CPUクーラーを外したあと、次に塗るグリスはもう決まっていますか。古いグリスを拭き取ったCPUが机の上にあるのに、手元のグリスはもう空っぽ。
僕がそこで手に取るのは、Thermal GrizzlyのKryonaut 1gです。付属のヘラで薄く伸ばせて、80℃までは乾きにくい作り。自分の手で塗り替えたい自作PCの人に、迷わずすすめます。
この記事でわかること
- Kryonautの作りと特徴
- ヘラで塗るときの扱いやすさ
- 向かない使い方
- MX-4・MX-6との使い分け
ヘラも同じ箱に入っています。

このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
Kryonaut 1gの基本情報
まずはざっと、どんなグリスなのかを表で見てください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | Thermal Grizzly |
| 商品名と型番 | Kryonaut 1g(TG-K-001-RS) |
| 種類 | CPU・GPU用のサーマルグリス |
| 色 | シルバー(マット) |
| 同梱物 | 本体1g・ヘラ・説明書・原産地証明書 |
| 価格(税込) | 国内の通販で1,890〜2,200円(2026年10月) |
容量は1gのほかに、1.5ml・3ml・10mlもあります。この記事で取り上げているのは1gのものです。
円での公式価格は出ていません。アメリカの公式ストアでは11.58ドル(税込・送料別)で並んでいます。
まずは小さい1gで、塗り心地を確かめてみてください。
Kryonautのいいところ
Kryonautは、オーバークロックをする人たちの厳しい使い方に合わせて作られたグリスです。メーカーは、産業向けの大事な冷却装置にもすすめています。
80℃まで乾きにくいKryonautの中身
Kryonautは、80℃までの温度なら乾いていくのを止める作りになっています。固まらない性質で、長く使い続けられるように作られている点も特徴です。
中に入っているのは、ナノサイズのアルミニウムと酸化亜鉛。これがしっかりなじんで、CPUやヒートシンクの表面にある細かいでこぼこを埋めてくれます。そのぶん熱が伝わりやすくなる、というのがメーカーの説明です。
電気を通さない銀色のペースト
見た目は銀色で、つやの無いマットなペーストです。それでも電気伝導率は0 pS/m。電気を通さないグリスです。
ノートPCのCPUやGPUのダイにも使えると案内されています。ただし、そのノートPCの冷却の仕組みが対応している場合の話です。
開けたあとも長く取っておける
保管の目安は、未開封なら最長10年。開けたあとでも最長5年と書かれています。
1gを一度で使い切らなかったときも、次の塗り替えまでそのまま取っておけます。

