部屋に緑が欲しくて、以前、千円台の造花を買ったことがある。箱を開けて葉を取り出した瞬間に、これは違うな、と思った。緑が明るすぎるし、葉の表面がてかっている。鉢は見るからに樹脂で、底に成型のバリまで残っていた。壁際に置いてみたけれど、部屋に馴染むどころか、そこだけ浮いて見える。ひと月で棚の裏に押し込んで、それきり出さなかった。
そのあと何度か買い直して、ようやく分かってきたことがある。造花が安く見えるかどうかは、値段の高さそのものではなく、葉の素材と鉢の材質でほとんど決まる。逆に言えば、この2点さえ外さなければ、数千円のものでも部屋の一部として収まってくれる。
この記事では、その2点を軸に、置き場所ごとに3点へ絞って並べる。手元の花瓶に挿すだけで済ませたい人、棚の上を完成させたい人、床の空きスペースを埋めたい人で、選ぶものが変わるからだ。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
素材と鉢を替えれば、造花の安っぽさは消える
先に結論から書く。造花が玩具っぽく見える原因は、ほぼ2つに集約できる。葉の素材が光をどう返すかと、鉢が何でできているか。この2つを押さえた製品を選べば、遠目でも近寄っても、部屋に置いて違和感のないところまで来る。逆に、この2つを外したものは、いくら葉数を増やしても印象が変わらない。
葉は「てかり」で見抜ける
安く見える造花の葉は、光沢が均一に強い。窓から光が入ったときに、葉の全面が同じ角度でぴかっと返してくる。本物の葉は表と裏で反射がまるで違うし、同じ一枚の中でも部分ごとに濃淡がある。ここが平坦だと、脳が一瞬で作り物だと判定してしまう。
素材の表記は、選ぶときの手がかりになる。たとえば東京堂のMAGIQというシリーズには、素材に再生PET由来ポリエステルと再生ポリエチレンを使った枝ものがある。布系のポリエステルと樹脂のポリエチレンを組み合わせてあると、葉の面と縁で質感が変わるので、光の返り方が一様になりにくい。販売ページの素材欄は、飾りではなく判断材料として読む価値がある。
鉢が樹脂のままだと、上に何を挿しても釣り合わない
もう1つが鉢だ。ここを軽視している人が本当に多い。葉にいくら金をかけても、受け皿が薄い樹脂の黒ポットのままなら、部屋の中で一番目に入るのはその黒ポットになる。
だから僕は、造花を買うときに鉢の材質を先に見るようになった。ガラスか、陶器か、あるいは自分で好きな器に移せる形か。この3つのどれかに当てはまるなら、葉のグレードが多少落ちても部屋には収まる。逆にここが選べない商品は、価格に関係なく候補から外していい。
本物の植物と並べて置かない
素材と鉢の次に効くのが、置き方だ。造花は、本物の観葉植物のすぐ隣に置くと必ず負ける。葉の厚みも、幹の不揃いさも、土の質感も、横に比較対象があると一瞬で差が出てしまう。だから本物を育てている部屋なら、造花は同じ視界に入らない位置へ回す。
比較対象がなければ、人はいちいち近寄って葉を触ったりしない。棚の上、部屋の反対側の角、廊下の突き当たり。そういう「単独で目に入る場所」に置くと、素材の差はほとんど気にならなくなる。これは造花の性能ではなく、こちらの置き方でどうにでもできる部分だ。

まず1本挿しから。枝ものなら失敗しても取り返しがつく
造花で一度失敗した人が次に試すなら、鉢の付いていない枝ものを1本だけ買うのが安全だと思う。理由は単純で、手元にある花瓶やガラス瓶に挿せば、鉢の問題が最初から発生しないからだ。器は自分の目で選んだものを使えばいい。
枝ものの代表格がドウダンツツジで、東京堂のMAGIQにはReCOというシリーズの1本がある。公表されている仕様は、葉の長さが約3.5〜5.5cm、枝の長さが約82cm、幅が約42cm、内容量は1本。素材は先に触れた再生PET由来ポリエステルと再生ポリエチレンだ。数字だけ見ると小ぶりに思えるかもしれないが、枝そのものの長さが約82cmある。花瓶に挿すと下の一部は器の中に入るので、実際に立ち上がる高さは器の深さで変わる。テーブルや棚の上に置くつもりなら、その面から上にどれだけ空いているかを先に測っておきたい。
気をつけたい点もある。まず花器が付かないので、口の狭い花瓶が家になければ、そこも合わせて買うことになる。次に幅が約42cm広がるため、奥行きの浅い棚に置くと葉が前にせり出して通り道にかかる。そして内容量は1本きり。ボリュームを出したいなら複数本を束ねる前提になる。
