6,999円と53,328円。同じフィリップスの電気シェーバーで、ここまで開きがあるのに、何がその差に化けているのかは店頭の値札を眺めても見えてきません。
先に答えの骨格を置いておきます。フィリップスのシリーズを分けているのは、刃の枚数と毎分のカット回数、電池の種類と使用時間、そしてポップアップトリマーが付くかどうかでした。加えてもう一本、値段の話より先に確かめてほしい軸があります。替刃の品番です。本体が安くても、替刃を買い足し続けるなら数年後の合計は入れ替わることがあります。
今回並べるのは、2000系のS2883/00、5000系のS5889/10、7000系のS7886/10、OneBladeのQP2834/70、9000系のS9980/30という5機種です。ただしOneBladeだけは、ほかの4台と同じ土俵に上げても意味がありません。ヒゲを剃るためだけの機械ではなく、剃ることと長さを整えることを兼ねた別カテゴリーの道具だからです。
数字は公式の取扱説明書と製品ページで確認できたものだけを書きます。「上位機ほどよく剃れる」という言い方はしません。刃の枚数が増えると剃り心地がどう変わるかは、ヒゲの太さや生え方に左右される部分ですから、メーカーが公表している仕様を仕様のまま並べます。そこから何が読み取れるかを、一緒に見ていきましょう。
このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
5機種を仕様で並べると、段はどこで変わるか
シリーズの番号が上がるにつれて、変化が均等に進むわけではありません。2000系と5000系のあいだに、いちばん大きな段差があります。
| 機種と価格 | 刃の枚数と毎分カット回数 | 電池と使用時間 |
|---|---|---|
| 2000系 S2883/00(6,999円前後) | 27枚刃・毎分56,000回カット | ニッケル水素・約35分 |
| 5000系 S5889/10(19,998円前後) | 45枚刃・毎分90,000回カット | リチウムイオン・約60分 |
| 7000系 S7886/10(27,108円前後) | 45枚刃・毎分90,000回カット(3つの回転刃) | リチウムイオン・約60分 |
| 9000系 S9980/30(53,328円前後) | 72枚のデュアルスティールプレシジョン刃・毎分最大150,000回カット | リチウムイオン・約60分 |
| OneBlade QP2834/70(13,180円前後) | 360度可動ブレード・毎分12,000回カット | フル充電4時間で約60分 |
刃は27枚から45枚へ跳ね、毎分のカット回数は56,000回から90,000回へ上がります。電池もニッケル水素からリチウムイオンに替わり、1回の充電で使える時間が約35分から約60分へ伸びました。ポップアップトリマーが付くのも5000系からです。2000系だけが、ほかの4台と作りの前提が違うと考えたほうが、全体を把握しやすくなります。
一方で5000系と7000系は、刃の枚数も毎分のカット回数も同じ45枚・90,000回でした。ここは正直に書いておきたいところで、価格差の約7,100円を刃の枚数で説明することはできません。

2000系 S2883/00|6,999円の一台で、省かれているもの
入口の一台です。27枚刃で毎分56,000回カット、本体は163×63×58mmで質量は約144gあります。5機種の中でいちばん軽く、寸法もいちばん小さい数字でした。充電は約1時間、使用時間は約35分です。
電池はニッケル水素で、ほかの4台が積むリチウムイオンとは違います。使用時間が約35分にとどまる理由は、ここにあるはずです。ただ、毎日3分使うとしても10日以上は持つ計算なので、充電の頻度そのものを気にする人は多くないと思います。旅行に持っていくときに、残量の読みが少し甘くなるくらいの話でした。
省かれているものは、はっきりしています。ポップアップトリマーは付きません。もみあげや口ひげの縁を整えたい人は、別の道具を用意することになります。自動洗浄機であるクイッククリーンポッドも付属しません。
手入れについては公式の取扱説明書に記載があり、防水加工で浴室やシャワーでの使用ができ、水道水で洗浄できるとされています。ただし本体を水に浸けることと、コードをつないだままの使用は不可と明記されているので、そこは守ってください。保証は2年です。替刃の品番はSH30になります。
