結論から書きます。敏感肌の化粧品は、棚に貼ってある「敏感肌用」の文字ではなく、今日の自分の肌がどの段階にいるかで選べます。段階は4つに分かれていて、そのうち3つは化粧品で手当てできる。下の4つのどれに当たるかを決めれば、買う物は自動的に絞れます。
買う前に決めるのは、この4つのどれか
- 落ち着いている … 乾くだけ。化粧品で水分と油分を足す
- 荒れを防ぎたい … 肌荒れ防止の有効成分が入った医薬部外品
- 塗る物を減らしたい … 成分の数が少ない物まで引き算する
- しみる・赤い・はれている … 買い物ではなく皮膚科
段階で選ぶのには理由があります。「敏感肌用」は薬機法上の効能ではないからです。厚生労働省が定めた化粧品の効能の範囲56項目に、「敏感肌」も「低刺激」も1つも入っていない。パッケージのあの言葉は、各社が自社の基準で試験して書いている表示です。僕は洗顔して1時間でテカる脂性肌で、髭剃りのあとだけ頬がヒリつくタイプ。荒れた時期に「敏感肌用」と書かれた化粧水を立て続けに買って、3本とも合わなかったことがあります。表示の意味は後半で詳しく書きます。
4つ目がこの記事でいちばん伝えたいところです。ヒリついている肌は、化粧品を替えて様子を見る段階ではありません。成分が白色ワセリンだけのベビーワセリンですら、公式の使用上の注意に「傷やはれもの、しっしん等、異常のある部位にはお使いにならないでください。」と書いてあります。
この記事を書いた人
30代前半メンズ、都内在住。大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業と、現在3社目です。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものを発信しています。
洗顔して1時間でテカる極度の脂性肌です。学生時代から肌荒れと戦い続けていて、脂性肌向けとうたわれる化粧水はドラッグストアの棚にあるものからデパコスまで、ほぼ全部試してきました。アゼライン酸・レチノール・ビタミンC・ナイアシンアミドといった成分ものも、セラミド系の敏感肌向けも同様です。
スキンケアだけでは足りず、イソトレチノインや、アドバテックスレーザー・ポテンツァ・アビクリアといった美容医療にも一通り手を出しています。そのうえで「結局これは要る/要らない」を自分の肌で判断してきました。
敏感肌の化粧品は、今日の肌の段階で選ぶ
「しみる・赤い・はれている」は買い物で解く段階ではない
先に、いちばん危ないところを切っておきます。塗るとヒリヒリする、赤みが何日も引かない、はれている。この状態は、化粧品を替えて様子を見る段階ではありません。
分かりやすいのが、この記事で扱う中でいちばん成分の少ないベビーワセリンの使用上の注意です。「傷やはれもの、しっしん等、異常のある部位にはお使いにならないでください。」成分が白色ワセリン1つしかない製品ですら、異常のある部位には使うなと書いてある。
同じ使用上の注意には、異常があらわれた場合は使用を中止して皮膚科専門医等に相談するようにとあり、続けて「そのまま使用を続けますと、症状を悪化させることがあります。」と書かれています。つまり、「刺激の少なそうな物に避難する」という発想自体が、この段階では成り立たない。ここは受診の領域です。
残りの3つは、日によって行き来する
異常が出ていない前提で、残りは3段階に分かれます。それぞれに当てる物を先に決めておくと、店頭で迷わなくなります。
段階と、当てる物
- 落ち着いている … 化粧品で保湿。土台をここに置く
- 荒れを防ぎたい … 医薬部外品。有効成分で肌あれを防ぐ側に振る
- 塗る物を減らしたい … 成分の少ない物まで引き算して切り分ける
大事なのは、段階は日によって、季節によって動くということ。1本で一年中まかなおうとするから外れます。3つの棚を持っておいて、今日の顔で選ぶ。この考え方に変えてから、買い替えの回数が減りました。
段階別に選ぶ3つ

荒れを防ぎたいとき:イハダ 薬用うるおいローション とてもしっとり
資生堂の医薬部外品です。公式の有効成分表記は「有効成分:アラントイン,グリチルリチン酸ジカリウム」の2つ。効能について公式ブランドサイトが書いているのは「肌荒れ・乾燥・ニキビを防ぐ」までで、化粧品では言えない「防ぐ」がここで言える理由が、この区分の違いです。
表示は「無香料」「無着色」「アルコール(エタノール)無添加」「パラベン(防腐剤)無添加」。1つ注意があります。パラベン無添加は、防腐剤がゼロという意味ではありません。全成分の末尾はフェノキシエタノールで終わっていて、公式もパラベンについてだけ書いている。表示は表示のとおりに読むところ。
