中古市場に出てくるビンテージスピーカーは、同じ型番でも状態も値段もばらばらです。だからこそ「どれが名機か」を調べるより先に、自分の部屋でどのくらいの音量まで出せるのかを決めてしまったほうが、候補は一気に減ります。
ここで取り上げるのは、楽天とYahoo!ショッピングで実際に在庫を確認できた4台です。BOSE 301 AV MONITOR、YAMAHA NS-10M、JBL 4312M II、DIATONE DS-77Z。発売年も箱の大きさもてんでばらばらで、そのぶん向いている使い方がきれいに分かれました。
並べる順番は、大きさではなく「どこに置いて、どう使うか」にしました。部屋全体へ届かせる置き方から始めて、机の上、小さい部屋の棚、最後に床へ据える大型、という流れです。箱の大きさと重さは行ったり来たりするので、そこは表の数字のほうで確かめてください。順位をつけるつもりはありません。収まる場所と出せる音量で選んでください。
もうひとつ先に書いておきます。この4台のうち1台には、安全に関わる公式の告知が出ています。BOSE 301 AV MONITORです。伏せるつもりはないので本文でそのまま扱いますが、壁掛けを考えている人は、そこだけ先に読んでもらって構いません。

このブログを書いている人
30代前半メンズ、都内在住。「大手製薬企業 → 大手EC企業 → 大手メーカー企業」と、ライフスタイルに合わせて転職をしながら現在3社目で日々奮闘中。ファッションや美容といった身だしなみのことから、生活を豊かにするガジェット類、インテリアや雑貨まで、実際に使ってよかったものだけを書いています。
私は極度の脂性肌×敏感肌で、スキンケアは市販薬からデパコス、20以上の美容医療やイソトレチノイン治療まで一通り試してきました。
大好きな香水は500本以上、洋服には累計2,000万円ほどを使用(使いすぎ…)
これまで身を削って試してきた実体験を皆様にお伝えします!
音量・部屋・置き方の3つを先に決めると、候補は勝手に絞れます
ビンテージスピーカーの記事は、どうしても型番の話から始まりがちです。ただ、実際に買ってから困るのは音のことよりも、置き場所が足りない、思ったより重い、集合住宅で音量を上げられない、といったところでした。
先に決めておきたいのは3つあります。ひとつめは出せる音量です。夜しか聴く時間が取れないなら、大型を買っても実力の入り口までしか使えません。ふたつめは置き方で、机の上なのか、棚の上なのか、床に直接据えるのかで、選べる型番が変わります。3つめは配線で、ここで挙げる4台はすべてアンプにつないで鳴らす形なので、アンプが手元にないなら本体とは別に用意が要ります。
もう1点だけ添えさせてください。ビンテージのスピーカーには内蔵のBluetoothがありません。スマホから直接飛ばして鳴らしたい用途なら、そもそも別のジャンルを見たほうが早いはずです。その場合はBluetoothスピーカーのおすすめのほうが話が早く進みます。レコードで鳴らすつもりならレコードプレーヤーのおすすめもあわせて読んでみてください。
4台の置き方とサイズを先に並べておきます。以下の順番は、このあとの見出しの順番と同じです。ただし重さが軽い順に並んでいるわけではないので、大きさは右の列で見比べてください。
| 型番 | 向いている置き方と部屋 | サイズと重さ(1台) |
|---|---|---|
| BOSE 301 AV MONITOR | 棚や壁ぎわに置いて部屋全体へ | 455×280×235mm・9.8kg |
| YAMAHA NS-10M | 机の上に置いて近くから聴く | 215×382×199mm・6kg |
| JBL 4312M II | 6畳前後の部屋・棚やデスクの上 | 181×300×180mm・4.0kg |
| DIATONE DS-77Z | 床に据えて広い部屋で鳴らす | 400×700×330mm・29.0kg |
中古を見に行く前に確かめる3つ
- 出品ページに「年式」と「状態のグレード」が書いてあるか
- ペア(2台1組)なのか1台のみなのか
- 返品や保証の条件が書かれているか
- Marshallのスピーカー見た目から選ぶなら、この1ブランドを掘り下げています
棚でも壁ぎわでも置けるBOSE 301 AV MONITOR
置き場所の自由度でいうと、この4台の中ではBOSE 301 AV MONITORがいちばん融通が利きます。2ウェイ・3スピーカーのバスレフ型で、20cmのウーファーが1本と7.5cmのツイーターが2本という構成です。ツイーターが2本ある理由は、片方を壁の方向へ向けて反射させる設計にあります。だから、部屋の隅や棚の上といった置き方とも相性のよい設計です。
インピーダンスは8Ω、許容入力は120W(rms)・400W(peak)と当時のカタログに書かれています。出力音圧レベル(能率)の数値は、確認したBOSEのカタログの中に見当たりませんでした。サイズは455×280×235mmで重さは9.8kgなので、しっかりした棚があれば置けます。
実売は複数の店で出品を確認できました。状態の記載で値段が動く、典型的な中古の並び方です。店によって振れますので、グレードの表記と値段はセットで見てください。
