冬の入浴でつらいのは、湯船につかっている時間ではありません。服を脱ぐ数十秒と、上がってから体をふく数十秒です。「浴室 暖房 後付け」と調べはじめる動機は、たいていこの二つの時間にあります。
先に結論を書きます。今回そろえた4台のうち、浴室の中で使えることが公式に明記されているのは1台だけでした。残る3台は、公式仕様に防水等級の記載がなく、脱衣所や洗面所での使用を想定した製品です。ここを混ぜて選ぶと、濡れた場所でメーカーが想定していない使い方をすることになります。
価格も3,980円前後から39,820円前後まで開いています。同じ「浴室暖房の後付け」という言葉で括られていても、中身はまったく別の道具でした。安いから劣っているのではなく、置ける場所が違うだけです。
以下では、まず浴室の中に置ける1台を見て、そのあと脱衣所側を温める3台を価格の高い順に並べます。天井に埋め込む工事が必要な浴室暖房乾燥機は、今回は扱いません。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
「後付け」には工事のいるものと、いらないものがあります
浴室暖房と呼ばれるものには、大きく二つあります。ひとつは天井に埋め込むタイプで、電気工事と換気ダクトの接続が必要でした。賃貸では基本的に選べませんし、持ち家でも工事の日程と費用が別に発生します。
もうひとつが、今回扱う後付けの機器です。壁に掛けるか、床に置くか、浴室の壁に吊り下げるかの違いはありますが、いずれも電源をとって使う形なので、ダクト工事は要りません。今回の4台はすべてこちら側に入ります。
ただし「工事不要」と「どこにでも置ける」は別の話でした。壁掛け式の山善DFX-RJ12は壁へのネジ留めが必要ですし、浴室内で使うクレスターのお風呂ヒーターも、吊り下げか壁への設置という形をとります。完全に置くだけで済むのは、コイズミとアイリスオーヤマの2台です。
浴室の中で使えるかどうかは、防水等級の記載だけで決まります
ここがこの記事でいちばん大事なところなので、はっきり書きます。浴室の中で電気製品を使ってよいかどうかは、メーカーが防水性能を公式に示しているかどうかで決まります。見た目が水に強そうかどうかや、口コミでの評判は判断材料になりません。
今回の4台のうち、防水仕様を公式に明記していたのはクレスターのHEAT-S-101WAだけでした。公的機関の試験でIPx5をクリアしており、浴室の壁に吊り下げるか据え付けて使う前提の製品です。
残る3台、山善DFX-RJ12・コイズミKHF-0868・アイリスオーヤマACH-KD12Aは、いずれも公式ページに防水等級の記載が見当たりませんでした。これらは脱衣所や洗面所で使う製品として扱ってください。浴槽のそばや、シャワーの飛沫がかかる位置に持ち込む使い方は、メーカーが想定していません。
濡れた床と電気製品の組み合わせは、うまくいっているうちは何も起きません。だからこそ、記載がないものを「たぶん大丈夫だろう」で使わないでほしいと思っています。

置ける場所と価格の関係を、4台ぶん整理しました。
| 置ける場所 | 設置のしかた | あてはまる機種と価格 |
|---|---|---|
| 浴室の中 | 吊下げまたは壁設置 | クレスターHEAT-S-101WA・39,820円前後 |
| 脱衣所(壁掛け) | 壁にネジ留め | 山善DFX-RJ12・19,360円前後 |
| 脱衣所(置くだけ) | 床に置く | コイズミKHF-0868・11,750円前後/アイリスACH-KD12A・3,980円前後 |
表のとおり、浴室の中と脱衣所は、価格帯からしてまったく別の売り場でした。予算だけで4台を横並びにすると、置ける場所を見落とします。
浴室の中まで温めたいなら、選べるのはこの1台です
湯船から上がった瞬間の寒さをどうにかしたいなら、脱衣所用のヒーターでは届きません。浴室の中に置ける機器が要ります。今回の4台では、次の1台だけがその条件を満たしていました。
クレスター お風呂ヒーター HEAT-S-101WA|39,820円前後、IPx5で浴室内に据えられる
公的機関の試験でIPx5の防水性能をクリアしているので、浴室の壁に吊り下げたり据え付けたりして使えます。消費電力は100V/1000Wで強弱の切り替えはなく、質量は約2.0kgです。熱源は近赤外線のハロゲンヒーターで、立ち上がりが速いのが持ち味になります。