全成分の並びは「…ワセリン, 塩化カルシウム, 塩化マグネシウム, フェノキシエタノール」。ブランド側の説明には「特別な技術により限りなく不純物を取り除いた『高精製ワセリン』を配合しています」とありますが、全成分表記上の名前はあくまで「ワセリン」です。訴求の呼び名と成分名を混ぜないほうがいい。
使い方は「洗顔後、手のひらに適量(500円硬貨大目安)をとり、顔全体にやさしくなじませます」。本体180mLが1,650円(税込)、レフィル150mLが1,320円(税込)で、公式には「※参考小売価格です。店舗によって異なる場合があります。」と添えてあります。なおこの製品ページは「しっとり」と「とてもしっとり」の共通ページで、価格・有効成分・使い方は両タイプ共通です。
公式に「※2月21日にリニューアルいたしました。」の表記もあるので、第三者サイトの古い情報と混ぜないでください。同じブランドの化粧水を長く使った感想はイハダ 薬用ローションのレビューに書きました。ただしそちらは商品名が「薬用ローション」で、本記事の「薬用うるおいローション」と同一品かどうかは公式で確認できませんでした。別の物として読んでもらうのが安全でしょう。
季節の変わり目や髭剃りのあとに荒れやすい人は、荒れを防ぐ側に振る1本として棚に置いておくと、判断が速くなります。毎日これを使うのではなく、今日はそちらの段階だと思った日に手を伸ばす使い方。
イハダ 薬用うるおいローション とてもしっとり 180mL
参考価格 1,650円前後
資生堂薬品の医薬部外品。有効成分アラントインとグリチルリチン酸ジカリウム。高精製ワセリン配合。
落ち着いているとき:ミノン アミノモイスト モイストチャージ ローションII
第一三共ヘルスケアの化粧品です。化粧品なので有効成分の表示はなく、効能・効果の記載もありません。公式の製品説明は「とろりとした使い心地でリッチなうるおい もっとしっとりタイプ」。販売名はミノンアミノモイストMLMbです。
公式の製品説明にはもう1文、「みずみずしく角質層に水分を保ちます。うるおいで満たし、キメが整った、やわらかで透明感のある肌へ。」とあります。ただし「透明感」は化粧品の効能56項目に無い語なので、これは効能ではなくメーカーの製品説明として読んでください。僕も効果として受け取らないようにしています。
全成分の冒頭は「水、グリセリン、BG、プロパンジオール、メチルグルセス-20、バリン、トレオニン、…」と続きます。バリン、トレオニン、セリン、ロイシンといったアミノ酸系の成分が並ぶのが、このシリーズの性格。
テスト表示と注記は前の章で引いたとおりです。使い方は「洗顔後、清潔な手のひらに適量(3~5プッシュ)を取り、顔全体にやさしくなじませます。」。ブランドサイトに出ている目安は、本体150mLで約90日分、つめかえ用130mLで約80日分。
価格はノープリントプライスで、公式に金額の記載はありません。流通での参考価格は約2,200円。それと、2025年8月29日にリニューアル発売されています。第三者サイトには旧処方の情報がまだ残っている時期なので、成分だけは公式で確認してから買ってください。
ミノン アミノモイスト モイストチャージ ローションII 150mL
参考価格 2,200円前後
第一三共ヘルスケアの化粧品。アミノ酸系の保湿成分。もっとしっとりタイプ。
塗る物を減らしたいとき:健栄製薬 ベビーワセリン 100g
健栄製薬の化粧品です。公式に記載されている成分は「白色ワセリン」のみ。そして効能として公式が挙げているのは、次の3行だけ。
ベビーワセリンの公式表記
- 「皮膚、口唇を保護します。」
- 「皮膚、口唇の乾燥を防ぎます。」
- 「皮膚の水分、油分を保ちます。」
この枠の役割は引き算です。化粧水・乳液・美容液と重ねていて、どれが合っていないのか分からなくなったとき、いったん塗る物を1つに減らして切り分ける。バリアを修復するとか、傷んだ皮膚を作りかえるといった働きではありません。公式が書いているのは保護と、乾燥を防ぐことまで。
前の章でも引きましたが、使用上の注意にはきちんと目を通しておいてください。「傷やはれもの、しっしん等、異常のある部位にはお使いにならないでください。」とあり、異常があらわれたら使用を中止するよう促したうえで「そのまま使用を続けますと、症状を悪化させることがあります。」と続きます。荒れている場所への避難先として使う物ではありません。
使い方は「そのまま適量を皮ふ、口唇に塗布してお使いください。」。表示は「無香料、無着色、パラベンフリー」。包装は60gと100gで、公式の価格表はどちらも「オープン価格」となっていて金額の記載がなく、流通での参考価格は100gで約526円ほど。少量を手のひらで温めてから伸ばすと、ムラになりにくいでしょう。