壁掛け・天井吊りを考えているなら、製造時期を先に確認してください
このモデルについては、BOSEが公式にお知らせを出しました。1988年8月から1997年5月までに製造された301-AV MONITORについて、壁掛け・天井吊り用の取付金具のネジ穴部分が経年で劣化し、落下する可能性があると告知されています。あわせて、現行モデルである301Vへの無償交換が案内されています。
対象になるのは、その取付金具を使って壁や天井に固定する使い方です。棚や床に直接置いて鳴らすのであれば、その金具自体を使いません。ここは分けて考えて大丈夫です。
中古の出品ページには、製造時期まで書かれていないことのほうが多いのが実情です。壁掛けを前提に買うつもりなら、購入前に販売店へ製造時期を問い合わせて、そのうえでBOSEのサポート窓口に案内の受付状況を確かめるのが確実な進め方になります。手間には見えますが、頭の上に9.8kgを吊る話なので、ここは飛ばさないでほしいところです。
出品数が多いモデルなので、状態のグレードと年式の記載を見比べながら選べます。まずは現物の情報が細かく書かれている出品から見てみてください。
机の上に置いて近くから聴くYAMAHA NS-10M
白いコーン紙で見分けがつくYAMAHA NS-10Mは、オーディオ店より楽器店に在庫が厚いという、少し変わった立ち位置にあります。宅録の環境にそのまま組み込む人が買っていくからです。買える店の系統がほかの3台とずれているので、オーディオの中古店だけ見ていると出会いません。
無印のNS-10Mについて、当時のカタログには次の数値が載っています。2ウェイの密閉型で、18cmのコーンウーファーと3.5cmのドームツイーターを組み合わせた構成です。インピーダンスは8Ω、出力音圧レベルは90dB/W/m、再生周波数帯域は60Hzから20kHzまで。サイズは215×382×199mmで重さは6kgです。1978年ごろの発売で、当時の価格は1台25,000円、2台そろえると50,000円という水準でした。
無印とProで価格帯が別物になります
ここは取り違えの起きやすいところです。初代の「NS-10M」(無印)と、後から出た「NS-10M Pro」は、外観も年式も違います。そして中古の値段も、同じ棚に並ばないくらい離れています。
実測では、無印とPro版で値段の並びがはっきり分かれていました。同じ「NS-10M」という呼び名で検索して、出てきた値段だけを見比べると、数字の意味を取り違えます。安く感じた出品が無印で、高く感じた出品がProだった、というだけの話であることが少なくありません。
楽天の5店とYahoo!ショッピングの3店で在庫を確認しました。ジャンク扱いの出品も混ざる型番なので、商品名の末尾に「Pro」が付いているか、状態の記載がどうなっているか、この2点はカートに入れる前に必ず見てください。
机まわりで完結させたい人、部屋を占領せずに1組そろえたい人には、この6kgという重さと215mm幅が効いてきます。まずは無印とProのどちらの在庫なのかを確かめたうえで、価格を見比べてみてください。

6畳前後の部屋に4312の系譜を置くJBL 4312M II
JBLの4312シリーズは大型のイメージが強いのですが、この4312M IIは机の上にも載る大きさに縮めた版です。181×300×180mm、重さは4.0kgで、この4台の中ではいちばん軽い1台になります。大型の4312Aを置く場所は取れない、けれど4312の構成で聴きたい、という人のための選択肢です。
構成は3ウェイ・3スピーカーで、13.3cmのウーファーに5cmのミッドレンジ、1.9cmのドームツイーターが組み合わさります。インピーダンスは6Ω、出力音圧レベルは90dB/2.83V/m、再生周波数帯域は55Hzから50kHzまで。2008年3月の発売で、当時の定価は2台1組でウォルナット仕上げのWXが76,000円、ブラックのBKが66,000円でした。
型番でひとつ注意が要ります。無印の「4312M」と後継の「4312M II」が中古市場で同時に流通していて、末尾の「II」の有無で世代が変わります。実測でも、無印4312Mのほうに高い値が付いていました。どちらの世代を買うつもりなのか、決めてから検索したほうが迷いません。
楽天の6店とYahoo!ショッピングの1店で在庫を確認しています。未使用未開封という出品も見かけましたが、341,112円という金額で、実売の相場からは完全に外れていました。そういう出品もある市場だと思って眺めてください。
小さい部屋に置く前提で選ぶなら、サイズと重さの余裕は大きな味方になります。棚板の耐荷重を気にしなくていい4.0kgという数字は、賃貸で置き場所を探している人ほど効いてくるはずです。
床に据えて上限まで出すDIATONE DS-77Z
三菱電機のDIATONE DS-77Zは、この4台の中でいちばん大きく、いちばん重い1台です。400×700×330mmで、重さは29.0kgあります。棚に載せる話ではなく、床かスピーカースタンドに据える前提のサイズになります。置き場所が取れて、音量も上げられる環境がある人のための枠として、最後に置きました。