はじめて電動シェーバーを買う人が、回転式という構造が自分に合うかどうかを試す一台としては、価格の入口がここにあるのは助かります。
Philips Shaver 2000 Series S2883/00
参考価格 6,999円前後
はじめての電動シェーバーに向く入門モデル。回転式の基本機能に絞ったシンプル設計。
5000系 S5889/10|45枚刃とセンサーが入る、中位の一台
19,998円前後。刃は45枚に増え、毎分90,000回カットになります。本体は176×70×65mmで約205g、2000系より60gほど重くなりました。手に持った印象は、数字以上に変わるはずです。
この機種から入るのが、ヒゲの密度を毎秒250回感知してパワーを自動で調整する機構です。公式製品ページにそう説明されている機能で、剃る場所の状態に合わせて出力を変える設計になっています。密度の濃い部分と薄い部分で当て方を変えなくて済む、という考え方の機能でした。
ポップアップトリマーも内蔵されます。シェービングのあとに本体上部からトリマーを起こして、もみあげの下端や口ひげの縁を整えられます。この一台で済ませたい人にとって、2000系との実用上の差はここがいちばん大きい部分です。
注意したいのが付属品です。S5889/10という品番には、自動洗浄機のクイッククリーンポッドは付属しません。取扱説明書の付属品一覧に、そう明記されています。洗浄機まで欲しいなら付属する別品番を選ぶことになり、当然ながら価格は上がります。品番の末尾を見ないで注文すると、ここで食い違いが起きるのです。
替刃の品番はSH71でした。取扱説明書には2年ごとの交換を推奨と書かれています。5機種の中で、交換の目安が説明書ではっきり示されていたのは、この機種だけです。
Philips Shaver series 5000 S5889/10
参考価格 19,998円前後
ヒゲの密度をセンサーで感知し自動でパワーを調整する中位機。ポップアップトリマーを内蔵。
7000系 S7886/10|替刃は5000系と同じ、では差額は何か
27,108円前後。刃は45枚、毎分90,000回カットで、公式製品ページには3つの回転刃と記載されています。本体は180×65×67mmで約200gです。使用時間は約60分、充電は約1時間で、ここは5000系と変わりません。
替刃の品番もSH71で、5000系と共通です。長く使う人にとっては効いてくる情報で、替刃の入手経路をひとつ覚えておけば足ります。
そのうえで、刃の枚数もカット回数も替刃も同じなら、差額の約7,100円がどこに乗っているのかは気になります。今回確認できた公式資料の範囲では、刃の仕様以外の部分にあると読むほかありません。ここは踏み込んで断定せず、同じ数字が並んでいるという事実だけをお伝えしておきます。手に取れる店が近くにあるなら、握った感触を確かめてから決めるほうが納得できるはずです。
付属品はここでも確認が要ります。S7886/10にはクイッククリーンポッドも、鼻毛・耳毛トリマーも付属しません。鼻毛・耳毛トリマーが付くのは/51と/16の品番だけだと、説明書に書かれていました。7000系というシリーズ名だけで選ぶと、届いてから気づくことになります。
Philips Shaver series 7000 S7886/10
参考価格 27,108円前後
3つの回転刃とポップアップトリマーを標準搭載し、スマホアプリと連携できる上位モデル。
OneBlade QP2834/70|同じ棚に並べてはいけない一台
13,180円前後。5機種の中では2番目に安い価格ですが、これを「安い上位機」として選ぶと外します。用途がそもそも違うからです。
OneBladeは360度可動のブレードを持ち、毎分12,000回カットという数字です。ほかの4台と一桁違いますが、これは性能の優劣ではなく、設計の狙いの違いでした。5段階のアジャスタブルコームが付き、ヒゲの長さを段階で残せます。剃り落とすのではなく、長さを決めて整えるための機構です。
言い換えると、ヒゲを短く残したい人や、輪郭のエッジを自分で作りたい人のための道具です。逆に、朝に顔全体をさっと剃り上げたいだけの人が、最初に選ぶ一台ではありません。回転式の4台とは、そもそも解こうとしている問題が別だと考えてください。長さを残す道具の考え方は髭トリマーとシェーバーの違いにまとめてありますので、迷っているならそちらも合わせて読んでいただけると早いはずです。
