、小さくて耳から落ちにくいものが欲しい人におすすめです。
JBL LIVE BUDS 3 ― ケースの液晶でノイキャンを切り替える
電車から駅に出るたびにスマホを取り出して設定を切り替えるのは、地味に面倒です。LIVE BUDS 3はケース自体に液晶が付いていて、ケースの画面から切り替えられます。6機種で、この操作性を持っているのはここだけでした。
10mmのダイナミックドライバーを積み、コーデックはSBC・AAC・LDACに対応します。防水はIP55、再生時間はANCオンで本体8時間・ケース込み32時間、オフなら本体10時間・ケース込み40時間です。数字の面でも、真ん中の価格帯として不足はありません。
ひとつ正直に書いておくと、片耳の質量は公式ページから確認できませんでした。JBLの公式サイトが取得できなかったため、記載なしとしています。またスマートケースのぶんだけケースが大きいので、小さいポケットに入れたい人には向きません。
通勤中にスマホを出したくない人、電車と駅で設定をこまめに切り替えたい人におすすめです。
Bose QuietComfort Ultra Earbuds ― 静けさを最優先するなら
予算より静けさを取るなら、行き着くのはここでした。6機種のなかで価格の上限を張りますが、静けさの深さでは頭ひとつ抜けた枠で、オフィスや飛行機で音を切りたい人の選択肢になります。
第2世代の公式仕様では、Bluetooth5.3(A2DP/HFP/Snapdragon Sound)に対応し、防水はIPX4です。ケースはワイヤレス充電とUSB-Cの両方に対応します。マルチポイントも使えるので、仕事用のパソコンとスマホをつないだままにできます。
引き換えになるのが再生時間です。本体のみの連続再生は最長6時間、イマーシブオーディオを使うと4時間まで落ちます。ケースで3回フル充電できるとはいえ、一日中つけっぱなしにする使い方には向きません。充電器(USB-C電源アダプター)が別売なのも、買うときに足しておきたい費用です。
なお市場では第1世代と第2世代が併売されています。この記事の価格は第2世代の実売(33,936〜39,600円)を採用しました。買うときは世代の表記を確かめてください。予算より静けさを取る人、オフィスや飛行機で音を切りたい人におすすめです。
買ってから気づきやすいところを、先に並べます
数字がそろって見えても、実際に使い始めてから引っかかるのは細かい仕様のほうです。6機種ぶん、先に出しておきます。
- audio-technica ATH-CKS30TW+ ― IP55はイヤホン本体のみで、充電ケースは水濡れ厳禁
- Nothing ear (a) ― ケースはワイヤレス充電非対応・ケースの防水はIPX2どまり
- Anker Soundcore Liberty 5 ― LDACはiOS非対応でAndroid 8.0以上が条件・アプリ利用にファームウェア更新が必須
- ソニー WF-C710N ― コーデックはAACのみ・防水はIPX4で水没は想定外
- JBL LIVE BUDS 3 ― 片耳の質量が公式ページに記載なし・スマートケースのぶんケースが大きい
- Bose QuietComfort Ultra Earbuds ― 本体のみの再生は最長6時間・充電器は別売
どれも使えなくなるような話ではありませんが、知らずに買うと満足度がじわじわ下がります。とくに防水は、イヤホン本体とケースで等級が違う機種があるところに気をつけてください。
もうひとつ書いておきたいのが、ノイズキャンセリングが向かない場面です。周囲の音を減らす機能なので、ランニングや自転車のように音で周囲を確認したい使い方とは相性がよくありません。屋外で音楽を聴きながら周りも把握したいなら、骨伝導タイプのほうが目的に合います。
静けさを引き出すコツ
- イヤーピースのサイズを替えて、耳の穴に隙間をつくらない
- 装着したまま少しねじって、いちばん静かになる角度を探す
- 電車と駅で使い分けるなら、切り替えの操作を手元で試しておく
- ケースの防水等級は本体と別なので、雨の日は入れる場所を変える
結局どれを選べばいいか
目的から逆算して、もう一度並べ直しておきます。
- はじめてのノイキャンで1万円に収めたい ― audio-technica ATH-CKS30TW+(10,500円前後)
- 効きを数値で確かめたい・見た目も譲れない ― Nothing ear (a)(11,500円前後)
- 効きと再生時間のバランスを取りたい ― Anker Soundcore Liberty 5(13,500円前後)
- ソニーでそろえたい・小さいものがいい ― ソニー WF-C710N(14,200円前後)
- ケースの画面で切り替えたい ― JBL LIVE BUDS 3(15,800円前後)
- 静けさを最優先する ― Bose QuietComfort Ultra Earbuds(36,000円前後)
1台目として無難なのはAnkerのSoundcore Liberty 5です。1万円台半ばでノイキャンの効きと再生時間の両方が取れるので、迷いどころが少なくなります。予算を1万円で切るならATH-CKS30TW+、静けさに全部振るならBoseのQuietComfort Ultra Earbudsに振ってください。
価格帯そのものから考え直したいときは、ワイヤレスイヤホンを価格帯で選ぶ考え方を先に読んでおくと軸が決まります。ノイキャンは価格に比例して効きが上がりやすいところなので、出せる上限を決めてから機種を見ると早く終わります。
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