もう1つ、買い方の話。この手の枝もの1本は本体価格が安いぶん、送料が別にかかる店が多く、1本だけではショップの送料無料ラインに届かないことがある。花瓶や2本目と一緒に注文したほうが、結果として支払いは軽くなる。「安い1本」を単品で買うと、そこだけ割高になるという逆転が起きる。
造花で一度がっかりした経験がある人が、素材の違いを自分の目で確かめるための1本として、ここから入るのは理にかなっている。
東京堂 MAGIQ ReCO ドウダンツツジ枝 小 グリーン FG302501
参考価格 1,944円前後
予算重視。2千円前後で、手持ちの花瓶に挿すだけで済ませたい人。造花で失敗したことがある人が、まず1本で確かめる枠
鉢ごと完成しているものを、棚かデスクに1つ置く
床に置くスペースがない部屋なら、話は変わる。棚の上、デスクの端、テレビボードの空いた角。そういう場所には、鉢まで含めて完成している小さいものを1つ置くほうが早い。器を別に探す手間がなく、届いた箱から出して置けば終わるからだ。
同じ東京堂のMAGIQに、ミックスリーフラウンドグラスという製品がある。公表仕様は、全体で幅が約20cm、高さが約22cm。鉢は直径が約10cmで高さが約7.5cm、材質はガラス製、内容量は1鉢。複数のグリーンを組み合わせた寄せ植え風の形になっている。
ここで効いているのは、やはり鉢だ。ガラスの器は光を通すので、樹脂の鉢のように「そこで止まる」感じがない。デスクの上に置いたときに、鉢そのものが背景に溶けてくれる。上に載る葉が主役として立つのは、この構造のおかげだと思う。
弱点も書いておく。全体で高さが約22cmしかないので、床や広い棚に単体で置くと存在感が足りない。あくまで手が届く高さの面に置くものだ。鉢がガラスである以上、落とせば割れるし、猫がいる家では置き場所を選ぶ必要がある。それから、複数の樹種を寄せ植え風に組んだ形なので、1種類で揃えたい人の好みからは外れる。
買うときに1つだけ注意がある。このシリーズは名前が1語違いの別品番が併売されていて、樹種が違う。表示名だけを見て注文すると、届いたものが想像と違う、ということが起こりうる。品番で確定してから買うのが確実だ。同じ品番でも店によって値段が3〜4割ちがうこともあるので、そこも一度は見比べたほうがいい。
床置きの場所がない部屋で、置くだけで完成させたい人には、この枠が一番当てはまる。
東京堂 MAGIQ ミックスリーフラウンドグラス グリーン FZ000567
参考価格 4,180円前後
本命。鉢ごと置くだけで完成させたい人。デスクや棚の上など、床置きの場所がない部屋に当てる枠
床に立てる1本は、高さで選ぶ
部屋の印象を変えたいなら、最後は高さだ。人の目線は縦の線を追うので、床から1本立ち上がっているだけで、同じ部屋でも天井が高く感じられる。テレビの横、ソファの脇、部屋の角。空いた縦のスペースは、家具で埋めるより緑で埋めたほうが圧迫感が出ない。
このサイズ帯で選びやすいのが、GRENTISのフェイクグリーン ユーカリ AG-EUCだ。高さは150cmと180cmの2種類で、価格は150cmが8,980円、180cmが9,980円。重さは150cmで約3.5kg、180cmで約4.2kg。材質は葉がPE、幹がスチールで表面をPEで覆ってある。セット内容には本体と固定用ポットのほか、植木鉢とバークチップが含まれる。
どちらを選ぶかは、天井高より家具との関係で決めたほうがいい。ソファやテレビボードの横に置くなら、家具の天面より頭ひとつ抜ける高さがあると、縦の線がきれいに出る。逆に、腰高の家具に埋もれる高さを選ぶと、せっかくの1本が壁の模様になる。
こちらにも割り切りが要る点はある。販売ページには屋内向けと明記があり、屋外や風雨の当たる場所には置けない。玄関ポーチに緑が欲しい人の答えにはならない。届いた状態は半完成品で、鉢とバークチップの組み立てが必要になる。そして葉の面積が大きいぶん、ホコリは確実に載る。はたきで定期的に払う前提の商品だと思っておいたほうがいい。
重さの数字も、見落とされがちだが実用に効く。150cmで約3.5kg、180cmで約4.2kgというのは、片手で軽々動かせる重さではない。掃除のたびに動かす場所に置くつもりなら、そこは覚悟がいる。一方で、ある程度の重量があるということは、人が横を通ったくらいでは倒れないということでもある。軽すぎる床置きグリーンは、掃除機のホースが引っかかっただけで倒れるので、僕はむしろ重いほうを支持している。