替刃はQP420/80という品番で、「360 Replacement Blade」と呼ばれています。公式表記の交換目安は「最大4ヶ月」です。ボディ用に使うなら、QP610/80のボディキットが別に用意されています。防水と稼働時間については、お風呂での使用と水洗いに対応し、フル充電4時間で約60分の稼働という記載でした。
もうひとつ、買う前に知っておいてほしい点があります。この型番は北米向けの「Norelco」ブランド名で流通しているものが中心で、国内正規のフィリップスサポート対象と明記された販売ページは、今回確認できませんでした。故障したときに国内の窓口で見てもらえる前提では、考えないほうが安全です。
Philips Norelco OneBlade 360 Face+Body QP2834/70
参考価格 13,180円前後
剃る・整える・エッジを効かせるを1台で兼ねるハイブリッド機。シェーバーとは別カテゴリで、ヒゲの長さを残したいデザイン重視の人向け。
9000系 S9980/30|72枚刃の最上位を、仕様のまま受け取る
53,328円前後。5機種の最高値です。刃は72枚のデュアルスティールプレシジョン刃で、毎分最大150,000回カットと公式製品ページに記載されています。7000系の45枚・90,000回から、もう一段上がりました。
本体は180×65×70mmで約226gあります。5機種の中でいちばん重く、2000系とは80gほど違います。充電は約1時間、使用時間は約60分、消費電力は9Wです。使用時間そのものは、5000系・7000系と同じでした。
充電まわりに一点だけ確認事項があります。充電には専用の充電アダプタHQ8505が必要と、説明書に品番まで記載されていました。手持ちのUSB機器で代用する前提では考えないでください。
そして付属品です。この価格帯なら洗浄機は付くだろうと考えたくなりますが、S9980/30にクイッククリーンポッドは付属しません。付属するのはS9980/50のほうだと、説明書の付属品一覧に明記されています。5万円台の買い物でここを読み違えると、気持ちが折れます。
Philips Shaver S9000 Series S9980/30
参考価格 53,328円前後
72枚のデュアルスティールプレシジョン刃で毎分最大150,000回カットする最上位機。予算に余裕があるなら候補になる1台。

替刃は4種類、品番と交換の目安を先に押さえる
ここからは、タイトルにも入れた替刃の話です。5機種で使う替刃は、品番でみると4種類でした。
| 機種 | 替刃の品番 | 交換の目安 |
|---|---|---|
| 2000系 S2883/00 | SH30 | 公式資料では確認できませんでした |
| 5000系 S5889/10 | SH71 | 取扱説明書に2年ごとの交換を推奨と記載 |
| 7000系 S7886/10 | SH71(5000系と共通) | 公式資料では確認できませんでした |
| 9000系 S9980/30 | SH91 | 公式資料では確認できませんでした |
| OneBlade QP2834/70 | QP420/80 | 公式表記で最大4ヶ月 |
読み取れることが二つあります。ひとつは、5000系と7000系が替刃を共有している点です。もうひとつは、OneBladeだけ交換のサイクルが極端に短い点です。最大4ヶ月という表記を素直に受け取るなら、年に3回前後の買い替えになります。2年ごとの推奨と並べると、同じ替刃という言葉でも意味あいはまるで別物です。
肝心の替刃の値段については、正直に書きます。今回の調査では、各替刃の実売価格を確認できませんでした。ですから「本体が安い2000系は替刃で逆転する」といった結論を、ここで出すことはしません。数字を持たないまま長期コストを語れば、それはただの印象論になってしまいます。
そのうえで、調べ方だけはお渡ししておきます。SH30・SH71・SH91・QP420/80という品番で検索すれば、替刃単体の販売ページに辿り着けるはずです。本体の候補が2台まで絞れたら、本体価格の差と、替刃の価格に想定年数を掛けた額を並べて足してみてください。5000系と7000系のように替刃が共通なら、この足し算では差がつきません。差がつくのは本体の値段だけです。
