インダストリアルなインテリアの写真は、どれも似た顔をしている。黒いスチールのフレーム、無骨な木の天板、剥き出しの配管。眺めている分にはかっこいい。ただ、あの一枚をそのまま自分の部屋に移すと、たいていは倉庫になる。僕は一度それをやって、半年かけて元に戻した。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
木を面で残して、鉄は線だけ足す。これで倉庫にはならない
先に答えを書く。うまくいっている部屋は、例外なく木の面積のほうが多い。木は面で入れて視界の大半を占めさせ、鉄は線で入れて脚や支柱だけに残す。この配分さえ守れば、置く家具が三点しかなくてもインダストリアルの空気は出る。
逆をやると一瞬で崩れる。鉄を面で入れて、木を線に落とす。つまり黒い板や黒い箱が壁の側に増えて、木は天板の縁くらいにしか残らない状態だ。ここまで来ると、同じジャンルの家具を使っていても業務用の保管庫にしか見えなくなる。
僕の失敗はまさにそれだった。黒いスチールラックを二本並べ、机の天板も黒にした。賃貸だから壁も床も動かせないのに、動かせるものを全部黒くしたわけで、部屋の中の硬い面だけが増えていく。夜に照明を落とすと、なおさら物置に近づいた。かっこよさを足したつもりが、生活の側を削っていたことになる。
だから今は逆から組み立てている。まず木の面をどこに置くかを決めて、そのあとで鉄をどこまで足せるかを考える。この順番だと、鉄は必ず「木の面に対して何本足すか」という数え方になるので、面で入れる事故が起きない。
以下、その順番のまま三点に絞って書く。細い鉄脚を一つだけ入れる段階、鉄が勝ちそうになる境目、そして木を勝たせて鉄を構造に残す段階だ。
ちなみに賃貸だと、壁や床は最初から与えられた条件になる。白い壁、明るめのフローリング、既製のカーテンレール。ここを変えられないことを不利だと思っていたけれど、実際は逆だった。壁と床が明るい木寄りの色なら、木の面はすでに部屋の側が用意してくれている。あとは鉄を線で足すだけで済むので、むしろ配分は作りやすい。
問題になるのは、その与えられた明るさを自分で潰しにいく場合だ。黒い家具を面で足すと、部屋の明るい面が減っていく。減った明るさを照明で取り返そうとして電球を増やす、という遠回りをやったこともある。最初から面を潰さなければ、その工程は要らない。

鉄は面ではなく線で入れる
最初に足すのは、脚だけが鉄のもの
インダストリアルに寄せたいと思ったとき、最初に買うべきは大きな家具ではない。部屋の中で一番小さい家具、つまりサイドテーブルやスツールの類を、脚だけ鉄のものに替える。これだけで素材の対比は出る。
理由は単純で、細い鉄は視界の中で線としてしか働かないからだ。線は面と違って背景を塗り替えない。木の床やベッドの木目はそのまま残り、そこに黒い直線が数本だけ乗る。この状態が、いわゆる「インダストリアルっぽい部屋」の最小構成になる。
しかも小さい家具なら、相性が悪かったときの撤退が簡単だ。僕が黒いラックで失敗したのは、いきなり大きいものを買ったせいでもある。大きいものは失敗しても捨てにくく、捨てにくいから見慣れてしまい、見慣れると違和感の正体が分からなくなる。
その意味で、丸い天板と細い鉄脚のネストテーブルは入り口として扱いやすい。VASAGLEのNLET040は大小二つで一組になっていて、大が直径50cm、小が直径40cm。重ねれば一つ分の面積で済み、離せばソファの脇とベッドの脇に一つずつ置ける。相性を見る段階で二か所試せるのは、それだけで判断が早くなる。
VASAGLE ネストテーブル 2個セット(大 直径50cm/小 直径40cm)NLET040
参考価格 7,889円前後
1万円以内で、まず鉄脚を1つだけ入れて相性を見たい人。2個セットなので離しても重ねても使える
このテーブルの弱点もはっきりしている。天板はパーティクルボードで、表面の木目はプリントだ。本物の木の面が欲しい人には物足りない。天板耐荷重は20kgなので、本を積んだり家電を載せたりする棚の代わりにはならない。飲み物とスマホと本を一冊、くらいの使い方で考えるのが正しい。
もう一つ、色が三色から選ぶ形になっている点は注意しておきたい。型番はNLET040B01のように色ごとに枝番が変わるので、NLET040だけで探すと違う木目の濃さのものが届く。床や既存の家具に合わせたい人ほど、色名まで指定して選んでほしい。
鉄が勝つと倉庫になる
スチール棚は部屋に一本まで
ここが分かれ道になる。オープンなスチール棚は、インダストリアルの記号としては最強に近い。置いた瞬間に部屋の雰囲気が変わる。変わりすぎる、と言ってもいい。
