先に結論です。鼻の黒いポツポツを落とすためにクレンジングを1本だけ探しているなら、洗浄力の強い順に並べたところで、たぶん買い替えが止まりません。詰まっているものの半分以上は、オイルの相手ではないからです。
花王の研究サイト「花王の顔」の記事には、角栓の組成についてこう書かれています。「実は脂質の割合が全体の30~50%に対し、タンパク質はそれを上回る50~70%を占めていることが明らかになった」。多いのは脂ではなく、タンパク質のほうでした。
僕は洗って1時間でテカる脂性肌で、鼻の黒ずみとは10年以上つきあっています。強いオイル、剥がすパック、指で押し出す。ひと通りやって分かったのは、道具を1つ強くするより、当てる相手を分けるほうが早いということでした。
この記事で分ける3つの役割
- 脂の側 … 日焼け止めや整髪料を塗った日に落とす
- タンパク質の側 … 朝晩の洗顔そのものを入れ替える
- 洗ったあとの側 … 落とす工程を足した日の受け皿を決める
3つとも買う必要はありません。今日の顔に何が乗っているかで、どこから手をつけるかが変わる。自分の生活でいちばん多いパターンを1つ決めてから読み進めてください。
この記事を書いた人
30代前半メンズ、都内在住。大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業と、現在3社目です。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものを発信しています。
洗顔して1時間でテカる極度の脂性肌です。学生時代から肌荒れと戦い続けていて、脂性肌向けとうたわれる化粧水はドラッグストアの棚にあるものからデパコスまで、ほぼ全部試してきました。アゼライン酸・レチノール・ビタミンC・ナイアシンアミドといった成分ものも、セラミド系の敏感肌向けも同様です。
スキンケアだけでは足りず、イソトレチノインや、アドバテックスレーザー・ポテンツァ・アビクリアといった美容医療にも一通り手を出しています。そのうえで「結局これは要る/要らない」を自分の肌で判断してきました。
黒く見えているものを、まず3つに分ける

鼻の上のあれを「毛穴の黒ずみ」と一語で呼んでいますが、実際には性質の違うものが同時に並んでいます。分けないまま1本を探すから、買っても手応えが無い。先に整理しておきましょう。
1. 詰まった角栓
ロート製薬の解説(皮膚科医監修)は、黒ずみをこう定義しています。「毛穴の出口が狭くなり、毛穴に皮脂や角質(タンパク質)が詰まることで角栓ができ、それが黒くなっている状態が毛穴の黒ずみです」。皮脂の塊ではなく、皮脂と角質が混ざった塊だと書いてある点が大事。
資生堂の解説はもう1つ材料を足しています。「肌に残った皮脂や角質(角層)は産毛と混じって角栓になり、毛穴をつまらせる原因にも。」とあり、皮脂と角質だけでなく産毛まで中身に入ってきます。中身が何種類もあるものを、1種類しか溶かせない道具で片づけようとしていたわけです。
2. 色がついて見える理由(公式のあいだで説明が割れている)
ここは正直に書きます。黒く見える理由について、大手の公式が別のことを書いている状態。ロートは開放面皰の項で「黒色になるのは、皮膚の内側から排出されたメラニンであるとされています」と留保つきの書き方をしていて、いっぽう資生堂は「毛穴につまった角栓に汚れが付着したり酸化したりすることが、毛穴の黒ずみの主な正体」。同じ現象に別の説明が当てられています。
どちらか一方を事実として断定できません。ただ両社に共通しているのは、色がついているのは詰まった角栓の側であって、表面に乗っているだけの汚れではないという捉え方。だから対処の向きは一致していて、資生堂は「角栓による毛穴の黒ずみをケアするには、ターンオーバーを整え、角栓を除去することが大切です」、ロートは「洗顔時は余分な皮脂や汚れをしっかり取り除くことも意識しましょう」と書いています。
洗うこと自体は外れていません。外れているのは、1回の洗浄力で今日中に色を消しにいく、という期待のかけ方のほうでしょう。
3. 毛穴そのものの影