電源ケーブルは約6mあるので、脱衣所側のコンセントまで届きます。浴室の中にコンセントがない家でも導入できるという意味で、この長さは実用的な設計でした。設置方法は吊下げか壁設置なので、取扱説明書の指示どおりに固定してください。
短所は率直に言って価格です。39,820円前後は今回の4台でいちばん高く、脱衣所用の3台とは桁がひとつ違う感覚があります。消費電力も1000Wで強弱の切り替えがないため、電気代は控えめとは言えません。
それでも、浴槽のそばの寒さは脱衣所用ヒーターではどうにもならない領域です。そこを解決したいなら、防水等級が明記されたこの1台を選ぶほかありません。ここは価格で妥協してよい場面ではないと考えています。
Chrester(クレスター) お風呂ヒーター HEAT-S-101WA
参考価格 39,820円前後
公的機関の試験でIPx5の防水性能をクリアしているので、浴室の壁に吊り下げたり据え付けたりしてそのまま使えます。近赤外線ハロゲンヒーターで立ち上がりが速く、電源ケーブルは約6mあるので脱衣所のコンセントまで届きます。

脱衣所を温めるだけなら、3,980円から2万円弱までで足ります
寒さを感じるのが服を脱ぐときと体をふくときだけなら、温めるべき場所は脱衣所です。ここなら選択肢は一気に広がりますし、価格も現実的な範囲に収まります。設置のしかたが違う3台を、価格の高い順に見ていきます。
山善 DFX-RJ12(W)|19,360円前後、壁掛けで足元を占領しない
壁掛け式なので床に置き場所を作る必要がなく、狭い脱衣所でも動線をふさぎません。消費電力はドライヤー機能で強1200W・弱1150W、温風で強1150W・弱600W、送風で強24W・中14W・弱8Wとなっています。質量は4.7kgです。
この機種の面白いところは、温風と送風に加えてヘアドライヤー機能まで1台に入っている点でした。4台の中でドライヤーを備えるのはこれだけで、着替えと髪を乾かす作業を同じ場所で終えられます。洗面所が狭い家ほど、この一体化はありがたく感じるはずです。
短所は二つありました。ひとつは公式仕様に防水等級の記載がないことで、浴室内ではなく脱衣所での使用を前提とした製品になります。もうひとつは壁へのネジ留めが必要な点で、賃貸だと壁に穴を開ける許可の話が先に来ます。
持ち家で、脱衣所の床を空けたまま暖房を足したい。その条件にはよく噛み合う1台でしょう。
山善 壁掛式脱衣所温風ヒーター DFX-RJ12(W)
参考価格 19,360円前後
壁掛け式なので置き場所に困らず、脱衣所の壁にそのまま設置できます。温風・送風・ヘアドライヤー機能を1台にまとめているので、着替えと髪を乾かす作業を一度に済ませられます。
コイズミ KHF-0868/W|11,750円前後、置くだけで人感センサーが働く
床に置くだけのタワー型なので、取り付け作業はいっさい要りません。消費電力は温風時に800W(60Hzでは750W)、送風時は30W、質量は約2.9kgです。人感センサーと二重安全転倒スイッチを備えています。
人感センサーが入っていると、脱衣所に入った瞬間から温まりはじめます。スイッチを押すために寒い部屋へ先回りする必要がないので、実際の使い勝手ははっきり変わりました。転倒スイッチが二重になっている点も、狭い場所で使う機器としては安心できます。
こちらも公式仕様に防水等級の記載がないため、浴室の中では使えません。脱衣所に置く機器として考えてください。冬の温風時は消費電力800Wとやや高めなので、他の家電と同じ回路で使うときはブレーカーの容量を意識しておくと安全です。
工事も取り付けもしたくない、それでいて安全機能は欲しい。この条件なら、素直に候補の中心になります。
コイズミ ホット&クール ミニ 送風機能付ファンヒーター KHF-0868/W
参考価格 11,750円前後
床に置くだけのタワー型なので、工事や取り付け作業なしで脱衣所にすぐ置けます。人感センサーと二重安全転倒スイッチが付いているので、うっかり倒したときも安心です。
アイリスオーヤマ ACH-KD12A(-W)|3,980円前後、幅14cmで持ち運べる
本体サイズは幅約14×奥行約23.6×高さ約28.8cmと小さく、片手で持ち運べます。消費電力は送風21W、暖房は600Wと1200W(60Hzでは1100W)の切り替え式です。転倒したときに自動で電源が切れる安全装置が付いています。