3ウェイ・3スピーカーの密閉型で、31cmのコーンウーファー、10cmのコーンスコーカー、2.5cmのドームツイーターという構成です。クロスオーバーは500Hzと4kHzの2点。インピーダンスは6Ω、出力音圧レベルは91dB/W/m、再生周波数帯域は35Hzから35kHzまでとカタログに記載があります。テレビの近くに置くことを想定した防磁設計も入っています。発売は1989年6月で、当時の価格は1台60,000円でした。
31cmのウーファーという数字は、ほかの3台と並べると意味が分かりやすくなります。BOSEが20cm、YAMAHAが18cm、JBLが13.3cmですから、口径だけで見ても別の階層にいます。そのぶん、集合住宅で夜に鳴らす用途には向きません。時間帯を選ばずに聴きたい日があるなら、ヘッドホンのおすすめと併用する前提で考えたほうが現実的です。
出品が2店しかない点は先に知っておいてください
正直に書きます。実測した時点で、購入できる店舗は楽天のIINEX1店とYahoo!ショッピングのgs-joy1店、合わせて2店だけでした。ほかの3台がいずれも4店から6店で買えるのと比べると、選べる出品が明らかに薄い状態です。
「DIATONE DS-77」まで検索範囲を広げても、出てきたのはDS-500やDS-205といった別型番で、DS-77Zの追加の出品は見つかりませんでした。出品ごとの開きも大きく、状態差がそのまま金額差になっています。実売の中心は判断しづらいところです。
中古なので、この在庫状況は日々動きます。今日買えたものが来週も買えるとはかぎりませんし、逆に別の店から出てくることもあります。急かすつもりはないので、そのときの出品を見て判断してください。29kgという重さは搬入経路にも関わるので、玄関と部屋までの動線を測ってから注文するのをおすすめします。
置き場所と時間帯の条件が合う人にとっては、口径と重さがそのまま余裕になります。現在の在庫と状態の記載を、まず自分の目で確かめてみてください。
引っかかりやすいのは、音より置き場所と配線と経年のほうです
4台を並べて分かるのは、ビンテージスピーカー選びでつまずく場所が、だいたい決まっているということです。惜しいところも含めて書きます。
まず、経年です。発売時期は、YAMAHA NS-10Mが1978年ごろ、DIATONE DS-77Zが1989年6月、JBL 4312M IIが2008年3月でした。この3つでいちばん新しいJBL 4312M IIでも、2008年3月の発売から18年以上が過ぎています。BOSE 301 AV MONITORについては、先に書いた公式の告知に1988年8月から1997年5月という製造時期が出ていました。ウーファーのエッジやネットワークの部品は年数とともに変わりますし、その進み方は個体ごとに違います。だから「この型番なら安心」という買い方は成立しません。出品ページの状態グレードと、返品条件のほうを見てください。
次に、配線です。4台ともアンプにつないで鳴らす形なので、スピーカー本体とは別にアンプとスピーカーケーブルが要ります。手元にオーディオ機器がゼロの状態から始めるなら、ここも計算に入れてから予算を組んでください。
3つめは、置き場所と重さです。DS-77Zの29.0kgは搬入と設置の両方に効いてきますし、BOSE 301 AV MONITORの9.8kgでも、棚板が薄いとたわみます。壁掛けを考えているなら、前の章に書いたBOSE公式の告知を必ず読んでから決めてください。
4つめは、型番の枝分かれです。NS-10Mの無印とPro、4312Mの無印とIIは、どちらも検索結果の中で混ざります。値段の違いを状態の違いだと思い込むと、話がずれたまま買うことになりかねません。
最後に、見た目の相性も書いておきます。木目の箱を部屋に置くと、家具の系統がそろっていないと浮いて見えることがあります。部屋の雰囲気ごと寄せていきたい人はミッドセンチュリーインテリアの作り方も参考になるはずです。
どの1台にするかは、鳴らせる音量から逆算してください
改めて、4台の向き先を整理しておきます。棚や壁ぎわに置いて部屋全体に届かせたいならBOSE 301 AV MONITOR。机の上で近くから聴くならYAMAHA NS-10M。6畳前後の部屋で4312の構成を使いたいならJBL 4312M IIが候補になります。床に据えて上限まで出せる環境があるならDIATONE DS-77Z、という並びです。
値段については、同じ型番でも状態のグレードでかなり動きます。無印とPro、無印とIIのように世代で分かれる型番では、なおさらです。検索結果の安い順だけを追いかけると、世代の違う個体を比べてしまいます。
そして中古は在庫が動きます。この記事で確認できた出品も、明日には変わっているかもしれません。気になった型番があったら、いま出ている在庫の状態表記と価格を自分の目で確かめて、そこから判断してもらえればと思います。
※本記事はプロモーションを含みます

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