結論から書きます。レチノールは毛穴に使えます。ただし効かせられる毛穴は決まっていて、ハリが落ちて縦に伸びた「たるみ毛穴」と、その手前の開いて見える毛穴です。ここに当てるなら、いま市販で選べる成分のなかでレチノールがいちばん近い手になります。
理由は単純で、たるみ毛穴は毛穴そのものの問題ではなく、まわりの皮膚のハリが落ちて出口が引き伸ばされている状態だからです。同じ理由で出るのがシワなので、シワに向けて作られた成分がそのまま使えます。日本で「シワを改善します」と書けるのは、医薬部外品の有効成分として認可された純粋レチノールだけ。ここが選び方の軸になります。
逆に、鼻の角栓や黒ずみは出口が詰まっている話なので、レチノールでは減りません。まず自分の毛穴がどちらなのかを30秒で切り分けて、そのうえで塗れる範囲に合う1本を選ぶ。その順番で書きます。
先に決める2つ
- どの毛穴か … 引き上げて消えるならたるみ毛穴。レチノールの担当
- どこに塗るか … 頬まで塗るなら全顔用。目もと口もとだけなら部分用
- 詰まりが本体なら … 落とす側の記事へ。塗る前に出口を空ける
この記事を書いた人
30代前半メンズ、都内在住。大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業と、現在3社目です。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものを発信しています。
洗顔して1時間でテカる極度の脂性肌です。学生時代から肌荒れと戦い続けていて、脂性肌向けとうたわれる化粧水はドラッグストアの棚にあるものからデパコスまで、ほぼ全部試してきました。アゼライン酸・レチノール・ビタミンC・ナイアシンアミドといった成分ものも、セラミド系の敏感肌向けも同様です。
スキンケアだけでは足りず、イソトレチノインや、アドバテックスレーザー・ポテンツァ・アビクリアといった美容医療にも一通り手を出しています。そのうえで「結局これは要る/要らない」を自分の肌で判断してきました。
レチノールが届くのは、ハリが落ちて伸びた毛穴
30秒でできる、引き上げテスト
鏡の前で、頬の皮膚を指で軽く斜め上に引き上げてみてください。引き上げたときに毛穴が消える、または細くなるなら、たるみ毛穴です。皮膚を引っぱると出口の引き伸ばしが戻るからで、これは指で確認できます。
引き上げても丸いまま残るなら、開き毛穴。皮脂の出口そのものが大きく見えている状態です。引き上げても黒い点が残るなら、それは毛穴の形ではなく中身なので、角栓のほうを先に片づける番になります。
僕は脂性肌で、鼻は角栓、頬は縦に伸びる、というふうに場所で違いました。1枚の顔でも部位ごとに答えが変わるので、鼻と頬は別々に見てください。
たるみ毛穴は縦に伸びる
たるみ毛穴の見た目の特徴は、丸ではなくしずく型に縦へ伸びていること。頬の中央から外側にかけて出やすく、隣どうしがつながって線のように見えることもあります。笑ったときや、下を向いたときに目立つのもこのタイプです。
ここに効かせたいのは、出口を洗うことではなく、まわりの皮膚を立て直すほう。レチノールが担当するのはこちらです。
角栓と黒ずみが本体なら、先に出口を空ける
鼻を触るとザラつく、押すと白いものが出る。この状態は詰まりなので、上からレチノールを重ねても手応えは出ません。落とす側の手順は鼻の黒ずみとクレンジングに、剥がすタイプの使い分けは毛穴パックの選び方にまとめています。
詰まりが取れたあとで、まだ開いて見えるなら戻ってきてください。順番を逆にすると、どちらの手も効きが分かりません。

同じ「レチノール」でも、名乗れる範囲は3つに分かれる
売り場でいちばん迷うのがここです。パッケージの「レチノール」は、法律上の位置づけが3つに分かれていて、それぞれ書けることが違います。
純粋レチノール(医薬部外品)は「シワを改善します」と書ける
資生堂グループのニュースリリースには、「純粋レチノール」は、日本で唯一医薬部外品のシワ改善有効成分として認可されているとあります。医薬部外品の有効成分として承認されているので、効能として「シワを改善します」と表示できる。たるみ毛穴を狙うなら、ここがいちばん強い札です。