4台の中でいちばん安く、しかもいちばん小さいので、脱衣所だけでなく洗面所や廊下にも移して使えます。賃貸で工事も壁の穴あけもしたくない人にとっては、ここが素直な入口になるでしょう。この価格で転倒時の自動オフが入っているのは、正直ありがたいと感じました。
短所も価格なりにはっきりしています。防水等級の記載はやはりなく、浴室内での使用は想定されていません。またサイズが小さいぶん暖房できる範囲は広くないので、脱衣所が広い家では物足りなく感じるかもしれません。
まずは3,980円前後で、脱衣所の寒さがどれくらい和らぐかを試してみたい。そういう始め方に向いた1台です。
アイリスオーヤマ コンパクトセラミックファンヒーター ACH-KD12A(-W)
参考価格 3,980円前後
幅14cmほどの小型サイズで持ち運びがしやすく、脱衣所だけでなく洗面所や廊下にも移動させて使えます。転倒したときに自動で電源が切れる安全装置が付いているので、狭い脱衣所でも置きやすい1台です。
3,980円と39,820円が同じ棚に並んでいる理由
価格差の理由は性能の優劣ではなく、防水にかかっているコストでした。浴室の中で使う機器は、水がかかる前提で筐体と配線を設計し、試験を通す必要があります。この工程が価格に乗っているぶん、脱衣所用の機器とは別の価格帯になります。
だから「安いほうを買って浴室で使えばいい」という考え方は成立しません。防水等級の記載がない機器を浴室に持ち込むのは、価格を節約する行為ではなく、想定外の使い方をする行為です。ここだけは節約の対象にしないでください。
もうひとつ気をつけたいのが消費電力です。今回の4台は、暖房を使うときに600Wから1200Wを消費します。脱衣所のコンセントは洗濯機や洗面台の照明と同じ回路にぶら下がっていることが多く、洗濯機と同時に使うとブレーカーが落ちることがあります。使う時間帯をずらすだけでも、この問題はかなり避けられるでしょう。
そして延長コードです。定格を超える延長コードやタコ足配線でヒーターを使うと、コードそのものが発熱します。脱衣所は湿気もこもりやすい場所なので、壁のコンセントに直接つなぐ形をとってください。
買う前に脱衣所で測っておきたいこと
設置の前に確かめておく四つのこと
- 防水等級の記載がない機器は、浴室の中に持ち込まないでください。脱衣所と洗面所までが使える範囲です
- コンセントの位置と、洗濯機と同じ回路かどうかを確かめます。同時に使うとブレーカーが落ちることがあります
- 壁掛け式は下地のある位置にネジ留めします。賃貸なら穴あけの可否を先に確認してください
- 置き型は吹き出し口の前を空けます。脱いだ衣類やタオルが前に落ちない配置にしてください
脱衣所は、家の中でも家具の配置が固定されやすい場所です。洗濯機と洗面台の位置は動かせませんから、残った隙間に何を置けるかで選択肢が決まります。買う前にメジャーで幅と高さを測っておくと、届いてから置き場所に困ることがありません。
冬の水まわりをまとめて見直すつもりなら、セラミックヒーターや布団乾燥機と合わせて、電源まわりを一度に考えておくと配線がすっきりします。
冬の寒さ対策をまとめて考えるなら
- セラミックヒーターのおすすめ居室側の暖房もあわせて選びたい人へ
- 布団乾燥機のおすすめ寝る前の冷たさが気になる場合に
- ひとり暮らし向けのこたつ足元から温める選択肢もほしいときに
- ひとり暮らしの家電セットそろえる順番から決めたい人向け
- 電気ケトルのおすすめ同じ回路のコンセント計画と一緒に
置く場所を先に決めれば、迷いはほとんど消えます
順番はひとつだけです。最初に「浴室の中を温めたいのか、脱衣所を温めたいのか」を決めてください。ここが決まれば、4台は1台と3台にきれいに分かれます。
浴室の中まで温めたいなら、防水等級が公式に明記されたクレスターHEAT-S-101WAが唯一の答えになります。価格は39,820円前後と高いので、その負担を受け入れられるかどうかを先に考えることになるでしょう。
脱衣所でよければ、あとは設置方法と予算で選べます。床を空けたいなら壁掛けの山善DFX-RJ12、置くだけで安全機能もほしいならコイズミKHF-0868、まず安く試したいならアイリスオーヤマACH-KD12A。この三択なら、3,980円前後から始められます。
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