落ち着いている肌で、今の手順の点数を減らして原因を切り分けたい。この条件に当てはまるなら、これ以上に安く試せる物はそうありません。
3つを並べて比べる
区分・使いどころ・容量と価格の順に並べたのが下の表です。区分が違うと、公式が書ける言葉そのものが変わります。
| 製品と区分 | 使いどころ | 容量/価格 |
|---|---|---|
| イハダ 薬用うるおいローション とてもしっとり医薬部外品/アラントイン・グリチルリチン酸ジカリウム | 荒れを防ぎたい日。公式表記は「肌荒れ・乾燥・ニキビを防ぐ」 | 180mL/1,650円(税込) |
| ミノン アミノモイスト モイストチャージ ローションII化粧品/有効成分の表示なし | 落ち着いている日の土台。約90日分 | 150mL/参考価格 約2,200円 |
| 健栄製薬 ベビーワセリン 100g化粧品/成分は白色ワセリンのみ | 塗る物の点数を減らして切り分けたいとき | 100g/オープン価格 |
「肌荒れ・乾燥・ニキビを防ぐ」と書けるのは、医薬部外品のイハダだけです。ミノンとベビーワセリンは化粧品なので、公式もうるおいと保護の話までしか書いていません。そしてパッケージに出てくる「敏感肌」という言葉は、この区分とは無関係な、各社の表示です。
医薬部外品のほうが上、という話ではない
有効成分が入っているぶん狙いが定まっている、というだけです。落ち着いた肌に毎日使うなら化粧品で足りるし、点数を減らして原因を切り分けたいならワセリンがいちばん速い。上下ではなく、今日どれを当てるかの話として読んでください。
僕のように皮脂が多い人は、そもそも「もっとしっとり」タイプが重く感じることもあります。テカる肌側から状態別に化粧水を選び分ける話は脂性肌のメンズ化粧水の記事にまとめました。あちらは皮脂量が主題で、この記事は表示の読み方が主題です。
「敏感肌用」という表示が意味していること

化粧品が言っていいことは、56項目に決まっている
化粧品は、効能・効果として書ける表現の範囲が国の通知で決まっています。平成23年7月21日の薬食発0721第1号「化粧品の効能の範囲の改正について」で、それまでの55項目に「乾燥による小ジワを目立たなくする。」が加わり、現在の56項目になりました。
中身は「肌荒れを防ぐ。」「皮膚をすこやかに保つ。」「皮膚にうるおいを与える。」といった表現の列です。そしてこの56項目のどこにも、「敏感肌」「低刺激」という語はありません。効能として認められた言葉ではない、ということ。
では何かというと、各社が自社の試験にもとづいて書いている表示
実際に公式を読むと、どちらの社もきちんと書き分けています。イハダの公式には「敏感肌の方でも毎日使える低刺激設計」「弱酸性」とあり、あわせて「アレルギーテスト済み、ニキビのもとになりにくい処方」の表示。そのすぐ横に注記が添えてあります。「全ての方にアレルギーが起きない、ニキビができないわけではありません。」
ミノン側のテスト表示は、ブランドサイトの品質についてのページ。「ニキビのもとになりにくい処方(ノンコメドジェニックテスト済み)」「アレルギーテスト済み」「パッチテスト済み」「スティンギングテスト済み」「敏感肌による連用テスト済み」の5つ。注記は1つではなく2つで、「※すべての方にアレルギーや皮膚刺激が起こらないというわけではありません」と「*すべての方にニキビができないというわけではありません」が別々に置かれています。
テストを通ったという事実と、あなたに合うという保証は別物です。しかもそれを、メーカー自身が自分の言葉で書いている。読み飛ばしているのは僕たちのほうでしょう。
これはメーカーを責める話ではない
誤解のないように補足します。「効能ではない」は「表示が嘘」という意味ではありません。各社は実際に試験をして、その結果を書いている。注記まで添えて限界を明示しているぶん、むしろ正直な部類です。
問題は受け取り方のほうにあります。「敏感肌用と書いてある=自分に合う」という読み替えを、こちらが勝手にやっている。ここを直すだけで、買い物の外れはかなり減りました。
体質と決める前に疑う2つ|髭剃りと、洗いすぎ
男性の場合、一年中どんな物でもしみるという人より、ときどき荒れる人のほうが目につきます。僕もそちら側。ここは統計の話ではなく、まず疑う順番として読んでください。
髭剃りは、刃で皮膚の表面を削っている
毎朝の髭剃りは、刃を肌に当てて往復させる行為です。荒れている場所が頬の下・顎・首すじに集中しているなら、体質より先に刃と回数を疑うほうが早い。