その手間を引き受けられるなら、部屋の主役を1本立てるという意味では、価格に対して効き目が大きい買い物になる。テレビ横の空白が埋まるだけで、部屋全体の印象は思っている以上に動く。

GRENTIS(グレンティス)フェイクグリーン ユーカリ AG-EUC 高さ150cm/180cm
参考価格 8,980円前後
長く使う上位。部屋の主役を1本立てたい人。テレビ横やソファ脇の空きスペースを埋めて、部屋の縦の線を作る枠
置きたい場所から逆算して選ぶ
3点を、置き場所で整理しておく。
| 置きたい場所 | 選ぶ形 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 手持ちの花瓶がある棚 | 枝もの1本 | 幅が約42cm広がるので浅い棚は前に出る |
| デスク・テレビボードの上 | 鉢まで完成した小さいもの | 全体で高さ約22cm、置く面の奥行き |
| 床の空きスペース | 150cm以上の高さがあるもの | 半完成品なので組み立てのスペースと時間 |
買う前に測る3つ
- 置く面の奥行き(葉は幅方向に広がる)
- 上に何cm空いているか
- 掃除機とコードの通り道にかからないか
造花にしておいてよかった、と思う条件
生きた植物のほうがいいに決まっている、という前提で話が進みがちだけれど、造花のほうが素直に向いている条件はいくつかある。買う前に自分がどれに当てはまるか見ておくと、迷いが減る。
まず、日当たり。北向きの部屋や、窓から遠い壁際は、そもそも光量が足りない。そういう場所に本物を置くと、じわじわ弱っていく様子を毎日見ることになる。緑を置きたい場所と、植物が育つ場所が一致しないなら、弱っていく姿を見ずに済むぶん、造花のほうが気は楽だ。
次に、家を空ける頻度。出張や帰省で数日いない週があると、水やりの間隔が読めなくなる。留守中の管理を人に頼めない一人暮らしなら、水の要らないもので埋めるのは合理的な判断だと思う。
三つめが、虫と土だ。土のまま室内で育てる限り、小さい虫が出る可能性は消えない。賃貸で、しかもワンルームだと、これがなかなかきつい。ハイドロカルチャーに替える手もあるけれど、そこまでやるくらいなら最初から造花でいい、という結論に僕は落ち着いた。
逆に、育てる過程そのものを楽しみたい人には向かない。造花は買った日が完成形で、そこから先は変わらないからだ。世話をする対象が欲しいなら、素直に本物を選んだほうが満足度は高い。
買ってから気づきやすいこと
3点それぞれの弱点は各節で書いたが、造花全体に共通する話をいくつか足しておく。
ひとつはホコリだ。生きた植物と違って自浄作用がないので、葉の上に載ったものはそのまま残る。特に葉が上向きに開いている形は溜まりやすい。週に一度、はたきで上から下に払うだけでかなり違う。この一手間を面倒に感じるなら、葉数の少ない枝ものを選んだほうが結果的に長持ちする。
もうひとつは置き場所。直射日光が長時間当たる窓際は、素材によっては色が変わっていく。屋内向けと書かれている製品は、その表記どおりに扱うのが無難だ。
最後に、買う店の話をしておく。同じ品番が複数のショップで併売されていることが多く、本体価格も送料条件もばらつく。1点だけ買うと送料無料ラインに届かず、結果として本体が安い店のほうが高くつく、という逆転はよく起きる。まとめて買う予定があるなら、注文を分けないほうがいい。この「本体価格だけ見て損をする」構図は造花に限った話ではなくて、1万円で印象が変わるものを並べたときにも同じことを書いた記憶がある。
部屋に緑を入れる順番
僕がいま人に勧めるなら、順番はこうなる。まず枝もの1本で素材の違いを自分の目で確かめる。そこで納得できたら、棚の上に鉢ごと完成したものを1つ足す。部屋の縦の線が足りないと感じた時点で、床に立てる1本を検討する。
一度に3点そろえる必要はまったくない。むしろ、1点ずつ置いて部屋の見え方がどう変わるかを確かめたほうが、次の1点の選び方が正確になる。造花で失敗した経験があるなら、その失敗は選び方の問題であって、造花そのものの限界ではなかった可能性が高い。
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