角栓を落とし切ったのに、まだ暗く見える。この場合は詰まりではなく、すり鉢状に開いた毛穴の内壁が作る影を見ています。影は洗って落ちるものではありません。ここに洗浄力をぶつけても、削れるのは周りの健康な角層のほうです。
影タイプは対策の向きがまったく違うので、この記事では扱いません。詳しくはすり鉢毛穴の記事へ。
角栓の半分以上はタンパク質。オイルで相手にできるのは脂の側だけ
クレンジングオイルは、油に油をなじませて浮かせる仕組みです。だから脂質の側には届く。けれど、タンパク質は油には溶けません。
花王は同じ研究記事の中で「タンパク質に作用するもの、脂に作用するもの、どちらか一方だけでは歯がたたない」と書いています。角栓を相手にするなら、道具は2種類要るという話。1本の洗浄力を上げていく方向に答えが無いのは、そういう理由からです。
タンパク質の側に当てる市販の道具が、プロテアーゼ(タンパク分解酵素)の入った洗顔料になります。粉末の個包装タイプが有名ですが、週に何回という頻度で使う前提のものが多く、毎日の洗顔とは別枠になりがち。ほかの選択肢は酵素洗顔をまとめた記事に並べてあります。
ただし工程を足せば、肌から取り去る量も増えます。ロート公式も「皮脂を落とす力が強すぎるものや、使い過ぎは肌を傷める恐れがあり、脱脂状態をまねいて肌乾燥にもつながります」と注意している。足したら、その日のうちにもう1つ引く。この記事の3つ目は、その引き算のために置いています。
クレンジングを足す前に、その日に顔へ何が乗ったかを決める
メイクをしない男に、そもそもクレンジングが要るのか。ここが抜けたまま毎日1工程増やすと、ロートが注意している「使い過ぎ」に自分から入っていくことになります。判断はそこまで難しくなくて、落とすべきものを塗った日だけ出す。僕の場合、当てはまるのは次の3つでした。
クレンジングを出す日
- ウォータープルーフの日焼け止め … 石けんで落ちると書かれていないもの
- 皮脂に強い整髪料 … 額や生え際に触れているワックス・ジェル
- BB・コンシーラー … 塗った範囲だけでも落とす
逆に、家にいて何も塗らなかった日にまでクレンジングを重ねる理由はありません。工程を1つ減らせば、その日の摩擦はゼロになる。ニキビが出ている時期は判断の条件が少し変わるので、ニキビ肌のクレンジングの記事も合わせて見てください。
脂の側・タンパク質の側・洗ったあとの側。役割で分けた3つ

3つは競合ではありません。角栓の中身と、落としたあとの肌に、それぞれ別の場所から当てています。見ていく順番は、脂の側・タンパク質の側・洗ったあとの側です。
脂の側を落とす日に:オルビス ザ クレンジング オイル 120mL
オルビスの化粧品です。公式の説明は「圧倒的な洗浄力と毛穴悩みに着目したクレンジングオイルです。」から始まります。全成分のうち公式が呼び名を付けているのは3つで、角栓溶解オイル=炭酸ジカプリリル、マスカラ溶解オイル=カプリリルメチコン、超微粒子成分=(C12-20)アルキルグルコシド。配合量は公開されていません。
毛穴まわりについて、オルビスは公式に、角栓溶解オイル(炭酸ジカプリリル)が「詰まりや黒ずみも溶かして、毛穴の目立ちにくいすべすべ肌に洗い上げます」と書いています。これはメーカー自身の表現で、僕が保証できる話ではない。引用したまま置いておきます。
使い方は公式に「1.適量(2プッシュ程度)をとり、手のひら全体にさっと広げます。」とあり、最後は「4.その後、洗顔料で洗顔してください。」で終わります。W洗顔が必要な設計なので、ここを飛ばさないこと。濡れた手でも使えて、ウォータープルーフのメイクにも対応します。
表示は無香料・無着色・アルコールフリー、そして酸化しやすい油分は不使用。「ノンコメドジェニックテスト済(すべての人にコメド=ニキビのもとができないというわけではありません)」という注記も公式に併記されています。テスト済みと、誰にも起きない、は別。