スチール棚は線の集合体に見えて、実際には面として働く。支柱と棚板が格子を作り、そこに物が詰まることで壁一面ぶんの模様になるからだ。二本並べれば壁は完全にそちら側の顔になり、木の面は残っていても背景に沈む。僕が二本置いて失敗したのは、この「面としての強さ」を数え損ねたせいだった。
だから僕のルールは一本までにしてある。一本なら、残りの壁面をベッドやカーテンや木の家具で埋められるので、鉄は少数派のままでいられる。見せる収納として使いたい物、たとえばレコードや工具箱や観葉植物の鉢を、その一本に集約する。
山善のウッドシェルフ5段は、その「一本」に据えやすい。幅85.5×奥行41.5×高さ161cmで、棚板の位置を後から動かせるので、置く物が変わっても組み替えて使い続けられる。買った時点の中身に合わせて棚を固定しなくていいのは、長く置くものとしてありがたい。
山善 ウッドシェルフ 5段 幅85.5cm MWS-16845
参考価格 12,999円前後
1万円台で見せる収納を1本立てたい人。棚位置を後から動かせるので、中身が変わっても使い続けられる
ただし、この棚には先に知っておくべきことがいくつかある。棚板は木ではなく合成樹脂化粧繊維板で、近くで見れば木目はプリントだと分かる。販売ページ自身が「簡単設置構造のため、横揺れします」と書いており、揺れを抑えるコの字補強バーは別売だ。重量は26kgあり、販売ページに載っている組立の目安は30〜40分。ただし床に広げてから立ち上げる工程があるので、26kgを一人で起こすつもりなら、誰かに手を借りられる日を選んだほうが安全だ。
幅が選択式になっている点も見落としやすい。幅85.5cmと幅65cmが並んでいて、幅65cm版は22kgと重量も違う。品番はそれぞれMWS-16845とMWS-16645で別物なので、幅を確かめずに注文すると想定より小さい棚が届く。ページ番号のQW852を型番のつもりで検索窓に入れると、まったく無関係な商品が並ぶだけなので、幅と段数で絞ったほうが早い。
木を勝たせて、鉄は構造に残す
面積の大きい家具ほど木にする
三点目は、部屋で一番面積を取る家具だ。ワンルームなら机、リビングならテーブル。ここを木にできるかどうかで、部屋が住まいの側に残るか、作業場の側に倒れるかが決まる。
考え方は最初と同じで、木を面に、鉄を線に置く。天板は木で広く取り、脚だけを細い鉄にする。この形なら、視界の中心にあるのは木の色と木目で、鉄はそれを支える構造として下に沈む。インダストリアルの骨格は残るのに、部屋は暖かいままだ。
anthemのデスクANT-2459は、その形をそのままやっている。幅1000×奥行450×高さ720mmで、天板の木目は色によって樹種が変わる。ブラウン(ANT-2459BR)はアメリカンウォールナット材、ナチュラル(ANT-2459NA)はオーク材だ。引出しは2杯付いていて、脚にはアジャスターが付く。重量は約15.7kgなので、模様替えのたびに男一人で動かせる範囲に収まっている。
奥行450mmという寸法は、部屋の主役に据えるにはむしろ都合がいい。壁付けにしたときの出っ張りが小さく、通路が潰れない。木の面積は増やしたいが部屋は狭くしたくない、という賃貸の事情に噛み合う。
anthem(アンセム)デスク ANT-2459 幅100cm
参考価格 32,000円前後
3万円台まで出せて、木の面積を増やしながら鉄を脚だけに残したい人。長く使う上位
こちらも、良いところだけではない。天板は天然木化粧繊維板、いわゆる突板で、無垢材ではない。色はナチュラルとブラウンの二色から選ぶ形だが、選んでいるのは色というより樹種だ。床より濃い木目で塊を作りたいならブラウン、床の明るさに続けたいならナチュラルになる。色によっては在庫が薄い店もある。
そして一番効いてくるのが耐荷重だ。天板の耐荷重は10kg、引出しは2kgとされている。幅100cmの机にモニターとノートPCと本を数冊置けば、10kgは現実的に超える。長く使う一台として選ぶなら、載せる物の重さを先に足し算しておいたほうがいい。重い機材を常設したい人は、この一台ではなく別の候補を探す判断になる。
最後にもう一点。同じ品番でも店によって実売の差がかなり大きい。ひとつの店だけ見て決めると、同じ物を一万円以上高く買うことになりかねないので、注文の前に複数の店を横に並べて比べてほしい。

三点をどう置き分けるか
三点の役割は重なっていない。並べて見ると、どこに鉄が出て、どこに木が残るかがはっきりする。
| 置くもの | 鉄の見え方 | 木の見え方 |
|---|---|---|
| ネストテーブル | 細い脚だけが線で出る | 天板は木目のプリント |
| ウッドシェルフ | 支柱とフレーム全体が格子で出る | 棚板は木目のプリント |
| デスク | 脚だけが線で出る | 天板は突板(BRはウォールナット・NAはオーク) |