ピュアレチノール(化粧品)は、保湿成分としての配合
プチプラの「ピュアレチノール配合」は、多くが化粧品としての配合です。たとえばなめらか本舗の公式サイトは、ピュアレチノールに「※1 保湿成分」と注記しています。同じ言葉でも、こちらはシワ改善の有効成分としてではなく保湿成分として入っている、という意味。
では意味がないのかというと、そうではありません。化粧品でも効能評価試験を通せば「乾燥による小じわを目立たなくする」と書けます。なめらか本舗の公式にも「※3 効能評価試験済み」の注記があり、その範囲で表示されています。
レチノール誘導体は、また別の名前で書かれる
パルミチン酸レチノール、レチノイン酸トコフェリルなどが誘導体です。なめらか本舗の公式は、こちらにも「※5 パルミチン酸レチノール(保湿成分)」と注記を付けています。誘導体は肌の上で変換されてから働くぶん、刺激が出にくいかわりに手応えも穏やかというのが一般的な整理です。
化粧品の効能56項目に「毛穴」という語はない
大事な前提を1つ。化粧品が表示できる効能の一覧に、「毛穴を小さくする」といった項目はありません。だから、どのメーカーも毛穴を効能としては書けない。「毛穴に効く」と大書された商品説明を見たら、それは効能ではなくイメージの言葉だと思っておいてください。
この記事も同じで、毛穴が消えるとは書けません。書けるのは、たるみ毛穴とシワが同じハリの問題であること、そのシワに対して名乗れる成分があること。そこまでです。
| 表記 | 法律上の位置づけ | 書けること |
|---|---|---|
| 純粋レチノール医薬部外品の有効成分 | 承認された有効成分 | 「シワを改善します」と効能で書ける |
| ピュアレチノール化粧品の配合成分 | 保湿成分としての配合 | 効能評価試験を通せば「乾燥による小じわを目立たなくする」 |
| レチノール誘導体パルミチン酸レチノールなど | 保湿成分としての配合 | 同上。肌の上で変換されてから働く |
毛穴に使うなら、塗れる範囲で選ぶ
部分用は、頬のたるみ毛穴には足りない
見落とされがちなのがこれです。純粋レチノールのクリームは目もと・口もと用の部分用として設計されているものが多く、公式の使い方も「目や口のまわりなど、シワが気になる部分」にパール1粒ぶん、と書かれています。
ところがたるみ毛穴が出るのは頬。部分用を頬全体に伸ばすと量が足りず、22gが1か月で消えます。頬まで塗りたいなら、全顔用として作られたものを選んでください。強い1本を薄く伸ばすより、塗れる1本を毎晩続けるほうが結果が出ます。
夜だけ、少量から
レチノールは光と酸素に弱いので、基本は夜。量は最初から規定量を使わず、2〜3日に1回から始めて、肌が落ち着いていれば毎晩に上げます。
もう1つ、資生堂は朝に使う場合の注意を明記しています。「朝お使いになる場合は、レチノールの効果を守るために、ご使用後に紫外線カット効果のある化粧品をお使いください」。日中の1本は、買うと決めた時点で一緒に決めておくのが確実です。あとから探すと、たいてい塗らない日ができます。

毛穴に使うならこの3本
1本目は頬まで塗れる全顔用、2本目は目もと口もとの深いところに当てる部分用、3本目はレチノールを使っている期間の日中を守る側。役割が違うので、まず1本目だけでも始められます。
頬まで塗れる1本:なめらか本舗 リンクルジェルクリーム N 100g
常盤薬品工業のサナ なめらか本舗から出ている化粧品で、公式の使い方が「洗顔後、手に適量をとり、お顔全体になじませてください」。頬まで塗ることを前提に作られた1本です。たるみ毛穴が出るのは頬なので、この記事の目的にはここがいちばん合います。
公式の説明は「これまで配合していたレチノール誘導体※5に加えピュアレチノールを配合」。※5はパルミチン酸レチノール(保湿成分)、ピュアレチノールにも※1 保湿成分の注記が付いています。あわせて、なめらか本舗オリジナルのイソフラボン含有の豆乳発酵液が入っている構成です。
掲げられている効能は「乾燥による小じわを目立たなくします」で、※3 効能評価試験済みの注記付き。シワを改善する、とは書かれていません。そこは正確に受け取っておいてください。