見るのは3つ。刃の交換頻度/逆剃りをしていないか/乾いた肌に当てていないか。僕は替刃を2週間以上使い回していた時期に、顎のラインだけ荒れていました。毎週替えるようにしたら止まった。化粧水を買い替える前に、ここを潰すほうが安上がりです。
口の周りだけ荒れる場合は、髭剃りに加えて食べ物や飲み物の付着も絡みます。部位で切り分ける話は口周りの肌荒れの記事にまとめました。
洗いすぎは、皮脂が多い人ほどやる
朝晩しっかり洗って、昼はあぶらとり紙、テカったらまた洗う。僕が長年やっていた失敗です。僕の場合、洗った直後ほど化粧水がしみやすいという実感がありました。
洗顔を1日2回までに戻して、2週間見る。それでヒリつきが減るなら、体質ではなく手順の問題だった、という話。洗顔料そのものを見直したいときはラロッシュポゼの洗顔を使った記事が参考になります。
季節と場所で変わるなら、通年で固定しなくていい
冬だけ荒れる。暖房の効いた部屋に一日いた日だけしみる。こういう「ときどき敏感」なら、一年中同じ物を使い続けるより、荒れる時期だけ段階を上げるほうが理にかなっています。夏は普通の化粧水、冬だけ医薬部外品、という組み方でいい。
逆に、季節も場所も関係なく毎日しみるなら、それは自己判断の範囲を超えています。皮膚科で見てもらったほうが、結果的に早く終わるでしょう。
外さないための手順と、このやり方で届かない範囲
腕の内側で試してから、顔に使う
これは公式の記載ではなく、僕が新しい物を顔に使う前に毎回やっている手順です。腕の内側の皮ふの弱い部分に試して、赤みやかゆみが起きないことを確認してから顔に使う。日数や判定の基準を自分で足さないこと。おかしいと感じたらその時点で中止して、薬剤師か医師に相談してください。
「敏感肌用」と書いてある物でも、この手順は飛ばさない。両社とも注記で、全員に起こらないわけではないと明記しています。表示を信じないという意味ではなく、表示の書いてあるとおりに扱うということ。
同時に増やすのは1品まで
いちばん多い失敗がこれです。荒れたときに焦って、化粧水も乳液も美容液もまとめて替える。その結果、何が原因だったのか永久に分からなくなります。僕も同じことを何度かやりました。
1品替えたら2週間置く。合わなかった物は、すねや腕に回せば無駄になりません。保湿の次に美容液まで足すかどうかを考える段階なら、敏感肌の美容液の記事のほうが具体的です。
この記事のやり方で解決しないこと
ここからは限界の話。この記事に書いたのは買い物の外れを減らすための物差しであって、症状を治す方法ではありません。届かない範囲がはっきりあります。
この物差しでは届かないもの
- 毎日しみる/赤みが数週間引かない … 段階の話ではないので受診
- 特定の成分にアレルギーがある … テスト表示では分からない。医療機関での検査へ
- 髭剃り負けが主因 … 化粧水を替えても止まらない。刃と手順から直す
- 診断が付いている … 医師の指示が優先。市販品で上書きしない
もう1つ正直なところを書くと、「段階で分ける」という考え方そのものが自己判断です。皮膚科で診断が付いている人は、そちらの指示が先。この記事は、診断が付くほどではないけれど毎回買い物で外している人のための整理だと思ってください。
まとめ
敏感肌の化粧品は、今日の肌がどの段階にいるかで選べます。荒れを防ぎたいならイハダ 薬用うるおいローション とてもしっとり、落ち着いていて乾くだけならミノン アミノモイスト モイストチャージ ローションII、塗る物の点数を減らしたいなら健栄製薬 ベビーワセリン 100g。3つとも、腕の内側で試してから顔に使ってください。
段階で選ぶ理由は、「敏感肌用」が薬機法上の効能ではないからです。国が定めた化粧品の効能56項目に、その言葉は入っていません。各社が自社の基準で試験して書いている表示なので、棚の文字だけを頼りに買い替えると、また外れます。同時に増やすのは1品まで。髭剃りと洗いすぎという、化粧品より前に効く2つも忘れないでください。
ただし、しみる・赤い・はれている状態は買い物の段階ではありません。成分が白色ワセリンだけのベビーワセリンでさえ、公式の使用上の注意に「傷やはれもの、しっしん等、異常のある部位にはお使いにならないでください。」と書かれている。そこは店ではなく皮膚科です。肌の状態別に何から手を付けるかの全体像はメンズスキンケアの完全ガイドに整理しました。
まだ何もそろっていない状態から始めるなら、敏感肌のスキンケアの最小構成で最小構成を組めます。
※本記事はプロモーションを含みます

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