組立の重さも役割と一緒に見ておきたい。棚は箱が重く、床に広げてから立ち上げる工程で人手が要る。机は一人でも扱える重量に収まっていて、テーブルは説明書付きの組立品として届く。休みの日に三点まとめて開梱すると、確実に棚のところで時間が溶ける。日を分けるか、棚だけ誰かに手伝ってもらうかを先に決めておくと楽だ。
置く順番は、この表の上から下がそのまま使える。まずネストテーブルで鉄の線を一本入れて、部屋が締まるかどうかを見る。締まると感じたらウッドシェルフを一本だけ足して、鉄の量を確定させる。最後に机を木で広く取り、木の面積を鉄より上に戻す。
順番を逆にして机から入ると、天板の色に合わせて残り二点を選ぶことになるので、選択肢が急に狭くなる。小さいものから足す形にしておくと、途中で方向を変えられる。
置く前に測っておく三つ
- 壁面の幅(棚を一本入れても通路が残るか)
- 天板に載せる物の重さ(合計が耐荷重の内側に収まるか)
- 床から窓の下端までの高さ(棚が窓を潰さないか)
木目の濃さは、床に合わせるか外すかの二択
三点を選ぶときに一番迷ったのが、木目の色だった。床の色に合わせるべきか、あえて外すべきか。結論から言えばどちらでも成立するが、中途半端に近い色を選ぶと失敗する。
床と揃えると、木の面が床から家具まで連続して見えるので、部屋が広く感じられる。鉄の線はその連続した木の上に乗るかたちになり、対比がきれいに出る。無難だが確実な選び方で、初めて組む人にはこちらを勧めたい。
外す場合は、床より明確に濃い色を選ぶ。濃い木は鉄の黒と近い明度になるので、家具そのものが一つの塊として見え、床から浮き上がる。これはこれでかっこいいけれど、部屋の中で塊が増えるほど狭く見えるので、置く数は絞ったほうがいい。
やってはいけないのが、床より少しだけ違う色を選ぶこと。狙って外したのか合わせ損ねたのかが読み取れず、単に色が揃っていない部屋になる。ネストテーブルのように色が選択式の商品では、この判断を注文画面でやることになるので、床の写真をスマホに一枚入れてから開いたほうが早い。
木目がプリントかどうかは、触る距離で決める
今回の三点のうち、天板が本物の木の層になっているのは机だけで、テーブルと棚の木目はプリントだ。ここを気にするかどうかは、その家具に手が触れるかで分けるといい。
手や腕が長時間乗る面、つまり机の天板は、木の質感が直接効いてくる。逆に、棚板のように物を置くだけで自分は触れない面は、遠目の色さえ合っていれば気にならない。予算をどこに寄せるかで迷ったら、触る面を優先する。この配分にしてから、僕は買い物の失敗が減った。
やりすぎのサインは、木が見えなくなったとき
部屋を組んでいる途中で迷ったら、立った姿勢で部屋を一周見渡してほしい。視界に入る面のうち、木の色がどれくらい残っているか。ここが半分を切っていたら、鉄を足す手はいったん止めたほうがいい。
黒を足したくなる気持ちは分かる。黒はどんな物とも喧嘩しないので、迷ったときの安全牌に見える。ただ、黒い面が増えるほど部屋は光を返さなくなり、同じ照明でも暗く感じる。暗い部屋は落ち着いて見えるのではなく、単に用途の分からない部屋に見える。
配管風のパイプや有孔ボードを足したくなる段階も来る。これらは相性がいいぶん面積を食うので、入れるなら壁一面ではなく一部分に留める。壁の全部をそちらに振ると、残るのは倉庫の内側の景色だ。
逆に、木を足す側は失敗しにくい。木の小物を増やしても部屋は倉庫に寄らないし、鉄の線が数本残っていればインダストリアルの記号は消えない。足して迷ったら鉄、引いて迷ったら木、くらいの覚え方でちょうどいい。
家具を一気に揃えず、一点ずつ入れて様子を見る買い方については、部屋以外のものも含めて別記事に整理してある。
部屋づくりの続きに読むもの
- 1万円で印象が変わるものから並べた買ってよかったメンズアイテム大全家具以外も含めて、金額の低い順に効くものから並べた一覧です
- メンズガジェット完全ガイド机の上に載せる機材を選ぶ話。天板の耐荷重を考えるときの参考になります
三点そろったあとの部屋
僕の部屋は今、鉄の線が机の脚と棚の支柱に残っているだけで、あとは木と布でできている。写真で見たあの倉庫みたいな部屋とは違うけれど、素材の対比は毎日ちゃんと目に入る。
インダストリアルを名乗るのに、必要な鉄の量はそんなに多くない。むしろ少ないほうが、鉄の一本一本が効いて見える。まず小さい一点から入れて、部屋の中の木がどれくらい残っているかを数えながら足していけば、行き過ぎる前に手が止まる。
部屋づくりで、一緒に考えると早いもの
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※本記事はプロモーションを含みます

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