価格は100gで1,650円(税込)。つめかえ用が同じ100gで1,210円(税込)です。化粧水・美容液・乳液・クリーム・パック効果の5役をうたうオールインワンなので、いま何も使っていない人でもこれ1つから始められます。公式は朝夜どちらもすすめていますが、レチノールを入れるなら僕は夜からにしています。
なめらか本舗 リンクルジェルクリーム N 100g
参考価格 1,650円前後
常盤薬品工業の化粧品。ピュアレチノールとレチノール誘導体を配合したオールインワン。顔全体に塗れる。
深いところに1本:エリクシール シュペリエル レチノパワー リンクルクリーム ba L 22g
資生堂の医薬部外品で、2025年9月21日発売。有効成分はレチノールとトラネキサム酸の2つ、公式が掲げる効能は「シワを改善します」。商品ページの説明は「シワ改善有効成分『純粋レチノール』が深く効いて狙い撃ち、シワを改善」です。
前に書いたとおり、資生堂グループのリリースには「『純粋レチノール』は、日本で唯一医薬部外品のシワ改善有効成分として認可されている」とあります。同じリリースの説明が「肌みずからがヒアルロン酸を生み出し、水分量を増やすことで柔軟な肌へ導き、真皮のコラーゲン密度を高め、シワを改善」。いずれも資生堂が自社のこの製品について書いた文で、レチノール全般に当てはめられる説明ではありません。
使い方は公式のとおり、「目や口のまわりなど、シワが気になる部分」にパール1粒ぶん。顔全体に塗る設計ではないので、頬を広く担当させたいなら1本目と組み合わせてください。
価格は22gで8,000円(税抜)、同じ22gのつけかえ用が7,700円、15gのSサイズが6,000円。数字はいずれも資生堂グループのニュースリリースの記載で、商品ページに価格は載っていません。部分用でパール1粒なので、22gでもかなり長く持ちます。
買う前に読んでおいてほしい注意が1つ。資生堂は「これまでレチノール類を含む商品でトラブルがあったかたや、皮ふトラブルを起こしやすいかたは、ご使用をお控えください」と書いています。メーカー自身が名指しで控えるよう書いている層がある。敏感肌の自覚があるなら、ここで一度止まってください。
エリクシール シュペリエル レチノパワー リンクルクリーム ba L 22g
参考価格 8,800円前後
資生堂の医薬部外品。有効成分レチノールとトラネキサム酸。目もと・口もと用の部分用クリーム。
日中を守る1本:キュレル 潤浸保湿 UVエッセンス 50g
花王キュレルの医薬部外品で、有効成分はグリチルリチン酸ジカリウム。公式の説明は「紫外線・乾燥から肌を守り、消炎剤配合で肌荒れを防ぐ。夕方までうるおい続くUV。」で、SPF30・PA++です。
セットに入る根拠は、資生堂側の注意書きにあります。「レチノールの効果を守るために、ご使用後に紫外線カット効果のある化粧品をお使いください」と公式が明記しているから。レチノールを使う期間に日焼け止めを省くのは、ブレーキを踏みながらアクセルを踏むようなものです。
紫外線防御は微粒子酸化Tiで、紫外線吸収剤は無配合。無添加表記は「ノンケミカルUV(紫外線吸収剤無配合)、無香料、無着色、アルコールフリー(エチルアルコール無添加)」です。レチノールで肌が敏感に傾いている時期に、しみる要素をあらかじめ減らしておけます。
飛ばされがちな使い方まで引きます。「適量を手にとり、顔やからだにムラなくやさしくなじませます。」に続けて、「数回に分けて少量ずつなじませてください。使用量が少ないと、充分な紫外線防止効果が得られません。」「日やけ止め効果を保つために、汗をふいた後などはつけ直してください。」。顔の目安は「直径約1cm」です。
落とすときは「普段お使いの洗浄料でよく洗ってください」とあるので、専用のクレンジングは不要。50gで、花王公式通販は価格をページに出していません。
3本の役割を並べる
区分も、名乗れる効能も、塗る範囲も違います。どれが優れているかではなく、いま自分が塗りたい場所で選んでください。
| 製品と区分 | 公式の効能と役割 | 容量/価格 |
|---|---|---|