実際に塗ってみた感想
僕がKryonautを出すのは、休みの日の昼間です。CPUクーラーを付け替えたり、パーツを組み直したりするときに、明るいうちにまとめて作業しています。
手順はシンプルです。古いグリスを拭き取って、接触面をきれいに脱脂してから塗ります。部屋の温度のまま塗り始められるので、準備に手間はかかりません。
寒い日は少し温めてから
最初に気づいたのは、ペーストが思っていたより硬めなことでした。とくに冬場、部屋が冷えている日はヘラが重く感じます。
そういう日は、ヘアドライヤーで少し温めてから塗っています。メーカーも案内しているやり方で、温めると伸ばしやすくなりました。
硬いからといって、溶剤やオイルで薄めるのはやめておきましょう。ここはメーカーもはっきり止めています。
付属のヘラでゆっくり広げる
塗るときは、付属のヘラでゆっくり、薄く、均一に。急いで伸ばすとムラが出やすいので、僕は時間をかけるようにしています。
銀色のペーストなので、どこまで広がったかを目で追いやすいのも助かるところ。PCの中で使うものなので、電気を通さないとはっきりしているのも、塗るときの気楽さにつながっています。グラボのGPUのようにダイがむき出しの部品では、ダイの縁を押さないように気をつけています。
1gは見た目には少なく感じますが、薄く伸ばして使うグリスです。僕は量で物足りなさを感じたことはありません。
逆に、急いでいる日にさっと済ませたい作業には向かないと感じました。ヘラで伸ばすぶん、どうしても少し手がかかります。時間をとって落ち着いて塗れる日に使うと、気持ちよく作業できました。
作業のあとは、ヘラについたペーストを拭き取ってから箱に戻しておきます。次の塗り替えでも、同じヘラをそのまま使えるからです。残ったグリスも一緒にしまっておくので、パーツを入れ替えるたびに買い足さずに済んでいます。
一度塗ると、次にクーラーを外すまで中の様子は見えません。80℃まで乾きにくいとはっきり書かれているので、付けたままにしておくのも気になっていません。
Kryonautの弱点と合わない使い方
Kryonautにも、メーカーが自分で書いている弱点があります。
1つ目は、CPUのヒートスプレッダを外して、ダイに直接クーラーを当てる使い方です。ここではポンプアウトが起きやすいとされています。同社のダイ直付け用クーラーや、ヒートスプレッダの下面には、液体金属タイプのグリスがすすめられています。
2つ目は、隙間の広さです。0.2mmより広い隙間を埋める用途には向いていません。クーラーと部品がぴったり触れていない場所を、グリスの厚みでごまかすような使い方はできないということです。
3つ目は、高い電圧がかかる機器での使い方。電気を通さないとはいえ、高電圧の用途向けに認証された絶縁材ではありません。PCの中とは別の機器に流用するのはやめておきましょう。
ほかに、熱伝導率の数字が出ていない点も気になるところです。メーカーは2020年の終わりから、W/(m·K)の一般的な数値を公表していません。数字でほかのグリスと並べて選びたい人には、比べる材料が足りません。
動作温度は−250〜+350℃と書かれています。ただ、高い温度のまま長く使い続ける工程まで、まとめて認めた数字ではないと添えられています。
1つ目の注意は、ヒートスプレッダを外したダイ直付けの話です。ヒートスプレッダを付けたままのCPUに塗る僕の使い方とは、別の場面になります。
ARCTICのMX-4・MX-6との違い
比べる相手に挙げたいのは、同じように電気を通さないARCTICのMX-4とMX-6です。MX-6とは塗り方が、MX-4とは容量のそろえ方が違います。
MX-6は、ヘラでは塗れないとARCTIC自身が書いているグリスです。クーラーを押し付ける力で広げます。容量は2g・4g・8gで、MX Cleaner付きのものもあります。密度は2.6 g/cm³、連続使用温度は−50〜150℃です。
MX-4は容量の幅が広く、2gから45gまで用意されています。密度は2.50 g/cm³で、連続使用温度は−50〜150℃です。金属を使っておらず、電気も通しません。
Kryonautは、付属のヘラで薄く伸ばして使うグリスです。密度は3.7g/cm³、粘度は130〜170 Pa·s。容量は1g・1.5ml・3ml・10mlの4種類から選べます。
塗るのを自分の手でやるか、クーラーの圧に任せるか。KryonautとMX-6を比べると、僕はここが大きな分かれ目だと思っています。大きな容量でまとめて持っておきたい人には、45gまであるMX-4という手もあります。
型番と正規品の見分け方
Kryonautは容量違いが4つ並ぶので、注文するときは型番を見てください。1gはTG-K-001-RS、EANは4260711990038です。
4種類のうち、1gだけが重さのg表記で、ほかの3つは1.5ml・3ml・10mlと量のml表記になっています。量を並べて比べるときは、単位が違う点に気をつけてください。
国内の通販では、商品名に「正規品 親和産業」と入っているページもあります。メーカーは、できるだけ自社の販売店リストに載っている店から買うようすすめています。
本物かどうかは、箱に入っている認証カードのコードを、メーカーのサイトで確かめる仕組みです。届いたら、カードを捨てる前に確かめておくと安心できます。
Kryonaut 1gをすすめたい人
Kryonautは、自分の手でていねいにグリスを塗り替えたい人に合うグリスです。80℃まで乾きにくく、電気を通さず、ヘラも付いてきます。ヒートスプレッダを外したダイ直付けで使うつもりなら、メーカーがすすめる液体金属タイプを考えたほうがいいと思います。
ケースを開けるついでにストレージも見直したい人は、内蔵NVMe SSDのおすすめも見てみてください。
最後に、MX-6との使い分けを1つだけ。クーラーで押して広げたいならMX-6、付属のヘラで薄く均一に伸ばしたいならKryonautです。
※本記事はプロモーションを含みます

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