洗い方とお風呂剃り、ここは毎日の手間に効きます
毎日の手入れは、仕様表の中でいちばん生活に近い項目でした。今回の5機種は、いずれも公式資料で防水加工と浴室での使用が確認できています。2000系はシャワーでの使用と水道水での洗浄が説明書に明記され、OneBladeもお風呂での使用と水洗いに対応していました。
ただし2000系には制限が併記されています。本体を水に浸けることと、電源コードをつないだままの使用は不可です。流水で洗うことと、水に沈めることは別だと覚えておいてください。
そして自動洗浄機の話。今回の5点は、全機種でクイッククリーンポッドが付属しません。5000系はS5889/60など、7000系はS7886/50など、9000系はS9980/50が付属する品番にあたります。洗浄機ごと欲しい場合は品番から選び直すことになり、そのぶん予算は上がります。ここは買ってから気づくと、落ち込み方が大きい部分です。
買う前に品番の末尾で確かめること
- 洗浄機(クイッククリーンポッド)が要るか。今回の5点はすべて非付属です
- 鼻毛・耳毛トリマーが要るか。7000系では/51と/16のみ付属します
- 替刃の品番を控えたか。SH30/SH71/SH91/QP420/80のどれになるか
- 充電アダプタの指定があるか。9000系S9980/30はHQ8505が必要です
回転式という構造を、どう受け取るか
フィリップスの4台は、円形の刃が回って動く回転式です。7000系の製品ページには3つの回転刃と記載があり、丸いヘッドが三つ並ぶあの形は、この構造から来ています。
国内で広く流通しているブラウンやパナソニックの多くは、刃が左右に往復する往復式です。動き方が違うので、当て方も、ヘッドを肌に沿わせる感覚も変わってきます。どちらが優れているという話ではなく、合う合わないの話だと考えてください。回転式が合わなかった人が往復式で落ち着くこともあれば、その逆もあります。
他社と迷っているなら、それぞれの選び方も見ておくと判断が早くなります。ブラウンはブラウンのシェーバーは洗浄器を使うかで決まる、パナソニックはパナソニックのラムダッシュは刃数で決まるという軸で整理しました。
買う前に飲み込んでおきたい、惜しい点
いいところだけ並べても選べないので、引っかかった箇所をまとめておきます。
2000系S2883/00は、使用時間が約35分でほかの4台の約60分より短く、ポップアップトリマーも付きません。整える工程を別の道具に任せる前提でないと、あとから足りなくなります。
5000系S5889/10と7000系S7886/10は、洗浄機が付属しない品番です。7000系はさらに鼻毛・耳毛トリマーも非付属で、シリーズ名だけで選ぶと届いてから気づく構図になっています。ここは正直、品番の末尾まで見せる売り方をしてほしいと思いました。
7000系については、刃の枚数もカット回数も替刃も5000系と同じという事実が残ります。差額を納得して払えるかどうかは、公式の仕様表だけでは判断しきれません。
OneBlade QP2834/70は、国内正規サポート対象と明記された販売ページを確認できませんでした。替刃の交換目安も最大4ヶ月と短めです。用途が合っている人には代えがたい道具ですが、回転式の代わりとして買うと期待が外れます。
9000系S9980/30は5万円台という価格そのものが最大のハードルで、しかも洗浄機は付属しません。充電アダプタHQ8505の指定もありますから、旅先での取り回しは軽い2000系のほうが楽なはずです。
選ぶときに、自分へ投げたい三つの問い
ここまでの内容を、選ぶ側の質問の形に置き換えておきます。
ひとつめは、もみあげや口ひげの縁をこの一台で整えたいかどうかです。整えたいならポップアップトリマーが入る5000系以上、長さを残して形を作りたいならOneBlade、という分かれ方になります。
ふたつめは、洗浄機を使う生活を想像できるかどうかです。今回の5点はすべて非付属ですから、要るなら付属品番へ、要らないならこのまま選んで差し支えありません。
みっつめは、替刃の品番を控えて数年ぶんを足してみたかどうかです。SH30、SH71、SH91、QP420/80という四つの品番があります。本体価格だけで比べると、この部分がまるごと抜け落ちます。
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