ボトル入り120mLで2,200円(税込)。ほかにつめかえ用110mLと、数量限定のトライアルサイズ50mLがあります。公式には毎日2プッシュで2か月分と書かれていますが、僕は塗った日だけ出す使い方なのでもっと持つ。使用感の細かいところは単品レビューに書きました。
タンパク質の側に持ち替える日に:メラノCC ディープクリア酵素洗顔 130g
ロート製薬の化粧品です。公式が名前を付けているのは酵素(プロテアーゼ:洗浄成分)、ビタミンC(アスコルビン酸:整肌保湿成分)、クレイ(カオリン:洗浄成分)の3つ。こちらも配合量は非公開。
公式の製品説明には「酵素配合で、汚れや古い角質を除去し、つるんと透明感のある肌に!」「クレイ(カオリン:洗浄成分)配合の吸着泡が、毛穴汚れを効果的にからめ取ります。」とあります。2023年のロートのニュースリリースでは「タンパク分解酵素、ビタミンC配合。うるおいを守りながら毛穴汚れや古い角質を除去し」という紹介のされ方でした。
念のため書いておくと、この記事で「タンパク質の側」と呼んでいるのは僕の整理の言い方で、毛穴の奥の角栓を分解する、といった意味ではありません。公式が書いているのは、汚れと古い角質を除去するところまでです。
手順の説明は公式ページに無く、記載は「柑橘系の香り。朝晩の洗顔にどうぞ。」まで。チューブなので1回量を加減できて、朝晩の洗顔にそのまま入れられるのが、粉末の個包装タイプとの大きな違いになります。僕は泡立てネットで20秒ほど立ててから、鼻と小鼻にだけ泡を長めに置いて、こすらずに流すやり方。
使用上の注意に「傷、はれもの、湿疹等、異常のある時は使用しないこと」とあります。荒れている日は休んでください。130gでオープン価格。公式の商品ページに全成分は載っておらず、ロートの成分表示ページ(品番173242で引く)に置かれているので、確認したい人はそちらへ。
落とす工程を足した日の受け皿に:キュレル 皮脂トラブルケア 化粧水 150mL
花王キュレルの医薬部外品で、有効成分はアラントイン(消炎剤)。公式の説明は「セラミドの働きを補いながら皮脂による肌荒れを防ぐ」で、あわせて「にきび・肌荒れを防ぎます。消炎剤(有効成分)配合。」とも書かれています。
先に断っておくと、これは黒ずみに効かせるための1本ではありません。医薬部外品として承認されている範囲は、にきびと肌荒れを防ぐところまで。ここに置いている理由は別で、落とす工程を足した日ほど、洗ったあとが手薄になるからです。
公式は「乾燥だけでなく、過剰な皮脂でも肌荒れをくり返す敏感な肌に。」と対象を書いていて、ノンオイリー処方。ベタつきを抑制する成分(基剤)と、潤い成分としてユーカリエキスを配合しています。皮脂は多いのに荒れる、という僕みたいな肌の置き場として使えます。
使い方は「朝晩の洗顔後の肌にお使いください。適量(ポンプ3〜4押し分)をとり、顔全体にやさしくなじませます。」。ポンプ3〜4押しは、想像よりずっと多い量でしょう。1押しで済ませていたころは、乾く場所と脂が浮く場所がまだらに残っていました。150mLで無香料・無着色。花王の公式ページには金額の記載がないため、価格はここでは書きません。
3つを並べて比べる
区分・役割・容量で並べます。区分が違えば、メーカーが書ける内容も変わる。ここを分けて読めるかどうかが分かれ目です。
| 製品と区分 | 役割 | 容量/価格 |
|---|---|---|
| オルビス ザ クレンジング オイル 120mL化粧品/炭酸ジカプリリル・カプリリルメチコン | 角栓の脂の側。日焼け止めや整髪料を塗った日に落とす。W洗顔が必要 | 120mL/2,200円(税込) |
| メラノCC ディープクリア酵素洗顔 130g化粧品/プロテアーゼ・アスコルビン酸・カオリン | 汚れと古い角質を除去する。朝晩の洗顔と入れ替えて使う | 130g/オープン価格 |
| キュレル 皮脂トラブルケア 化粧水 150mL医薬部外品/アラントイン(消炎剤) | にきび・肌荒れを防ぐ。落とす工程を足した日の受け皿 | 150mL/公式に価格の記載なし |
「黒ずみを防ぐ」と書ける製品は、この3つの中にありません。キュレルは医薬部外品ですが、承認されているのは、にきびと肌荒れを防ぐところまで。オルビスとメラノCCは化粧品なので、公式も落とすことと洗いあがりの話までしか書いていません。