| なめらか本舗 リンクルジェルクリーム N化粧品(常盤薬品工業) | ピュアレチノールとレチノール誘導体を配合。「乾燥による小じわを目立たなくします」(効能評価試験済み)。顔全体に塗る | 100g/1,650円(税込) |
| エリクシール レチノパワー リンクルクリーム ba医薬部外品(資生堂) | 有効成分はレチノールとトラネキサム酸。「シワを改善します」。目もと・口もとなど部分用 | L 22g/8,000円(税抜) |
| キュレル 潤浸保湿 UVエッセンス医薬部外品(花王) | 有効成分はグリチルリチン酸ジカリウム。SPF30・PA++。レチノールを使う期間の日中 | 50g/店頭価格 |
始め方としては、頬のたるみ毛穴が主役なら1本目から。目もとの深いシワが先に気になるなら2本目から。どちらから始めても、3本目は同時に用意します。
使い始めの1か月で起きること
皮むけとヒリつきは、続ける前提の話ではない
レチノールを始めた人がよく口にするのが、乾きと皮むけです。ここで大事なのは、どこまでが想定内で、どこからが中止の合図かをあらかじめ決めておくこと。
資生堂は自社製品について「これまでレチノール類を含む商品でトラブルがあったかたや、皮ふトラブルを起こしやすいかたは、ご使用をお控えください」と書いています。赤みが引かない、しみる、ヒリつきが翌日まで残る。この3つが出たら止める。好転反応という言葉で塗り続ける理由にしないでください。
僕自身は、乾いた時期に油分の多いクリームを厚く重ねて、昼に派手にテカらせた失敗があります。乾いているのに油を足すのがいちばん遠回りでした。テカる肌なら、足すのは水分の側からです。
同じ晩に重ねないもの
スクラブや酵素洗顔のような角質を落とす手入れと、レチノールを同じ晩に重ねるのはやめておいたほうがいい。落としてから塗ると、入り方が変わって刺激が出やすくなります。曜日で分けるのが簡単です。
角質ケアそのものを否定しているわけではありません。鼻の詰まりには必要な手なので、酵素洗顔の使いどころのほうで別の晩に組んでください。
レチノールで動かなかったとき
市販のレチノールと、医療のトレチノインは別物
よく混同されますが、市販の化粧品・医薬部外品に入るレチノールと、皮膚科で扱うトレチノインは別の物質で、強さも管理のしかたも違います。市販品を何本重ねてもトレチノインにはなりません。
半年やって手応えがない、あるいは凹凸として残っているなら、市販の範囲を超えています。受けた施術の体感はハイドラフェイシャルの記録とケミカルピーリングの記録に書きました。
開き毛穴が皮脂由来だったとき
引き上げても丸いままの開き毛穴は、ハリではなく皮脂の量が主役のことがあります。この場合はレチノールより、洗い方と皮脂の出方を変えるほうが早い。手順はすり鉢毛穴の対処と毛穴の開きの原因に分けて書いています。
毛穴のタイプ別の入口
- 鼻の黒ずみとクレンジング角栓が本体のとき。落とす側と作らせない側
- すり鉢毛穴の対処皮脂と酸化が主役のとき
- たるみ毛穴の美容液ハリから攻める別の選択肢
- メンズスキンケアの完全ガイド肌の状態から順番に組み直す
まとめ
レチノールが手応えを出せるのは、引き上げて消えるたるみ毛穴と、ハリが落ちて開いて見える毛穴。まわりの皮膚が伸びて出口が引き伸ばされている状態なので、シワに向けて作られた成分がそのまま当たります。
選ぶときの軸は2つ。塗る範囲と、その製品が名乗れる効能です。頬まで塗るなら全顔用のなめらか本舗 リンクルジェルクリーム N、目もと口もとの深いところには医薬部外品のエリクシール レチノパワー リンクルクリーム ba。そして資生堂が公式に書いているとおり、レチノールを使う期間はキュレルのUVエッセンスで日中を守ります。
鼻を触ってザラつくなら、その日はレチノールの出番ではありません。詰まりを空けてから戻ってきてください。赤みやヒリつきが翌日まで残ったら中止。半年やって凹凸が動かないなら、市販の範囲を超えています。まずは引き上げテストを1回、鏡の前でやってみてください。
※本記事はプロモーションを含みます

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