パッケージに並ぶ「毛穴」という言葉は、区分とは関係のない各社の表示です。どこまでが承認された効能で、どこからが売り文句なのかを分けて読む。これができるようになると、買い替えの回数が目に見えて減ります。
やるほど遠回りになるケアと、市販では動かないもの
剥がすパックと、指で押し出す
毛穴パックを全否定するつもりはありません。ロート公式も「皮膚の質によっては行っても問題ありませんが、必要な皮脂や角質が取れ過ぎてしまうこともあり、肌を傷める恐れもあります」と、条件をつけた書き方をしている。禁止はしていません。
同じ解説には「乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方は気を付けて、医師との相談のもとで実施してください」ともあります。やるなら頻度と後始末を決めてから。剥がし方と使う間隔は毛穴パックの記事にまとめました。
指で押し出すほうは勧めません。中身が出た瞬間は満足しますが、周りの皮膚を潰しているので、数日後に赤みが乗って、黒より目立つ状態に変わることがある。僕は何度もやって、そのたびに後悔しました。
洗浄を重ねて、引き算を忘れる
クレンジングを毎日足して、酵素の洗顔も毎日にして、さらに拭き取りシートも足す。工程だけが増えていく時期が僕にもありました。手応えが無いぶんを、量で埋めようとしていたわけです。
ロート公式の言い方を借りれば「皮脂を落とす力が強すぎるものや、使い過ぎは肌を傷める恐れがあり、脱脂状態をまねいて肌乾燥にもつながります」。落とす工程を足した日は、洗ったあとに置くものを決めておく。目安を1つ出すなら、洗面所での合計時間。クレンジングから化粧水までが2分で終わるなら、たぶん組み合わせは合っています。5分かかっているなら、どこかで同じ仕事を2回やっているはず。
市販の洗浄では動かないもの
線を引いておきます。すでに色素沈着として定着した部分と、すり鉢状に開いた毛穴の影は、洗って落ちるものではありません。ここに洗浄力をぶつけ続けるのが、いちばん惜しい時間の使い方でしょう。
半年ほど手を尽くして手応えが無いなら、市販の洗浄という土俵から降りるのも手です。僕はハイドラフェイシャルを受けて、詰まりの量が減った状態からやり直しました。毎日のケアは、減った状態を保つほうが得意だからです。
皮膚科に行く線引き
黒い点だけなら、まず市販で構いません。ただし赤く盛り上がる、膿を持つ、同じようなものが広い範囲に出る。この3つのどれかが混ざったら、洗い方の工夫より受診のほうが早い。塗り薬や内服で対応できる範囲かどうかは、見てもらわないと分かりません。迷っている半年のほうが、初診の費用よりよほど高くつくことも。
まとめ
鼻の黒いポツポツに1本で当たろうとすると、洗浄力の強い順に買い替えるループに入ります。角栓は脂質が30〜50%、タンパク質が50〜70%(花王の研究記事)で、オイルが相手にできるのは前者だけだからです。
だから脂の側・タンパク質の側・洗ったあとの側の3つに分けました。塗った日にオルビス ザ クレンジング オイル 120mL、朝晩の洗顔をメラノCC ディープクリア酵素洗顔 130gに入れ替えて、落とした日の受け皿にキュレル 皮脂トラブルケア 化粧水 150mL。
黒く見える理由そのものは、ロートと資生堂で説明が割れたままです。決着していない話を根拠に断定はできません。ただ両社に共通しているのは、色がついているのが詰まった角栓の側だという捉え方で、そこは今日の洗い方で減らせる部分でしょう。
影と色素沈着は、洗って動く場所ではない。ここを認めたうえで、落とす日を決めて、落としたぶんを置き直す。遠回りに見えて、僕にはこれがいちばん近道でした。
鼻が黒ずみではなく、皮がむけて赤い状態なら手当てが変わります。肌荒れした鼻に使う3点に分けました。
※本記事はプロモーションを含みます

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